ゴールを決めたスパイダーマン 禁じられたパフォーマンスは、がんの少年との約束だった

3月14日。サッカー・ドイツ1部リーグのヘルタ・ベルリン対シャルケの試合で、ゴールを決めたアニス・ベン=ハティラ選手は、スーパーマンのお面を身につけた。パフォーマンスで何かを身につけるのは、リーグで禁止されている行為だ。それでも被ったベン=ハティラには、ある思いがあった。

3月14日。サッカー・ドイツ1部リーグのヘルタ・ベルリン対シャルケの試合で、ゴールを決めたアニス・ベン=ハティラ選手は、スパイダーマンのお面を身につけた。パフォーマンスで何かを身につけるのは、リーグで禁止されている行為だ。それでも被ったベン=ハティラには、ある思いがあった。

ベン=ハティラが、がんを患う8歳の少年、ヤニク君に出会ったのは5か月前のこと。彼はヤニク君と撮影した写真をInstagramに投稿し、こう綴った。

僕たちは一緒に、病気と闘うと決めた。普通の健康な人間は、1000の欲望を持っている。だけど病気の人はたった1つ。治りたいと思うだけ。そのことに気づいたんだ。ヤニク、君は、元気になると僕らに約束してくれた。僕も約束しよう。つらい化学治療の間も、君のそばにいると。お見舞いに行くよ。そして、半年以内にオリンピックスタジアムのファンの前で、君の回復を祈ろう。

そして、約束期限の6カ月を目前に控えた14日。6万人が入ったホームスタジアムに、ベン=ハティラは病がよくなりつつある、ヤニク君を招待した。その試合で、ハティラはゴールを決め、スパイダーマンのお面を身につける。

試合後、ベン=ハティラはヤニク君を伴って、ファンの待つスタンドへと向かった。

「ヤニク、君はスーパーヒーローだよ。君が再びこの舞台に立ち、僕らとともにいれたことが、とてもうれしい」

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