「ねこあつめ」とは? 「なめこ」に続き人気上昇

ここ1ヶ月ほど、Twitterのタイムラインで頻繁に見かける“ゆるい”猫たちのイラスト画像。庭にゴハンを置いて様々な種類の猫を集め、それをただ眺めて癒されるだけのキャラクター収集ゲーム『ねこあつめ』が急速に人気を拡大している。
公式ホームページより

Twitterで人気急伸『ねこあつめ』とは? 「なめこ栽培」に続く収集ゲーム発の大規模ヒットの予感

ここ1ヶ月ほど、Twitterのタイムラインで頻繁に見かける“ゆるい”猫たちのイラスト画像。庭にゴハンを置いて様々な種類の猫を集め、それをただ眺めて癒されるだけのキャラクター収集ゲーム『ねこあつめ』が急速に人気を拡大している。2月末には累計ダウンロード数(Android、iOS合計)が100万を突破。3月3日放送の『踊る!さんま御殿』(日本テレビ系)では、大久保佳代子が今ハマっているアプリとして紹介した。敵キャラと闘うわけでもなく、ダンジョンを攻略するでもなく、ただ猫を“眺めるだけ”のゲームがなぜ人気を集めているだろうか? 開発担当者の話をもとに探っていく。

■実は大型タイトルの“開発の合間”に制作したアプリ

『ねこあつめ』は昨年10月に“ねこ収集型シミュレーションゲーム”としてAndoroid、iOS向けに配信を開始。シミュレーションといっても集めた猫を育成したり、コミュニケーションしたりするわけではなく、民家の庭先に猫が喜びそうなゴハン、遊び道具を設置して、遊びにきた猫たちが遊んでいる姿を“ただ観察するだけ”のシンプルなゲームとなっている。遊びに来た猫たちは「ねこ手帳」に記録され、遊んでいる様子を撮影して「アルバム」にコレクションしたり、壁紙用として端末に保存したりすることも可能だ。

開発したのは、スマートフォン向けRPGなどの制作を行っている京都のゲーム開発会社、株式会社ヒットポイント。開発に携わった高崎豊氏によると、実はRPGなどの大きいタイトルの“開発の合間”に作ったアプリだという。「猫って犬に比べてワガママですよね。それが可愛い部分でもあるんですけど、“育成”というのがあんまりしっくりこなかったんです。企画当初からあんまりガッツリしたゲームにするつもりがなかったこともあり、猫好きの方がニヤリとする“猫あるある”を盛り込み『ただ眺めて楽しむ』というかたちを取りました。当初はかなりニッチなゲームになると考えていたんですよ。2~3週間程度楽しんでもらえれば、という感覚で」(高崎氏/以下同)と開発の経緯を振り返る。

■『なめこ栽培』にも共通 キャラクター収集ゲームのヒット理由

ところが、今年に入ってからまとめサイトやSNSなどで相次いで取り上げられ、“癒される”と話題を集めたことで、人気が急伸。2月末には合計100万ダウンロードを突破した。さらに3日の『踊る!さんま御殿』でオアシズ・大久保佳代子が「毎朝見るのが楽しみ」と紹介したことも追い風となり、3月4日現在、App Storeの無料アプリランキングで1位に。「当初、ダウンロード数はそれほど多くなかったのですが、1月末あたりから目に見えて伸び始めました。写真というかたちでゲーム画面をキャプチャできる仕様もSNSでの拡散力に影響したと考えています」。

では、『ねこあつめ』の人気の理由はどこにあるのだろうか? これまでにヒットした『おさわり探偵 なめこ栽培キット』『みつけて!おじぽっくる』などのキャラクター収集ゲームとも照らし合わせると、(1)シンプルな線で描かれた“ゆるカワ”なキャラクター(2)様々に性格付けされたユニークなキャラクターのコレクション性(3)ユーザーが自由なスタイルでプレイできること、の3点が挙げられる。

■ユーザーなりの自由な楽しみ方でプレイできる

庭先に訪れる猫たちは手描きのような温もり溢れるタッチで描かれ、性格や好み、身体的特徴など、それぞれ異なる魅力を持っている。「ねこ手帳」を埋める楽しさはもちろん、「撮影」してスマートフォンの画像フォルダにコレクションしているユーザーも多いようだ。また、「ゲームと呼べるようなゲーム要素はほとんどなく、ゴハンを補充しなくてもゲームオーバーになることはありません」との言葉通り、制約なく通勤・通学や家事の合間など好きな時間に好きな楽しみ方で遊べる。それぞれ種類ごとに名前がつけられるため、好きなアニメキャラクターや芸能人の名前をつけるなど、自分なりの楽しみ方を見つけるユーザーも。「性格は猫ごとに違うので、それぞれの猫が喜ぶグッズを予想してもらえたら嬉しいですね」(高崎氏)。

反響を受け、ぬいぐるみなどグッズ化の要望も増えているそうで、「皆様の要望にお応えしない理由はなく、何かしらのかたちで展開していければと考えております」という嬉しいコメントも。『なめこ栽培キット』のようにグッズ展開やCD発売、家庭用ゲーム販売など多岐にわたる大規模ヒット・コンテンツとなるか、今後の展開に期待したい。

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