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「日本政府はジャーナリストに危険地域に行くなという。しかし、スペインは違う」

2015年05月26日 23時41分 JST | 更新 2015年05月28日 01時00分 JST
AFP via Getty Images
Syrians carry the coffin of 13-year-old Ahmad bin Muhsin Qarush during his funeral on March 24, 2012 who was reportedly killed two days earlier in shelling by regime forces in the northwestern city of Sermin. Syrian forces bombed towns and clashed with rebels in several regions as activists said thousands staged anti-regime protests and the European Union slapped sanctions on the country's First Lady. AFP PHOTO/RICARDO GARCIA VILANOVA (Photo credit should read Ricardo Garcia Vilanova/AFP/Getty Images)

シリアの内戦を取材中に銃弾に倒れたジャーナリスト・山本美香さんの精神を引き継ごうと設立された第2回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」に、スペイン人のフォトジャーナリスト、リカルド・ガルシア・ビラノバさん(43)が選ばれた。「CHILDHOOD UNDER SIEGE(包囲下の子どもたち)」をはじめとする、中東各地の紛争地を取り上げた一連の写真作品が評価された。

リカルド・ガルシア・ビラノバさんのこれまでの写真から

ガルシアさんは2011年のシリア内戦当初から現地に何度も足を運び取材を続けている。IS(イスラム国)によって2013年9月から約6カ月間にわたり拘束され、解放後に再びISと対峙する現場に戻るという精神力も高い評価を得た。

5月26日に東京都で開かれた授与式で、ガルシアさんは、「こうしている間にも、シリアは恥ずべき報道管制のもとにあり、血が流され続けています。死者は31万人を超え、難民は400万人近くにのぼります。さらに700万人以上が、国内避難民となっています。こうした多くの人々の顔をはっきり見えるようにするのが、私たちの伝えるニュースです」と述べた。

ricardo garcia vilanova

あいさつするリカルド・ガルシア・ビラノバさん

選考委員の一人、ジャーナリストの野中章弘さんは、ガルシアさんがISから解放された際に両親が「あなたの仕事は必要なのだから、がんばりなさい」と話したというエピソードを紹介。ガルシアさんが再びシリアに戻って報道を続けたことについて「何を伝えなくてはいけないのか、全くブレがない」と評価した。

また、同じく選考委員で武蔵野美術大学教授・探検家の関野吉晴さんは「ガルシアさんが日本人だったら、イスラム国から解放されなかったのではないか」として次のようにコメントした。

「スペイン人であったから解放されたのであって、日本人であったら政府はなにもしないで殺されたかもしれないと、私は思います。日本では危険なところに行くなという世論が高まっており、政府もそう言っている。しかし、スペイン政府はガルシアさんを(ISから)解放した上に、彼の仕事が必要だと思って、その後、彼がアフリカやイラク、シリアに行くことを止めたりはしなかった。そんなスペイン政府と、日本政府の違いを強く感じました」

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