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後藤健二さんの母・石堂順子さん「日本はイスラム諸国の敵ではない」イスラム国に人質釈放を訴える

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JUNKO ISHIDO
会見する後藤健二さんの母、石堂順子さん | nico nico
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イスラム系武装組織「イスラム国」に拘束されたジャーナリスト後藤健二さんの母、石堂順子さんが1月23日、日本外国特派員協会で記者会見し、「健二はイスラム国の敵ではない」「帰ってきたら子供の教育に全力を尽くす」と釈放を訴えた。

会見の主な内容は以下の通り。

【冒頭発言要旨】
日本国民そして日本政府の方々、そしてここにお集まりの方々に、感謝とご迷惑をおかけしますことお詫び申し上げます。この3日間、身近にどのようなことが起こっているのかまったく計り知れませんでした。そのためみなさんにご迷惑をおかけしていますことをお詫び申し上げます。

昨日、健二の妻と初めて電話で交信いたしました。聞きますと、2週間前に赤ちゃんが生まれたそうです。私はびっくりいたしました。「なぜ生まれたばかりの子供を置いて遠いところへ行ったのですか」と質問しました。そうしましたら、「先に拘束されている知人を助けるために、何が何でもという形で飛んで行ってしまった」と申しておりました。

私はその時感じたのですが、この地球は大切にしなければいけない。たった一つ、私どものために神が作ってくださいましたものを、なぜその貴重なプレゼントを壊すのか、私にはわからないのです。原子力を使い、地球を汚し、何を求めようとするのか、私には全然わかりません。

今日こうやってみなさんにお会いすることも、私の近いところからは、この会見をやめるようにという電話がいっぱい入っております。しかしそれは間違いだと思います。皆様がお忙しい中、人類のために、私どもの拙い息子のために、お時間をつくってくださったものですから、感謝を申し上げるのが当たり前と思い、電話を無言で切らさせていただきました。

この3日間、何が起きたのかわからず、迷っておりました。健二は小さい頃から、よちよち歩けない頃から、そういう子がいますと、心優しく接していた子供です。ですから自分のところにまだ、乳飲み子を置いて出かけて行ったのだと思います。昨日その奥さんと名乗る方と初めて電話で交信いたしました。私が驚いたのは、赤ちゃんを産んで2週間もたっていないということなんです。私は健二に憤りを感じました。なぜ乳飲み子を残しながら行くのか。友達が、友人がと言っても、子供を守ってあげるのは親しかいない。心優しい子、正義感に燃えている子と申しましても、そこが解せませんでした。

私は不思議でならないことがございます。それは自分たちの地球を自分たちの手で壊すということです。原子力、原子爆弾を開発して壊していく。そこで生活している弱者を悲しみに落とし穴に突っ込んでいく。私は今、込み上げてくる涙を隠しておりますが、すべてをダメにする、それをいっときの感情でどんぱちやるということ、それを阻止しなければいけないと思います。もし私の命が原子力の良い方の活用になるのであれば、私の命を失うこともまったく厭いません。

【主な質疑応答】
Q 締め切りは午後2時ごろだが。イスラム国に何かメッセージはあるか。

A イスラムの方々も私どもと一緒に地球の平和を考えて、すばらしい地球が作れるのであれば、私の命などはどうなってもよろしゅうございます。ぜひ皆様方からお知恵をいただければうれしゅうございます。イスラム国の皆様にも申し上げます。健二はイスラム国の敵ではありません。(湯川遥菜さんの)釈放を願って、イスラムに単身で渡った子です。イスラムの子といっしょに恨みつらみはやめて、いい地球をつくっていただければ、ここにお集まりの皆様全員も同じ願いであると思います。私の命を提供することになんの抵抗も感じません。健二は正義感の強い子です。いい結果が出ましたら、きっと地球のため、子供たちのため、未来のためにも尽くしていけると思います。2週間しかたっていない自分の子を置いてでもイスラムに渡った子供です。日本は唯一の被爆国ですが、被爆後も地球は惨憺たるものでした。私の命と替えられるものであれば、悔いはいたしません。地球を大切にしていただきたい。それだけを願っております。

Q いちばん最後に健二さんと連絡を取ったのはいつか。報道によるとイスラム国がお母様にも連絡を取ったと言われているが。

A 健二は大変、親思いの子でしたので、行く前には私のところに連絡はございませんでした。一つは、心配をさせたくなかったこと、もう一つは自分の同胞が捕らえられている。そこへ行くことは反対されるという思いだったのだと思います。

(中略)一生懸命母の手で育てて、戦争にやることを少しも考える母はいないと思うんです。戦争はやめていただきたい。どうぞ皆様のお力で健二の命を救ってください。私は自分の子供のことだけを言っているわけではないのです。子供はユニセフとか子供たちのことを非常に考えておられましたので、命あって帰るならば、世界中を回って次世代を担う子供たちの教育にも携わっていただきたい。そして原子力のない国をつくってほしい。そんな言葉をかけてやりたいと思います。我が身を捨てることですね。

Q イタリアの記者です。日本政府に何かメッセージなどは。

A 生意気かもしれませんが、健二のしたことはつまらないことと言われるかもしれませんが、しかし生まれて2週間にならない赤子を置いて同胞の救出に向かったのです。もっとイスラムに対しても違う感情があったと思います。それはなぜかと申しますと、捨て身で行ったということです。それはやはり、イスラムの国、会って話をすれば分かり合える地球人だと判断したからだと思います。どうぞイスラムの方々も、日本人は皆、好意的に接していると思います。これほど海外のジャーナリストの方々が捨て身で息子のためにやってくださっています。きっとイスラム国の中でもそういう方はいっぱいいらっしゃると思います。ぜひ日本に申し出てください。日本は第2次世界大戦を体験しております。無条件降伏をした国です。私の命とこの地球を守ることの取り替えがきくなら、私はこの身を捧げてもきれいな地球を作っていきたい。

Q 母の涙は訴える。イスラム教信者は女性を尊重している。本心の言葉をイスラム国に訴えてほしい。

A イスラムの方々にお願い申し上げます。幼児に物を教えること、指導することを最大に得意としております。イスラムのことは決して嫌いではない。もし元気で帰ってきましたら、こういう国もイスラム国とともに歩んでいる。そして世界にはこういう科学の力を持っている国もある。そして子供を愛している。第1番に子供の幸せを考えている。そういった世界平和のために身を尽くし心を整えて学んでいく若者にしたいと思います。健二は幼い頃から、弱い子供に優しい子でございました。

Q 1977年のハイジャック事件で福田首相は身代金を支払って人質の釈放を実現し、批判もされたが「人命の価値は地球より重い」と言った。安倍首相にもその言葉を思い出してほしいと思うか。

A 非常にそれを願っております。健二も小中高幼稚園、大学までも教師をした人間ですので、イスラム国に日本で勉強したいと思っているお子さんがおられましたら、健二に申しつけていただければ一級の指導をすると思います。平和を願っているからこそ、自分の知人が捕らえられたと言えば、何をおいても行ってしまった子供です。絶対、イスラム国にもご縁がございましたら、私も息子と一緒に全力で子弟教育に当たらせていただきたい。それから私の家も開放したいと思います。世界に精神の綺麗な平和を求める子供をいっぱい作っていきたい。健二が日頃口にしていた言葉だからこそ、私の口を使って言わせているのだと思います。

Q シリアの記者です。イスラムの方々というお話をしているが、健二さんが取られられているのはイスラム国という団体で、国家ではない。犯罪者や傭兵らが集まっている組織で、イスラム教信者がしないことをすると非難されているのをご存知か。この団体は必ずしもイスラムを代表するものではない。

A そこまで存じ上げておりませんでした。失礼しました。そのお話を聞いて、もし日本で勉強したいという方がいらっしゃいましたら、私が全力で守り、私のうちでしっかり勉強していただけますことをお約束いたします。

Q ロシア国営テレビです。3日間で日本政府から何か連絡はありましたか。

A まったく日本政府からはございません。

【声明】
私の得意分野は子供の教育と医学です。多くの外国人記者のみなさんにお集まりいただき感謝に堪えません。日本国民、諸外国のみなさんに、健二が大変ご迷惑をおかけしていることをお詫びし、二度とこのようなことをさせないために教育し直さなければならないと思います。3日間、ただただ泣いているばかりでした。健二はいつも「戦地の子供たちの命を救いたい」と言っていました。だから友人を助けるために行ってしまったのです。健二の報道の特色は、中立な立場で戦争報道をしてきたと信じています。イスラム国のみなさんに申し上げます。健二はイスラム国の敵ではありません。人類の友としてお役に立てる人間だと思っております。日本は戦争をしないと憲法9条に誓った国です。もう一度申し上げます。日本はイスラム教諸国の敵ではなく、友好関係を保ってきた国だと信じております。世界のみなさん、それぞれの知恵をお互いに披露しあってもっともっとすばらしい地球にしていただきたいと思っております。日本は唯一の被爆国です。アメリカによる原爆投下で数十万人が亡くなりました。あと残された時間はわずかです。日本政府のみなさんも反省すべきは反省し、国民と一体になって、そしてまたイスラム諸国と一緒に育てていく、学ぶ点があるなら、戦力よりも持っていきたいと思います。私にそのような場が与えられれば、私は命に代えても、イスラム国のお子さんにも接していきたい。健二は自分のために行ったのではない。そういった健二の気持ちも、健二の活躍も、子供たちへのお手伝いもさせていただくように、イスラム国のみなさんにもお願いしたいと思います。

残された時間はわずかです。日本政府のみなさん、健二の命を救ってください。イスラムの方々が日本で学びたいときは、私の家を宿にしてください。

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