映画『ひつじのショーン』制作秘話「ショーンを主役にするのは安易だと思った。しかし...」

映画『ひつじのショーン』は、小さな羊が大都会に迷い込んでしまうという物語だが、そのシンプルな内容は全世界で称賛を受け、人々を笑わせた。

イギリスのアードマン・アニメーションズがまた成果をあげた。映画『ひつじのショーン』は、小さな羊が大都会に迷い込んでしまうという物語だが、そのシンプルな内容は全世界で称賛を受け、人々を笑わせた。いったいどうやって実現させたのか?

「まさにそこです」とピーター・ロード氏は説明する。彼はモーフィング(形態変化)の制作者であり、イギリス西部ブリストルにあるアードマン社で活躍する上級マイスターだ。今もなお、魔法はこの場所にある。

「私たちは何かを考案する前に自分たちにこう問いかけます。『大都会の羊』?ええ、うまくいきますよ」。

ショーンが望んでいたのはたった1日の休暇 - どうしてそれがそんなに難しいの?

「自分たちがおもしろいと思うことをやるだけです」追究すると、ピーター・ロード氏はじっくりと考え込みながら答えた。「私たちは推測しようとはしません。理解可能か、解釈可能か、あるいは腹の中で笑っているのは私たちだけかなどと考えることがあるのは非常にまれです。ですがショーンの物語は本当に単純です」。

「私たちは誰でも彼にあてはまるでしょうけれども、1日お休みすることにしたある動物の話です。そしてそのちょっとした決断によって、すべてが混乱してしまうのです。これは、実に普遍的なコンセプトです。すくなくとも私は、そんな経験をしたことが何度かありますよ」と彼はつけ加えた。

シンプルで見事と言えるだろう。大画面でみるショーンの冒険は、農場を歩く彼の姿というまったくいつも通りの朝から始まる。様々な手を使ってこっそりとバスに乗り込み、動物収容所から逃げ出し、レストランでフランス料理のご馳走を味わい、最新流行の理髪店に入りびたり、そして…とにかく、映画を見ればわかるだろう。ショーンや仲間、そして疲れを知らない雑種犬ビッツァーは、知らず知らずの間に自分たちの農場主を都会の大きな危険に巻き込んでしまうが、彼を助けようとするショーンたちを数々のやっかいな状況やニアミス、そしてすてきな出会いが待っている。

羊、ビッツァー、そして人間の最高の計画…

ブリストルを拠点とするこのスタジオでまたも生み出された傑作。この、手間はかかるが時代を超えた作品には、すでにアカデミー賞やその他の賞にノミネートされることが期待される。同スタジオで、ショーンは『ウォレスとグルミット 危機一髪!』で初めて登場しているが、その後エージェントがショーンを主役としたテレビシリーズを獲得した。しかしピーターやアードマン社は、ショーンに主役を務めさせる映画というアイデアは「安易すぎるのではないか」と感じた。

「私たちはとても慎重になっていました」と、彼は当時を振り返って語った。「ですが、ゴリー(IMDb/インターネット・ムービー・データベースでは監督兼作家のリチャード・スターザックであるが、みなにゴリーと呼ばれている)が私たちにそれを売ったのです。彼は非常に愉快な人で、ショーンのことをとてもよく理解しています」。

その決定が成果をあげたのは明らかだ。すでに、今後のショーンの冒険もたくさん用意されている。ピーター・ロード氏はますます忙しくなるだろう。すでに多忙な彼は、現在、自身のオリジナル作であるモーフィングのウェブベースの冒険を創作中である。そこで、面倒を引き起こすのを承知で、ピーター氏に今の1番のお気に入りは誰かを尋ねた…。

「おっと、困りましたね」と彼は認めた。「そうですね、今週に関していうと、派手な宣伝がありましたからショーンと言わざるを得ないでしょうね。ほら、恐れていた通り。部屋の隅っこのあそこにモーフがいますが、彼独特の目つきをこちらに投げかけています。彼のことを忘れるわけにいきません。彼はそんなことは承知してくれないでしょう」。

『映画 ひつじのショーン』は、現在映画館で公開中(イギリス、日本は7月4日公開予定)である。予告編は以下よりどうぞ…。

日本公開のホームページ

Shaun The Sheep Statue Erected On South Bank

ひつじのショーン

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

注目記事