レイプやDV、児童婚が蔓延するグアテマラの村。15歳の少女は立ち上がった

エメリンはただの15歳の少女ではない。彼女は自分が生まれ育ったグアテマラの村で、少女たちが教育を受け、健康的な生活を送るための活動をしており国際社会からも注目されている。
Emelin

エメリンさんは、普通の10代の少女のようにメールもすれば、ガムも噛み、携帯で写真も撮る。だが彼女はただの15歳の少女ではない。

彼女は自分が生まれ育ったグアテマラの村で、少女たちが教育を受け、健康的な生活を送るための活動をしており、国際社会からも注目されている。

その彼女が、2015年3月に開かれた国連女性の地位委員会に、潘基文・国連事務総長と人道支援活動家のメリンダ・ゲイツさんとともに、スピーカーとして招かれたと、アメリカの公共ラジオNPRが伝えている。

エメリンさんは、彼女の活動を援助したNPO「レット・ガールズ・リード」の代表としてスピーチをした。

2015年3月10日 (火)、潘基文・国連事務総長と一緒に映るエメリンさん(写真: レット・ガールズ・リード)。

エメリンさんはスペイン語でスピーチを行い、彼女の住む地域の少女たちがさまざまな障害を乗り越えるために闘っていることを話した。彼女の住む地域では多くの少女たちが若くして妊娠し、多くの妊婦が死亡している。レイプ率も高い。そして多くが必要な教育や医療を受けることができていないという。教育を通して貧困地域に住む子供たちを助ける団体「グローバル教育基金」は、グアテマラで教育を受けていない子供たちの大多数は、エメリンさんのような田舎に住む先住民の少女たちであると指摘する

こうした状況を変えたいと思ったエメリンさんは、仲間とともに草の根の活動を始めた、とレット・ガールズ・リードはハフポストUS版のインタビューで話してくれた。彼らは政府の官僚に会い、若者向けのラジオ番組で訴えた。

そして非営利の通信社のWomen’s eNewsによると、2012年にエメリンさんは友人のエルバさんとともに、状況を改善するための政策をとってくれるよう、グアテマラのコンセプシオン・チキリチャパ市長に願い出たという。初め市長は笑い飛ばして相手にしなかったそうだが、少女たちが諦めず訴え続けた結果、最後には市も態度を変え始めた。

エメリンさんたちが活動を始めてから1年も経たないうちに、市長は資金援助を認可し、そしてエメリンさんの村に、子どもと青少年のための市の施設が作られた。

この施設では、同年代の若者によるカウンセリングをしたり、またレイプやDV被害者の少女たちが法的手続きをとるよう助けたりするなど、さまざまな支援サービスを提供している

「私たち若い少女たちにとって、自分自身を守り、利用されないようにするための力をつけることはとても大事なことです」と、エメリンさんはスピーチの中で話している。「私は地元コミュニティーのリーダーとして、自らの権利のために闘ってきました。少女や女性の権利のために闘うことは、人権のために闘うことですから」

エメリンさんは、アフリカやラテンアメリカ諸国で少女たちの教育支援などを行う団体「少女の権利とリーダーシップのためのイニシアチブ」のファニー・ガルシア・ペレスさんから支援を受けて活動を進めることができたとNPRは伝えている。レット・ガールズ・リードを通してエメリンさんを紹介されたペレスさんは、エメリンさんにコミュニティーで組織を作る方法や人前で話す方法など、活動をすすめていくうえで役立つスキルを教えた。

エメリンさんは、今回の国連女性の地位委員会でのスピーチの機会を利用して、グアテマラだけでなく世界中で男女平等を推し進めていくよう、世界のリーダーたちに訴えた。

「世界中のすべてのリーダーたちに、少女たちのために行動して欲しいと思います。そうすれば世界中の少女たちに機会が与えられるでしょう。世界のリーダーである皆さんには、少女たちの幸福を守る責任があります」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

グアテマラ マヤの村

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