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【シャルリー・エブド】パリで襲撃された新聞はどんなことを報じていたのか

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CHARLIE HEDBO CARTOONISHTS
4 Cartoonists Killed In Attack On Charlie Hebdo Newspaper | Getty Images
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風刺漫画で知られるフランスの政治週刊紙「シャルリー・エブド」の本社が1月7日(現地時間)、銃撃を受けた事件で、死亡した12人のうち4人は風刺漫画家だったとフランスでは報じられている

「カーボ」という愛称で知られ、風刺画も描いていた編集長のステファン・シャルボニエ氏も銃弾に倒れた。また、著名な風刺漫画家のカブ氏、ウォリンスキ氏、ティグノス(本名はベルナール・ベルラック)氏も犠牲となった。このテロ事件では、他に少なくとも8人が死亡している。

charb 2011
シャルリー・エブド紙の風刺漫画家シャルボニエ氏が2011年11月3日、パリのロン・ポアン劇場での記者会見に出席した時の様子。

シャルボニエ氏は、因習を打破する姿勢で広く知られており、反体制的な同紙の看板的存在だった。

シャルリー・エブド紙はこれまでも、政治や宗教などさまざまなジャンルの有名人を攻撃する風刺画を数多く掲載してきている。中でも一番注目を集めたのは、イスラム教ならびに預言者ムハンマドに関する表現だった。

2011年には、ムハンマドを同紙の新しい編集長に指名したという風刺画を掲載。その翌日には、同紙事務所に火炎瓶が投げ込まれ、全焼する事件が起きた。

100 lashes
2011年に発表された風刺画には、「笑いすぎて死ななかったら、むち打ち100回の刑だ」というセリフがついている。この号の発売後、同紙事務所には火炎瓶が投げ込まれた。

同紙は2011年にさらに、預言者ムハンマドを同性愛者として描いた風刺画を掲載した。その結果、同紙ウェブサイトはハッカーの被害を受けている(以下の画像)。

gay prophet

2012年には、フランス当局から警告を受けていたにも関わらず、ヌード姿のムハンマドの絵を複数掲載した。シャルボニエ氏はAP通信に、預言者ムハンマドを風刺する漫画の掲載決定について次のように主張した。「ムハンマドは私にとって聖なる存在ではない。イスラム教徒がこの漫画を見て笑わないのは仕方がない。しかし、私はフランスの法の下に生活しているのであって、コーランに従って生きているわけではない」

シャルボニエ氏が最後に描いた漫画から、シャルリー・エブド紙が絶えずさらされていた脅威を軽く見ていたことがわかる(シャルボニエ氏は複数の殺害脅迫を受けており、警察当局の保護下にあった)。

「フランスにはまだ攻撃が行ってないな。1月末までには季節の挨拶ができるぞ」

カブ氏(76歳)は同紙の常連漫画家で、かつてはフランスの有名な映画監督ジャン=リュック・ゴダール氏に「フランス一のジャーナリスト」と評された人物である、と英紙「テレグラフ」は伝えている。また、シャルリー・エブド紙の前身である月刊誌「アラキリ(Harakiri:日本語の切腹の意 フランスでは「アラキリ」と発音する)」の共同創刊者でもあった。アラキリ誌は、1970年代に発禁処分を受けたため、「シャルリー・エブド」に改名したという背景がある。

カブ氏は2006年、同紙の表紙に、「バカに愛されるのもラクじゃない」というキャプション付きで、預言者ムハンマドが頭を抱える風刺画を描いた。2つのイスラム教系団体がこの風刺画をめぐって訴訟を起こしたが、敗訴したとニューヨーク・タイムズ紙は伝えている

cabu 2011
シャルリー・エブド紙の風刺漫画家カブ氏が、2011年11月3日にパリのロン・ポアン劇場での記者会見に出席した時の様子。

ジョルジュ・ウォリンスキ氏(81歳)はチュニジア生まれのユダヤ人で、1940年に家族とともにフランスに移り住んだ。カブ氏と同様、1960年代には「アラキリ」誌に漫画を掲載していた。

wolinski 2011
シャルリー・エブド紙の風刺漫画家ジョルジュ・ウォリンスキ氏が、2011年11月3日にパリのロン・ポアン劇場での記者会見に出席した時の様子。

シャルリー・エブド紙は2006年、「原理主義者に悩まされて困り果てたムハンマド」という見出し付きで、すすり泣くムハンマドの漫画を掲載し、物議をかもした。同号にはさらに、預言者ムハンマドの風刺画が12枚掲載され、イスラム世界からかつてないほどの批判が寄せられた(これは、もともとはデンマークのユランズ・ポステン紙が2005年に発表して問題になった預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載したものだった)。

最終的には、フランス国内に住む500万人のイスラム教徒を代表する組織「フランス・イスラム評議会」が、同週刊紙を訴える事態となった。この号がきっかけとなって、シャルリー・エブド紙はテロリストの攻撃対象としてみなされるようになったと考えられている。

さらに最近の号では、イスラム国が預言者ムハンマドの首を切るマンガを掲載していた(以下のTwitter画像)。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

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【訂正】2015/01/11
当初の記事で、ベルナール・ベルラック氏の名前を「ベルラーク・ベルナール」としていましたので修正しました。合わせて、ステファン・シャルボニエ氏、カブ氏、ジョルジュ・ウォリンスキ氏の名前を修正しました。

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フランスの風刺雑誌の会社で銃乱射
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