「大切なのはプロセスを真似ること」ハフポスト日本版イベント「地方創生、何が本当に必要なのか」開催【画像】

ハフィントンポスト日本版のイベント「地方創生、何が本当に必要なのか」が1月28日、アーツ千代田3331で開催された。

ハフィントンポスト日本版主催のイベント「地方創生、何が本当に必要なのか」が1月28日、アーツ千代田3331で開催された。

「働きかた」の基調講演では、マギーズ東京プロジェクト共同代表の鈴木美穂さんが「突破力のあるチームのつくりかた」をテーマに講演。24歳でがんを経験した原体験から、がん患者が安心して過ごせる“マギーズセンター”を東京につくるプロジェクトをはじめるまでの経緯を紹介した

マギーズ東京プロジェクト共同代表の鈴木美穂さん

クラウドファンディングで2200万円もの支援金を集めたマギーズ東京プロジェクト。運営メンバーは、それぞれの専門分野を持つプロフェッショナルだ。鈴木さんは、一緒にやりたいと思った友人たち一人ひとりに熱意を持って声をかけていったという。突破力のあるチームを作る秘訣について、イギリスのマギーズセンターを「日本に作る」と決意した「覚悟」と、思いを伝える「熱意」などと語った。

「突破力のあるチームのつくりかた」について質問に答える鈴木さん

続いて「地方創生、何が本当に必要なのか」と題したパネルディスカッションを開催。NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也さん、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉さん、株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役の清水義次さんを招き、ハフポスト日本版レポーターの猪谷千香をモデレータに、地方創生について活発な議論を交わした。

「地方創生、何が本当に必要なのか」パネリストのみなさん

大南さんは、徳島県神山町の「神山プロジェクト」を通じて、住民主導で「人の流れ」を作りながら町をデザインしてきた20年間の歩みを紹介した。清水さんは、民間不動産を活用した北九州市小倉家守プロジェクトや、公共不動産を活用した岩手県紫波町のオガールプロジェクトを手がけており、補助金に頼らない「リノベーションまちづくり」の事例を紹介した。

木下さんは、それぞれの成功事例をふまえて、地方創生にポイントについて「他の事例の“結果”を真似るのではなく、“プロセス”を真似ることが大切」などと総括した。

(左)NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也さん(中)一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉さん(右)株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役の清水義次さん

■登壇者プロフィール(敬称略)

鈴木美穂(マギーズ東京プロジェクト共同代表)

1983年10月東京生まれ。2006年、在京テレビ局に入社し報道局に配属。2008年乳がんが見つかり8カ月間休職。復帰後、本業の傍ら、がん患者を支援する活動を継続。2014年、イギリス発祥の“がん患者と支える人たちのための施設”を設立する「maggie’s tokyo project」を訪問看護師の秋山正子氏と共に立ち上げ、共同代表を務める。


大南信也(NPO法人グリーンバレー理事長)

1953年、徳島県神山町生まれ。スタンフォード大学院修了。過疎地域が生き残るための解決策を見いだそうと、90年代初頭よりアートや環境を柱に地域と世界をつなぎ、グローバルな視点での地域活性化を推進。創造的過疎を標榜し、若者や起業者の移住、ITベンチャー企業のサテライトオフィス誘致などに取り組む。


木下斉(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)

一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、一般社団法人公民連携事業機構理事。

一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。1998年早稲田商店会に関わったのをキッカケに、2000年以降、事業型まちづくりを推進。2008年より熊本城東マネジメント株式会社をはじめとして全国各地でまち会社の立ち上げ、その経営を通じて地域再生に従事。内閣官房地域活性化伝道師なども務める。


清水義次(株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役)

株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役。東京大学工学部都市工学科卒業。都市生活者の潜在意識の変化に根ざした建築のプロデュース、プロジェクトマネジメント、都市・地域再生プロデュースを行う。主なプロジェクトとして、旧千代田区立練成中学校をアートセンターに変えた3331アーツ千代田などの他、北九州市小倉家守プロジェクト、岩手県紫波町オガールプロジェクトなどに関わる。東洋大学大学院公民連携専攻客員教授。内閣官房地域活性化伝道師。


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