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「安保法制は合憲」安倍首相が主張する根拠は? 「ヒゲの隊長」も援護射撃

2015年06月09日 14時10分 JST | 更新 2015年06月09日 22時29分 JST
時事通信社/ AP

安倍晋三首相は6月8日、ドイツ・ミュンヘンで記者会見し、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案(安保法制)について「合憲」との考えを強調した。衆院審査会で憲法学者が「違憲」と指摘したことに、反論した格好だ。どのような理屈で「合憲」としたのか。

■時代が変わって、自国だけでは守れなくなった

憲法審査会で学者が違憲と指摘したのは、他国を守る(他衛)行為そのものが違憲だということだった。

これに対して安倍首相が反論したポイントは、他国を守る行為自体については、最高裁の判例で「合憲」とされる「必要な自衛のための措置」になり得るというという点だった。

FNNニュースによると、安部首相はこの日、「今やどの国も、一国のみで自国の安全を守ることができない」と発言。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増したこともあり、他国を守らなければ日本の存立が脅かされるような状況に限り、他国を守ることが「必要な自衛のための措置」にあたるとの考えを示した。

根拠としたのは1959年の砂川事件に関する最高裁判例。安倍首相は「自国の平和と安全とを維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置を執り得ることは、国家固有の権能の行使であつて、憲法は何らこれを禁止するものではない」とする内容を紹介。これらの措置について「権能の行使として、当然のことと言わなければならない」と強調した。

■佐藤正久氏「機雷除去も存立危機事態になりうる」

他の国を守ることが自衛につながるのかという解釈については、自民党で安保法制を担当している「ヒゲの隊長」こと佐藤正久・参院議員も8日、Twitterで解説。日本が危ないという事態においては、限定的な集団的自衛権は「合憲」との考えをコメントした。

佐藤氏は、存立危機事態が認定される例として、機雷の除去が必要な場合を挙げている。「石油等のエネルギー源の供給が滞ることにより、生活物資不足や電力不足でライフライン途絶の生起等国民生活に死活的影響」すると考えるためだ。

機雷の除去に関しては、敵方に攻撃を加えるために敷設された場合のように、武力の行使を目的として敷設されたものを除去する場合は、国際法上は武力の行使に当たると考えられている。しかし、戦争が終結した後など、停戦状態にある地域での措置であれば「公共の秩序の維持」にあたると考えられ、自衛隊も機雷の除去を行うことができた。

今回議論されている安保法制では、完全に停戦となっていない「イラン北部では戦闘行為が行われていても、砲弾が飛んでこないと考えられるホルムズ海峡」などが想定されており、戦闘行為が行われない場所であれば、自衛隊を機雷除去のために派遣できるとする内容が盛り込まれている。

佐藤氏は、9日には参院防衛員会で「完全に戦闘が停止していない状態でも、砲弾が飛んでこない地域など、戦闘状態に及ばない地域では自衛隊による機雷の掃海の可能性もあると考えるが、政府の考えはどうか」と質問。

これに対して中谷元・防衛相は「停戦合意前でも、今般の法整備により、武力行使にあたる機雷の掃海もできるようになります」と答弁した。

南スーダンでの自衛隊の国際平和協力活動(PKO)画像集

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