すしざんまい、なぜ豊洲新市場「千客万来」の整備を断念したのか 木村清社長「断腸の思い」

すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(東京・築地)の木村清社長は4月29日、本社で記者会見を開き、築地から豊洲(江東区)に移転する新市場に建設予定の大型観光施設「千客万来」の整備・運営を断念したことを明らかにした。

すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(東京・築地)の木村清社長は4月29日、本社で記者会見を開き、築地から豊洲(江東区)に移転する新市場に建設予定の大型観光施設「千客万来」(せんきゃくばんらい)の整備・運営を断念したことを明らかにした。木村社長は会見で「断腸の思い。力不足で申し訳ない」と陳謝した。産経ニュースなどが報じた。

木村社長は、東京・お台場にある温浴施設「大江戸温泉物語」との競合が最大の断念理由であると説明した。大江戸温泉の運営会社が東京都と結んでいる定期借地権契約が「相談もなく2021年末まで契約が延長されていた。来年3月までで契約が切れるというので、新市場に温浴施設を造ることに決めたのに」などと語った。

都によると、観光施設は新市場内につくる2つの施設で構成。喜代村が飲食店や専門店街、温浴施設などを備えた床面積約1万7000平方メートルを整備し、大和ハウス工業(大阪市)が伝統工芸の体験施設や温浴棟を備えたもう1つの施設を整備する予定だった。

千客万来施設、外観イメージ図 東京都中央卸売市場作成の資料

一緒に事業を進める予定だった大和ハウス工業が2月に辞退し、整備計画が頓挫した。木村社長は、辞退を決めた経緯について以下のように説明した。

喜代村は単独で整備を進めることを決定。都に(1)大和ハウスが整備する予定だったエリアの優先開発権の認定、(2)温泉掘削権、(3)大江戸温泉物語と2021年以降の契約を延長しない、の3項目の内容を明文化するよう求めた。だが24日に「(明文化は)認めない」との回答があり、27日に辞退を決めたという。木村社長は「私利私欲ではない」と涙ながらに話し、「千客万来が大事なのか、大江戸温泉が大事なのか」と都への不信感をあらわにした。

すしざんまい 豊洲の観光施設整備断念、社長涙「苦肉の判断」 ― スポニチ Sponichi Annex 社会より 2015/04/30 05:30)

両社は、都と条件面が折り合わず基本協定書を締結していなかったため、年間420万人の来場を見込んだ施設は白紙に戻った。都は事業者の再公募を急ぐが、当初目指していた新市場との同時オープンは「極めて厳しい」状況となった。都中央卸売市場の岸本良一市場長は「精力的に協議を重ねてきたが非常に残念」としている

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