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どうしたら育児を「自己責任」から「社会で育てる」に変えられる? サイボウズ・青野慶久社長と子育てブロガー・kobeniさんの徹底座談会【後編】

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サイボウズの青野慶久社長と動画を企画したサイボウズのコーポレートブランディング部の大槻幸夫部長(左) | 猪谷千香
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ソフトウェア企業のサイボウズが2015年1月、子育て中の働く女性を主人公にした動画「サイボウズワークスタイルムービー『パパにしかできないこと』」を公開した。俳優の西田尚美さんが演じるワーキングマザーが、夜泣きや夜中のミルク、保育園のお迎え、突然の発熱など、育児に追われる日々が描かれる。

「育児を手伝っている」という同僚男性との会話の中で、彼女は「どんなにパパが協力的でも結局ママにしかできないことが山ほどあって それは毎日のほんの小さなことだったりするので パパに言うほどのことではないわけ」「やさしいことば ひとつで がんばれちゃうんだよね」と語る。そして、同僚男性に「奥さまのこと抱っこしてあげられるのは、あなただけ」とアドバイスして終わる。

この動画は、大好評だった第1弾「サイボウズ ワークスタイルムービー『大丈夫』」に続く作品だったが、ワーキングマザーやイクメンたちから「あまりに彼女1人が我慢しすぎている」「夫は何をしているのか」「解決していない」などの批判を浴びた。その一人、人気ブロガーで、ワークライフバランスなどについて執筆をしているkobeniさんも、「夫は、どうすれば良かったのか?――サイボウズのCM第二弾について考える」というエントリーをハフィントンポストに寄稿、大きな反響を呼んだ。

そこで、ハフィントンポストでは、ワークライフバランスについて先進的な取り組みを行い、自身も3児の父親でもあるサイボウズの青野慶久社長、動画を企画したサイボウズのコーポレートブランディング部の大槻幸夫部長と、働きながら2児の子育てをしているkobeniさん夫婦の座談会を企画。動画制作の意図について語り合った前編に引き続き、話題は男性の「生きづらさ」や社会の多様性に……。
(文中敬称略、取材・構成=猪谷千香)

■育児のありのままを描くことで、男性もポジティブに受け止められる

大槻:こういうテーマって、気づいてない男性にまで届くことってなかなかないのかなと。でも今回、私が嬉しかったのは、ある男性がブログで「今までこういうワーキングマザーに関するメッセージは説教臭くて耳を閉じていた。でもこのムービーは単にあるあるを描いているだけなのでスッと見れた」と書いてくれていたのを見たことです。「普段うちのママが言っている言葉ってこういう状況だったんだと想像できた」と。こういう伝え方をすると、意識してないパパたちに届くんだっていうのがわかってすごく良かったと思いましたね。

kobeni夫:男性の方に届けようっていう意思はあったんですか?

大槻:一応、ありました。単純に働く女性だけじゃなくて、その周りにいる人たちにもちゃんと知ってもらいたいということは狙ってたんですよね。

kobeni:でも、その働く女性たちが「なんなのこれ?」って怒りながらシェアしてたら(笑)。パパたちはそっと閉じる、みたいな。

青野:そうそう。そっと陰で見て、「やばい、やっとこ」みたいな。

大槻:社内からリアルに言われましたもん。やめてください大槻さんって(笑)。妻が見たらどうするんですかって。

青野:あれを見て後ろめたい気持ちを持ったパパがすぐに育児をするっていう例がもう何人も確認されてる。

kobeni:へー。それはすごい効果があったんですね。だからあれって、「ママにしかできないことはたくさんあって」って言うけど、明らかにパパにもできるんですよね。

大槻:あれはツッコミ待ちなんですよね。パパに「いや、俺できるよ」って、他人事じゃなくって自分事化していってほしいなっという。制作プロデューサーは、「なかなか言えない言葉を代弁しつつ、男性がポジティブに見られる、そういう建てつけにしたかった」とおっしゃってました。

kobeni:なるほど。女の人から怒られてるみたいなものだと見られないから、ソフトタッチに現状を伝えるっていう感じですか。そうですよね。正直、随分優しいなっていう感じなんです。だって、現実的に考えたら、あのママはある日突然、過労で倒れるか、ある日突然、三行半ですよね。

ちなみに、さっき例(前編)に出した私のママ友は、ある日突然、「あなたはここがおかしいよね、出て行ってください」って言ったんですよ。彼女は、私みたいにちょっとずつ小出しにするタイプじゃなくて、ずっと溜めてて。普段、当たりが優しいママほどある日突然バン! って爆発します。その時、旦那さんは相当驚いていたらしくて。全然、大変さもわからないし、悔しさもわからないし、自分で進んでやってると思ってるから。何かがバンって起きて、初めて気づく。

■「サザエさん」「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」の共通点

猪谷:今、お話を聞いていて思ったのですが、世の中の男性はそこまでソフトに伝えないと、ワーキングマザーが何を抱えているのか、わかってくれないものなのでしょうか。

青野:男性学を専門とされている武蔵大学の田中俊之先生という方がいらっしゃいます。男性がそういう反応をするのにも理由があって、田中先生がいうには子供の頃から見ているテレビが、「サザエさん」であり、「ドラえもん」であり、「クレヨンしんちゃん」であり、「ちびまる子ちゃん」なんですよ。共通点は何かというと専業主婦なんです。もし男性が、こうしたテレビを見ながら、自分も専業主婦の家庭に育っていたら、家事や育児は「ママがするもの」と植え付けられているかもしれない。逆に、男性が見るものって、「太陽にほえろ!」のように、まさに職場で死ねっていうようなものだったり。

そういうものを見て、「男は職場でちゃんと稼いでくること、とにかくこれが一番大事だ」と。仕事に異常に執着するから、育休が取れないんですよね。自分のキャリアパスがなくなったらどうしようって。大企業の方が制度が整っているにも関わらず、かえって男性の育休取得率が低いらしいです。エリートコースできちゃった人もいますから。ですから、男性が家事や育児から目を背ける理由がやっぱりあるわけです。子供の頃から違うものを見て、違う環境で育っていれば、そうはならなかったはず。それを「男性が駄目じゃん」って言ったら、それで話が終わりになっちゃうので、その裏にある背景を知りながら解決しないといけない。次の世代は違うかもしれないですけどね。

kobeni:そうですね。今の30代半ば以上の世代は、そういうのがあるかなと思っています。会社でルートから降りるとすごくダメージがあって、それが自分の自尊心にもつながっているという。でも、共働きしたい奥さんは、また全然違うものを見ていて。そこがすれ違うのだと思います。

青野:これはリアルに聞いたあるご夫婦の話なのですが、奥さんが高齢出産だったので、奥さん思いの旦那さんが「育休を取ろうか」と言ったら、奥さんに反対されたそうです。「あなたは育休取って出世コースから落ちたらどうするんだ」と。それは、男性だけではなくて、女性にも植え付けられています。それが、男性を評価するから、男性も降りられない。昭和に僕たちが見た良いパパの風景っていうのは、昇進して「給料上がったぞ」って帰ってきて、「あなた凄いわね」ってほめられているという。これが男のいい形だって思ってると、それは降りられない。

kobeni:そうですよね。だから、「目の前の奥さんが辛そうだ」ということくらいしか、降りる理由がない。奥さんもまた、仕事に対して熱意を持っている人もいるわけで、そういう奥さんから夢や生きがいをごっそり奪ってまでしたい出世なのかというような話になりますよね。男性的視点から言うとどうでしょう?

kobeni夫:結局のところ、家に使うか、会社に使うか、時間の割合じゃないですか。当たり前ですけど、仕事ってそこにかけた時間に比例して成果が上がっていくので、昇進とも相関関係が強いと思うんですよね。おっしゃっていた通り、最初の役割が決まっていると、疑いもなく自分は変わらずそのままいくんだっていうふうに男性は思ってしまう。動画の話に戻ると、もちろん厳しく言われればわかることもあるんですけど、そうじゃないことの方も多いのかなというのはありますよね。

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第2弾の動画についてさらに詳しく聞くkobeni夫妻

■「子育ての面白さ」を男性から男性に伝えるターン

kobeni夫:ちょっと、話を動画の方に戻すんですけど、最終的に「これを解決するためのグループウェアはこれです」とか、「ソフトウェアはこうです」みたいな話に一切してないじゃないですか。それって、ビジネス上、すごく勇気がいることだと思うんですよね。あえてサービスの告知をしていない理由はなんなんですかね?

青野:あんまり売上利益にこだわってないんですよ(笑)

kobeni:それをやり続ける、考え続けることで長期的に、まさに「働く母に寄り添ってる」という信頼感は醸成されますよね。

青野:どこかで戻ってくればな、くらいの感じで。

kobeni夫:男性側から言うと、こういう女性にとってのシリアスな話はネタにしないほうがいいという拒否反応の風土がちょっとできあがってきていて。もちろん、僕たちは育児の当事者であるので、経験談を元に失敗談を含めて語れるんですけど、独身男性や主体性のない男性だと、その話題にはもう触れず行こうという、一時期のセクハラに関する意識と近い状態だと思うんですよね。実は当事者のはずなのに、自分は関係ないところの社会問題として、切り離す風土になっているのが嫌だなと思ってたんです。だから、さっきおっしゃってた、「やり続けます」はすごくいいことですね。

kobeni:だから私は、もう次のターンかなと思っていて。男性から男性に、「子育てに関わり始めたら何か面白いぞ」「出世ルートだけが正解なのか?」って伝える。あるパパが書いた記事で、すごく好きなものがあるんです。奥さんが突然、入院しちゃって、2ヶ月くらい自分が育児をメインで担うことになったと。最初はすごく混乱するのですが、保育園の大人たちが「大変ですよね」ってわかってくれて、一人で育児をしているわけじゃないんだって気づく。子供も、自分が何かを教えると、どんどん新しい世界を知っていく。

子供が「おとうさん、おとうさん」って自分だけを頼りにしてくれるようになった時に、これはありきたりかもしれないけど、かけがえのない時間なんだと思ったと書かれてました。だんだん、自分でも子供を連れて自転車で飛行機を見に行くようになったり、主体的に育児をするようになる。最後に奥さんが退院してくる時にはちょっと寂しいみたいになってて(笑)

大槻:おっしゃる通り、ターンは変わってきていてますね。そうやって、「自分事化」することがすごい大事だと思うんですよ。青野はその答えをずっとこだわってまして、それが「多様性」なんです。いろんな生き方、いろんな働き方があるよっていうパターンを見せることが、ずっと頭の中に植え付けられてきた「男性が働いて、女性が家庭」を壊していく。青野がこだわっていろんな人事制度とかを作っているのは、いろんな選択肢があるんだよっていうことを社内に生み出すっていうことだと思います。

■色々な価値観を認めず、多様性のない日本の社会

青野:例えばアメリカにも今、オフィスがあるのでよく行くんですけど、全然違うんですよね。普通に金曜午後、オフィスの外にあるコートでバスケットボールをしているわけですよ。結構、衝撃がありますよね。「就業時間中に?」って(笑)。自分たちが当たり前だって思ってるものは、実は世界にとってはそうでもなくて。特に、アメリカみたいにいろんな人が集まっていると、いろんな価値観を持ってるいろんな人がいて、もちろん衝突もいっぱいあるんですけれども、それぞれの生き方で生きることができる。

日本だと、こうじゃないといけないっていうものがあって、そうじゃないものは批判される。今回はその例かもしれないのですが、「これはこれでいいじゃん」っていったらいいんですよね。本人が納得していれば、いいはずなんだけど、男はこうあるべき、女はこうあるべき、またイクメンはこうあるべきって批判する。でも、次に日本で作らないといけないのは、本当にいろんな日本人がいていいということです。専業主婦のお母さんもいいし、むしろ専業主夫の旦那さんもいいし。

kobeni:二項対立みたいな感じにされがちだと思いますよね。

青野:そうなんですよね。日本が島国だったからか、東京中心だからなのか、わからないですけど、やっぱり多様性のないまま来ちゃってる。世界的に見ると逆に変わった国だなと思うんですよね。

kobeni夫:保育園や小学校関連の会合で、主にママが行くようなところに参加することがあるんです。そうすると、平日の昼間っていうのもあって、100人くらいいる保護者の中で男性は2人くらい。これはなかなか入り込めない文化だなと。

青野:入り込めないですよね。

kobeni夫:いざ主体性を持って挑んだとしても、ちょっときついなと思う。でも、プラスの部分もあって、別に無理にこの中で誰かと仲良くする必要もないなというアドバンテージはあるんですけどね。けどまあ、これはやっぱりちょっと男性にとっては辛いんだろうな。だから、おっしゃる通りもうちょっと多様な人がいる状態で、関係者の属性レイヤーが複雑になってるくらいのほうが落ち着くはずなのになっていうのもあります。

■パパは「ぴよぴよひろば」デビューできるか?

青野:子育てする父親を支援しているNPO法人「ファザーリング・ジャパン」で理事をしていた方が、自分の子供が小学校にあがるので入学式に行ったそうです。それで、体育館で記念写真する時に、「お父さんは出て行ってください」って(笑)。お母さんと子供の記念写真で、お父さんが入るという発想がそもそも学校側にない。ここのところ「男性はダメ」とだけ言っても、もう少し違う視点があって。男性が行きにくい理由も実はいろいろあるので、そこも変えていかないと。例えば、母子手帳なんかもそうですよね。何かアンケートがあると、お母さんしか書く欄がなかったりするんですよ。

kobeni:1人目を出産した時に確か、赤ちゃんを沐浴させる時に「お父さんは来なくていい、お母さんだけ来なさい」と言われたことがありました。それから、5年くらい前のブログに書いたんですけど、育休中に「子育て支援センター」みたいなところに行って、ママ友をつくるじゃないですか。ああいうところってものすごい女性文化ですよね。壁にヒヨコとか貼ってあって、ピンクのエプロンをした女の人が出てきて「お〜て〜て〜が〜」みたいな。「これ、パパはやれるのかな?」って思います。ちょっとヒゲとか生えてるダンディな感じの大槻さんみたいな男性が、一緒に「お〜て〜て〜が〜」ってやれるかな(笑)

青野:難しいですね。僕は1人目の子供の時に育休を取って、区役所の中にある「ぴよぴよひろば」っていう、まさにママ友が出会うような場所に行ったんです。

kobeni夫:ネーミングからきてますね(笑)

青野:平日の昼間なので、もちろん男は僕だけで。僕なんて、知らない女性に話しかけられないから端の方でこそこそっとしてて、二度と行けなかった。

kobeni:元々、引っ込み気味なんですよね(笑)。あとは、会社で男性が上司に言いづらいというのもあるんですかね、やっぱり。女の人だったら「すみません、帰ります」と言ってもだいぶ認められてきてるけど、男の人が休みたいとか育休取りたいとか、まだまだ切り出しにくいところがあるのかな。

■育児を「自己責任化」した結果の少子高齢化社会

kobeni:さっきおっしゃっていた通り、新しいものが出てきた時に、前のやり方を全否定しているわけじゃないという部分は、多様性の話をしていく時にすごく大事になってくると思っています。私は小さい頃、両親が共働きで学童保育に行っていたのですが、そういう子は全校生徒の中でほんの10人くらいだったんですね。一斉下校の時、学童の子たちがつける、みんなと違う色のリボンをつけて、まっすぐ家に帰らないで学童に行く。いじめまではいかないまでも、人数が少なかったから「かわいそうな子」みたいに思われていたような…気がします。もし仮に今後、学童に行く子がマジョリティの学校が出てきたとしても、行かない子たちに、あの頃の私と同じように「人数が少ない」という理由でイヤな思いはさせたくないし、「いろんなふうであっていい」という空気を世の中に醸成したいと思います。

ただ、以前は「標準家庭」という考え方があって、「それしか選べなかったという辛さがあったはず」ということはみんなに認識して欲しいと思っています。基本的に「男は外で働いて、女は家を守る、子供が2人くらいの核家族」です。シングルマザーのように、その家庭モデルから外れると、政治や社会から「いないもの」みたいな扱いになる。たとえば、シングルマザーの人たちは、時間的制約があるっていうだけで就職がしづらい。

青野:画一性を押し付ける感じですよね。例えば、うちのじいちゃんくらいの世代になると、結婚相手がそもそも選べない。そこに自由がない。その代わり絶対に結婚できた。お前はこの家の娘と結婚しろって。多分、そうしないと村を守っていけなかったとか、そんなことがあったのだと思います。でも、時代が変わると制約が外れてきて、誰とでも結婚してもいいでしょとか、離婚してもいいでしょ、1人で子供育てたっていいでしょと。社会が成熟するにしたがって、多様になっていくので、その社会のルール、制度や風土も段々と多様にしていかないといけないですよね。

kobeni:下の子の出産時に、「上の子を預ける場所がない」みたいなことになって。でも、病院に行くと、「ご親戚は? どなたか預かれる方は?」と普通に聞かれるんですよね。私たちは、いろんな事情から、そこまで日常的に頼れる親戚などは周囲にいない状況です。そういう「隙間」みたいなものが多分、今、無数にあって。専業のお母さんも一人っきりで子育てしていて、すごく孤独かもしれないし。

青野:価値観として変わるべきだなと思っているのは、子供ってお父さんとお母さんに属するものって僕たちは思い込んでいるんですけど、そこをちょっと1回、忘れようと。そうじゃなくて、社会というものがあって、そこに子供がいっぱいいる。子供たちを社会として育てるんだっていう目で見ると、全然、その作り方は変わってくると思うんですよね。お父さんがいない家庭になった瞬間、一気にマイノリティになってしまうのではなく、社会としてその受け皿を作っていく。

kobeni夫:社会的な視点になると、たとえばISILが日本人を人質にした事件の時とかも、とたんに自己責任を指摘する意見が多くなりますよね。「あの人たちは自分で行ったんだろ。だから社会はサポートする必要はないよね」というような圧力が発生する感じ。

kobeni:楽ちんなんですよね、想定外のことが起きたら、「自己責任」って言えばいい。間違った自由の使い方です。

青野:今は、その結果としてどうなっているかというと、子供を作るのが大変な時代になっちゃっている。特に、シングルマザーで都会で暮らすというと、本当に生活が苦しいことがあります。おじいちゃんおばあちゃんもいない。そうなると、子供が減ります。今は子供が減り続けていて、もうすぐ65歳以上の人が日本の4割以上になる。「これは皆が望んだことなの?」と。皆が望んでいて、65歳以上が半分の社会を作ろうということならいいんですけど、多分そんなこと望んでいないのに、自己責任にするがあまり、自分たちが老人社会作ってないかと。もうちょっと価値観を動かして、社会で育てるという価値観にシフトしたら、もうちょっと子供を育てやすいんじゃないかと思います。

kobeni:そういうことをある程度、社会的なコンセンサスにしていかないといけないというのは、一人で考えてできる問題じゃないですよね。

青野:そうなんですよ。結構、そこまで社会とドライブしたいなってどこかで思ってるんですよ。

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多様性のありかたについて言及するサイボウズの青野慶久社長

■第3弾があるとしたら「夫は何をしているのか」を

kobeni:一番アクションしやすいのは、人事部の人とか、経営トップの方とかだと思うんですよ。子持ちだというだけで、「夜は勤務できないんじゃないですか、じゃあ不採用です」って、その人の実力とかを見ないで決めてしまうケースがまだまだあるので、その評価制度を変えて、時間的制約のある人でも採用していける会社が一つでも増えたらいいと思います。

青野:そうですね。サイボウズは今年の新入社員が、ついに男女比逆転しました。エンジニア比が半分以上の会社なのに。

kobeni夫:それは女性エンジニアが多いということですか?

青野:いわゆるプログラマーは男性の方が圧倒的に多いんですけど、結構、僕たちもびっくりして。こんな動画作ったりしてるから(笑)

kobeni:サイボウズさんの「育休6年」っていう制度とか、すごいですよね。私、3歳くらいまで自分で子どもを見たいっていう気持ちも良くわかるんです。ただ、すべての幼稚園ママたちが、確固たる意思で専業主婦を選んでいるか……っていうと、そうでもなかったりする。「今の職場だと、どう考えても子育てしながら続けられないから、辞めるしかなかった」みたいなことを言っているママ友も複数いました。だから、必ず戻ってこられる職場があるなら、子どもは幼稚園に通わせて、私はまた働きたいっていう人もたくさんいると思います。

青野:そうですね。そういう時代にしていきたいですね。

kobeni:だからサイボウズさんには先陣を切っていただき、動画も男性を優しく包み込むような感じで(笑)

kobeni夫:「男性はターゲットにする必要あるのかな?」という気持ちもあるんですけどね。だって、サイボウズさんが目指しているのは、働くママの支援じゃないですか。僕はずっと働くママが主役でいいんじゃないかなとは思うんですけどね。

青野:それは次の大槻の仕事に期待ですね(笑)

猪谷:第3弾があるとしたら、今まで登場していなかった彼女の旦那さんの生活を見てみたいですよね。どうして彼女がこんなふうになってしまったのか、その裏側に一体、何があるのかっていうのを知りたいです。彼は彼で、もしかしたらすごく悩んでるのかもしれないし、大変なものを抱えていて、育児をしたくてもできないのかもしれないし。

青野:上司が課長島耕作みたいなバリバリの仕事人間で、「家に帰れねえよ」とか(笑)

kobeni:「帰りたい」とか言えるわけもない(笑)

猪谷:「次の大槻さんの作品にご期待下さい」ということで、ぜひ。

大槻:頑張ります(笑)

【おわり】

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