Huffpost Japan

認知症の人が自立して生活する村「ホグウェイ」ってどんな場所?

投稿日: 更新:
印刷

オランダには、認知症の患者たちが、適切なケアを受けながら「普通の生活」を送る村がある。

アムステルダム郊外にあるホグウェイという「村」には、小さな食料雑貨店や、劇場、何件かのレストランや買い物をする店があり、外部の人間の目には、普通の村と何ら変わらないように見える。しかし、「住人」は全員が認知症の患者だ。つまり、この村全体が、患者に自立して生活を送ってもらいながら治療を行なうことを目的に作られた療養施設なのだ。

hogewey
村のスーパーマーケット。Photo:Hans Erkelens/Flickr

「住人のひとりひとりが必要なケアを受けるための、ありとあらゆるものが用意されていますから、住人のみなさんは、普通の生活を送っているかのように感じています。そしてそれがとても大事なことだとわたしたちは思います」と、ホグウェイの広報担当イサベル・フォン・ジャイテムさんは、2012年に行われた「ABC News」の取材で語っている

apartment
Photo:Hans Erkelens/Flickr

ホグウェイのウェブサイトによれば、現在は合計23戸の集合住宅に、152人の患者が暮らしていて、かなり重い認知症と診断された人たちだけを受け入れている。

介護を行うヘルパーたちは、この村の環境に溶け込み、それぞれの世帯を持って住人たち共にして生活しながら、街にある店や各種サービスを運営する。患者たちは、ホグウェイの敷地から外に出ることはできないが、敷地内は自由に歩き回ることができ、通常の社会環境で行うのとほぼ同じように様々な活動を楽しんでいる。

ホグウェイの患者のひとり、ヨー・フェルーフさんは、2012年の「New York Times」の記事のなかで、「買い物をしたり、クラシック音楽を聞いたりしてすごしています。私の父はクラシック音楽が好きな『音楽人間』でしたから」と村での生活を話している

house
Photo:Hans Erkelens/Flickr

一方でホグウェイに批判的な人々は、この施設は住人たちをだますものであり、夢の世界で生活させているだけだと主張してきた。しかし、「ABC News」は専門家の意見として、認知症を患う人々のケアには「環境的な面からのアプローチ」が重要であり、その点でホグウェイのシステムは他よりも良い方法である可能性がある、と伝えている

アメリカのヴァンダービルト大学認知医療センターの責任者、ポール・ニューハウス博士はABC Newsに対し、「小さな病院に患者を閉じ込めて、それが適切な療養環境であるかのようにふるまう現在の一般的なやり方と比べて、ホグウェイの方が倫理的により良い方法だと私は感じています」と話す。

いずれにしても、ホグウェイの住人たちは、施設の恩恵を受けて生活しているようであり「CNN」の2013年のレポートでは、ホグウェイの患者たちは、概してよく食べ、薬の服用量も少なく、より長生きすると報告されている。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]

Close
認知症の兆候
/
シェア
ツイート
AD
この記事をシェア:
閉じる
現在のスライド
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています

他のサイトの関連記事

認知症|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

「若年性認知症」支援充実求める意見相次ぐ

認知症高齢者の資産詐取、元施設管理者に有罪判決 福岡

認知症薬アリセプト、レビー小体型の治療に効果

認知症の新しい治療普及を 医師、介護者ら研究会設立 過剰投与避け改善図る