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イスラム国の現状を、脱出したイギリス人女性が語る

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イスラム国からトルコへ脱出したイギリス人の若い母親が、テロリストの拠点での悲惨な経験について語った。

母親の名前はタリーナ・シャキルさん。スパイス・ガールズのファンで、イギリスの人気TV番組のTOWIEを楽しむ、ごく普通の若いイギリス人女性となんら変わらないシャキルさんは、2014年10月、自らの意思でイスラム国に加わるため、1歳2カ月の息子ザヒームくんを連れて、密かにシリアのラッカへ向かった。

しかし、シャキルさんは2015年1月中旬、狙撃兵に「私と息子の命を奪わないで」と訴えながら素手で有刺鉄線のフェンスをよじ登る、という大胆なやり方で国境を越えてトルコ側に逃げてきた。

tareena shakil
タリーナ・シャキルさんと幼い息子のザヒームくん

現在、トルコの拘置所で本国送還となるのを待っているシャキルさんは、イギリスの新聞「ザ・サン」の支援で、父親のモハマドさんとの再会を果たした

シャキルさんは次のように語っている。「イスラム国での生活はとても厳しいものです。イギリスでは当たり前の生活設備もまったくありません。お湯は使えず、1日に何時間も停電します」

「私が住んでいた場所では、毎晩市街地が爆撃されていて、爆弾が落ちるたびに家が大きく揺れて、生きた心地がしませんでした。何度も命拾いをしました」

「30発もの爆弾が落とされた夜もあり、翌朝外に出てみると、バラバラになった人間の体の一部と血が、そこらじゅうに飛び散っていました。ゾッとするような光景でした」

そして強制的にイスラム国兵士の妻にされそうになったため、シャキルさんはイスラム国から逃げ出した。

raqqa

シャキルさんは、イスラム国に加わった家族を連れ戻そうとする人々に対し、次のように忠告している。「家族を救い出そうとして欧米から来た人は、誰であろうと、まず間違いなく処刑されることになります」

2014年11月には、オランダ人の女性が、ラッカにいた娘を救出に向かっている。彼女は幸運にも娘を無事に連れて帰ることができたが、この十代の娘は、ソーシャルメディア上でイスラム国戦士と接触し、以前オランダ軍に在籍していたその戦士と結婚するため、2014年2月に自ら母国を離れていた。

ラッカには、女性だけで構成される宗教警察のような民兵組織があり、「非イスラム的な振る舞い」をする女性を容赦なく処罰しているが、その組織の中心となっているのは、複数のイギリス人女性だと報道されている

研究者の推定によると、すでに50人もの女性(大部分はイギリスの十代)が、シリアやイラクにいる兵士と合流した可能性があるという。こうした女性たちは、ソーシャルメディアの「Q&A」コーナーなどで、イスラム国の兵士に結婚の申し込みをしている。

「現地にいるイギリス人女性たちは、同じ場所に集まる傾向があり、同じ部隊に属する兵士たちと結婚しているのかもしれない」と、イギリスのキングズ・カレッジ・ロンドン大学の過激化・政治暴力研究国際センター(ICSR)でイスラム国による女性の勧誘をモニタリングしているメラニー・スミス研究員は、ハフポストUK版に対して述べた

ICSRは、イスラム国へ渡る女性が増加している、と警鐘を鳴らしている。ICSRによれば、アメリカ人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏が殺害された2014年8月からの数カ月間で、さらに多くの若い女性が、イラクとシリアへの渡航について問い合わせを行ったという。

「イスラム国は、特に医師やエンジニア、弁護士といった職業の人たちにイスラム国に加わるように求めています。またイスラム国を機能させるために、女性を呼び込んで子供を生ませる必要があるのです」とISCRのシニアフェロー、シラーズ・マー氏は述べている。

この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司/ガリレオ]

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