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廃墟に花を 48時間で空き家を花園に

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tulips hangng



2015年5月のある夜、デトロイトの高速道路が見渡せる廃屋の2階の窓際に1人の女性が現れた。スポットライトに照らされた彼女は、両手いっぱいの白い花びらを通りに集まった人々に向かって振りまく。その光景は資金調達というより、ダークなおとぎ話のように感じられた。

戸口から垂れ下がる明るい黄色のレンギョウの枝が、今はフローリストとなったリサ・ワウドさんが所有する廃屋を訪れる人の髪をなでる。1カ月前、床にはこの家の以前の所有者が残していったガラクタがうずたかく積み重なっていたが、今はその床板の間からムスカリが伸びている。白い花々が壊れたトイレに飾られている。部屋の隅々には苔が生え、漆喰が剥がれ落ちた壁の木の薄板から、木の葉が押し分けるようにして生えている。

vert front side of room

これはワウドさんのアートプロジェクト「フラワーハウス」の試運転だ。フラワーハウスは10月にオープンが予定されており、全国各地からフローリストが参加し、15の空き部屋に自然のインスタレーション(展示空間の壁や床に,空間と有機的な関係を持つよう立体作品を設置する方法)を施す、というものだ。

2013年7月、デトロイトは財政破綻し、ダウドさんは2014年、デトロイトの国境付近にある小さな町ハムトラミックの放棄された家屋2軒を、抵当流れの不動産オークションで購入した。合わせて500ドル。そのうちの1軒が今度行われる展示用に生まれ変わる予定だ。5月1日のプレビューは、もう一つの建物の1階で、かつては店の軒先だった場所で行われた。数十年前にはここでテレビの修理が行われていたと、地元住民の1人がワウドさんに教えてくれた。


5月の小規模なインスタレーションは、ワウドさんによるクラウドファンディングのプロモーションとなった。目標額は5万ドルで、その4分の1は壁画を描いた地元アーティストのルイーズ・チェン (Ouiziという名で活動) への謝礼と、今秋に開催するフラワーハウスの確保に使われるとワウドさんは語った。残りは展示後の住宅の解体、土地の造成、クラウドファンディングサイト「Indiegogo」への手数料の支払いに充てられる予定だ。

プレビューは、フローリストたちが夢中になれるような展示を行うためのアイデアを試す機会にもなった。これは彼らにとって、プロとしての仕事やクライアントの依頼という制約を超えた、実験的な試みを行える場になった。

person exploring house

「私のクリエイティブライフの中でも最高の1週間でした」。フローラル・スタジオ「Pot & Box」を運営するダウドさんは、オープニングとその準備についてそう話した。「私が担当した花嫁さんたちには言わないでほしいんですが、予算的な制約、何らかの制約があるときにこそ、真の創造性が現れるのだと思います」

flower wall

このインスタレーションの制作は、4000本の花を使って48時間で行われた。今度の展示では、6万〜10万本の使用が予定されている。


もともとダウドさんは、花を買うための寄付集めを計画していた。だが彼女のプロジェクトを耳にしたアメリカ中の花農家が、彼女と取引のある卸問屋を通じてどんどん花を寄付してくれるようになった。 10月のインスタレーションでも、花の寄付が行われる予定だ。

「花がどんどん送られてきて、本当にうれしかったですね」そう彼女は語った。

展示された植物の中には、この家の近くで育ったものもある。例えばレンギョウは、すぐ近くの高速道路の中央分離帯から摘んできたものだ。



ヤブデマリからトウダイグサまで、フラワーハウスのチームは希望していた季節の花32種すべてを集めることができた。そのうちの多くが青葉で、そこに人の手が加わっていることは明らかながら、自然のままの森を思い起こさせるものがあった。

「私自身、そして一緒に活動したフローリストたちのスタイルは、野性的で自然なものです」とワウドさんは言う。「この家を支配するかのような枝葉に、そのスタイルが反映されていたと思います」

flowers vert

10月の展示では、フローリストは事前に花を注文し、個別に部屋をデザインする。対照的に、プレビューではワウドさんと13人のフローリストが共同制作を行い、寄付されたものは全て使った。



「最初は非常にコンテンポラリーなものにしたいと思っていました。ですが他の人にプロジェクトに参加してもらうなら、自分だけの考えでは進められません」。彼女はミニマル(最小限)なアプローチを思い描いていたが、他の参加者が地下から家具を運び出し、結果としてより家そのものを展示に組み込めたと彼女は述べた。

「自分のビジョンに固執しなくてよかったと、心から感謝しています」

vert scene of desk

ワウドさんの計画は当初、特定の場所も決まっておらず、花がどこか一帯を覆い尽くすイメージと、訪れる人に畏敬の念を感じてもらいたいという思いだけがあった。

プロジェクトはそこから発展し、家屋や建物は長持ちし、長く住み続けられることを想定することが重要だということを強調するものとなった。彼女が買い取ったのは、デトロイトの市境付近に数多くある空き物件のうち、わずか2軒だ。


展示終了後、ワウドさんはデトロイトの歴史的建造物などを再利用するNPO「Reclaim Detroit」と共同で、家屋の解体を行う予定だ。取り壊しと違い、資材の大半を捨てることなく回収する。

6月中頃まで行われる彼女のキャンペーンは、現在6000ドルの寄付を集めている。5万ドルは大きな目標だとワウドさんは認めているが、目標額に届かなくてもプロジェクトの継続を考えているという。

flower mountain

解体が終わった後、彼女はそこを生産的な場に戻すことを考えている。「Pot & Box」の花を育てるための農園栽培だ。インスタレーションで使用した、萎れた切り花は腐葉土になり、先頃のプレビューで使われたものはすでに肥料にする準備が進んでいる。


「これはまさにデトロイトの話だなと感じています」ワウドさんは、このプロジェクトを行う中で芽生えた責任感と、コミュニティの向上という目標について語った。「ここ以外の場所だったら、フラワーハウスが実現できたかどうかはわかりません」

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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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