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インドの大気汚染、世界最悪レベル どうしたら改善できるか、専門家に聞く

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INDIA AIR POLLUTION
Vehicles sit in traffic on a road shrouded in haze in New Delhi, India, on Monday, Jan. 20, 2014. India, China and Brazil, three of the largest developing nations, joined the U.S. in a list of the biggest historical contributors to global warming, according to a study by researchers in Canada. Photographer: Kuni Takahashi/Bloomberg via Getty Images | Bloomberg via Getty Images
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インドは経済成長著しい巨大新興国だが、一方で首都ニューデリーは大気汚染を引き起こす微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が世界最悪レベルにある。この深刻な状況に対して危機意識の低い政府や自治体の対策は後手に回り、国民の健康被害が懸念されている。

世界保健機関(WHO)の2014年5月のリポートによると、PM2.5の濃度は、2013年は平均で1立方メートル当たり153マイクログラムと、WHOが許容できるとする基準の15倍もあった。中国の大気汚染を日本メディアはよく取り上げるが、ニューデリーの濃度は北京の3倍にもなる数字だ。そんな中、子供の呼吸器疾患は増えており、大気汚染が要因の一つであると指摘されている。

記者は2014年末にニューデリーを訪れた。道路が自動車であふれてとにかく渋滞がひどいという印象で、目的地に到着する時間がなかなか予測できなかった。渋滞しているときに横を見ると、車やオートリキシャ(3輪タクシー)は灰色の排気ガスをたっぷりとはき出していた。街を歩くと、ディーゼルの排ガスの臭いが漂っていた。

ホテルから眼下の街を眺めると、至る所に樹木が植えられ多くの緑が広がっていた。しかし、街はうっすらと白くかすみ、遠くまで見通すことができなかった。

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大気汚染が深刻化するインド
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どうしてこんなにひどい状況なのか。ニューデリーにあるインドの公的調査機関「科学環境センター」の大気汚染専門家アヌミタ・ロイチョードリーさんは「厳しい状況です。とくに冬は最もひどくなります」と話し始めた。ニューデリーでは6カ所で大気のモニタリングをしており、毎時、データを計測している。汚染は急激な経済成長に伴って1990年代後半から悪化、「街はひどく臭い、歩くと目が痛くなりました」という。2000年代前半は少し落ち着いたのだが、2000年代後半から急激に深刻化しているという。

india air pollution
インド科学環境センターのアヌミタ・ロイチョードリーさん

「ディーゼル車が爆発的に増えていることが大きい」と話す。汚染源の半分以上が排ガスだ。経済成長に伴ってニューデリーを走る車は2002年からの8年間で倍に増えた。首都圏だけで毎日1400台ずつ車が増えている。120万台を超える車が、ニューデリーとその近隣都市の間を毎日行き来しているのだという。

これまでニューデリーは、自家用車の台数を減らすため、公共交通機関の強化を進めてきた。計約200キロになる地下鉄路線が建設され、バスの本数を増やすため国営だけでなく民間への委託も進められてきた。「メトロ(地下鉄)ができて改善した面もあります。しかし、少しばかり遅きに失しました」と嘆く。

ディーゼル車は相変わらず増えており、新車の半数以上がそうだという。理由は単純に、燃料のディーゼルの方がガソリンよりも安いからだ。ロイチョードリーさんは、ニューデリーがディーゼルの価格を非常に高価にするか、自家用車での使用を許可しないようにすればいいと提案。また、自動車税や駐車場料金のアップを方策としてあげる。

delhi india
朝のニューデリー中心部。街全体がうっすら白みがかって遠くが見渡せない=2014年12月


「インドの対策は、ヨーロッパよりも10年以上遅れています。車の量を減らしたり、いい燃料を使ったりすればいいのですが、シナリオは物足りません。自動車税や駐車料金を上げるのも手です」と話す。ニューデリーは駐車料金が安く、10ルピー(約19円)や20ルピー程度で、「これでは車使用の抑止になりません」と話す。駐車場料金に関しては、高い東京が一つのサンプルだと指摘する。

「自動車産業が、これらの改革に抵抗するかもしれません。ディーゼルには問題がないと主張するかもしれませんし、自動車産業の成長がインド経済の未来のために必要なのもわかります。しかしこれは、人々の命がかかった、負けることの出来ない戦いなのです。それを忘れないでほしい」。ロイチョードリーさんは、言葉を選ぶように語った。

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