猫に捧げる音楽「ミャウジック」大学教授が真剣に作った(試聴可)

「ネコは人間ではないし、人間もネコではない。そのことをネコに仕える我々人間は自覚しなければいけない」。そう語るチャールズ・スノードン名誉教授が取り組んでいるのは、ネコ用音楽「ミャウジック」の作曲だ。
Cat listening to music, Taipei City, Taiwan.
Joyoyo Chen via Getty Images
Cat listening to music, Taipei City, Taiwan.

「猫は人間ではないし、人間も猫ではない。そのことを猫に仕える我々人間は自覚しなければいけない」

これは、ウィスコンシン大学マディソン校で心理学を研究するチャールズ・スノードン名誉教授の言葉だ。そのスノードン教授が取り組んでいる何とも奇妙な研究、それは猫用音楽「ミャウジック」の作曲だ。

「猫のために音楽をつくろうと思った理由は2つあります」と、スノードン教授はハフポストUS版へのメールで教えてくれた。

「1つ目は、ペットを飼っている人たちの多くから『仕事で家にいないときに、家に残されたペットのためにラジオを流しているのだが、効果があるのかどうかわからない』と聞いたことです」

「2つ目は、私たちが“人間以外の動物も音楽を楽しむが、その音楽は彼らがコミュニケーションを取る際に使う周波数域に属し、ふだん使っているテンポの音楽でなければならない”という学説を以前に発表していたからです」

猫の鳴き声は、人間の声より1オクターブ以上高い傾向がある。そこで猫用音楽の制作を試みたスノードン教授と仲間の研究員らは、猫の自然な鳴き声をまねるべく、高い周波数と滑るように変化する音を使い、さらに猫がのどをゴロゴロ鳴らす音と赤ちゃんがお乳を吸う音をベースにしたテンポの音楽を作った。

そして、研究者たちは自宅に47匹のオスとメスの飼い猫を集め、完成した猫用音楽「コズモのメロディー」と、「ラスティのバラード」を聴かせた。この2曲はそれぞれリンク先で聴くことができる。

また比較のために、人間用の音楽であるガブリエル・フォーレ作曲の「エレジー」と、バッハの「G線上のアリア」も流した。

さて、結果は?

猫用の音楽が流れると、猫たちは音楽のする方へ頭を向け、そちらに歩いて行く傾向がずっと高かった。スピーカーに体をこすりつけもしたという。

「そうした行動は、猫たちが猫用音楽を好むことを示すものだと解釈しました」とスノードン教授は説明する。

猫が好む音楽が判明したので、研究者たちは今度はその音楽をうまく活かす方法を考えている。例えば、保護センターに収容されている猫のストレス解消に役立つかもしれない。

「猫は、召使いである人間から自立していると思います。しかし、猫が分離不安を感じることを示す研究もあり、それは野良猫よりも人間と一緒に暮らす猫に多くみられるようです」と、スノードン教授はディスカバリー・ニュースで語っている

この研究をまとめた論文は、動物行動科学の学術誌「Applied Animal Behavioral Science」に掲載される予定だ。

猫のための音楽「ミャウジック」をもっと聴きたい方はこちらからどうぞ。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

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