【残業代ゼロ】対象拡大の"歯止め"設けると厚労相 具体的な内容はこれから

塩崎厚労相は残業代ゼロ制度などを盛り込んだ新制度について、対象範囲が大幅に拡大しないような“歯止め”を設ける考えを示した。これから具体的な内容を詰めることになる。
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塩崎恭久・厚生労働相は1月16日、働いた時間に関係なく仕事の成果で賃金を払うとする残業代ゼロ制度などを盛り込んだ、新たな労働時間制度について、対象となる労働者の年収要件が引き下げられ、範囲が大幅に拡大しないような“歯止め”を設ける考えを示した。塩崎厚労相は「法案の表現ぶりなどについて、しっかりと議論したい」と述べ、これから内容を詰める考えを示した。NHKニュースなどが報じた。

現在、日本では「1日8時間以内、1週間で40時間以内」といった労働時間に関するルールが法律で定められている。新制度では、これらの時間的な制限を取り払うことで、柔軟で効率的な働き方ができるとされる。

一方で、企業が多くの労働者に長時間労働を課すおそれがあるとの指摘もあり、対象者については年収を1075万円以上、職種を証券アナリストやシステムエンジニアなど高い能力が必要な職種に限定するなどの制限を設けるとしている。

しかし、経団連からはこれまでにもホワイトカラーエグゼンプションの対象を「年収400万円(又は全労働者の平均給与所得)以上」とすべきとの提言を出しており、また、榊原定征会長は2014年6月にも「全労働者の10%程度が適用を受けられる制度にすべき」と述べており、より幅広い働き手を対象にすべきとしている。このため、新制度についても「はじめは高所得者に限定していても、すぐに中所得者に対象が拡大する」という意見もある。

なお、残業代ゼロ政策について人事担当者に対して行った調査では、残業時間が月20時間以内の企業の人事担当者は「時間に管理されず成果をあげる特定のポジションには有益」などの理由で賛成が多かったが、月20時間を超える企業の担当者は、「長時間残業による健康不調や過労死などが増える」などの理由で導入に反対する人のほうが多かったというデータもある。

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