JASRAC「BGMの使用料を払え」 全国の施設に法的措置を取った理由は

JASRACは協会が管理する音楽を無許可でBGMとして流しているとして、全国の美容院や飲食店などの258施設に対し、全国の簡易裁判所に民事調停を申し立てたと発表した。
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日本音楽著作権協会(JASRAC)は6月9日、協会が管理する音楽を無許可でBGMとして流しているとして、全国の美容院や飲食店などの258施設に対し、全国の簡易裁判所に民事調停を申し立てたと発表した。繰り返し催促しても、手続きに応じなかった施設を対象としたという。

業務用BGMは、著作権法の改正により2002年から使用料が徴収されることになった。当時、管理対象となった120万の施設のうち90%が、有線放送などの音源提供者を通じてJASRACに使用料を支払っていたとされる。

しかし、近年では市販のCDや、携帯音楽プレーヤー、パソコン、インターネットラジオなど、BGMの音源が多様化。使用料を払わない施設が相次いでいるという。

■5席の店と、大きい店も同じ料金?不満の声も

一方で、JASRACの料金規定に不満の声も出ている。

全国商工団体連合会(全商連)によると、カウンター5席とテーブルが1つ店にも使用料金に関しての手紙が届いたとされ、店舗側からは「負担能力に応じて著作権使用料を徴収してほしい」との声が上がった。

BGM使用料は、施設の面積によって異なるが、最低面積は500平方メートルまでとなっている。

500平方メートルはテニスコート約2面分の広さ。平均的なコンビニの売り場面積の5店舗分となる。著作権を管理する文化庁も「500平方メートルが最低ラインというのはどうなのか」と課題を把握。「JASRACに報告する」としていた。

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【おしらせ】2015年6月12日 15:23

「最低面積は500平方メートルから」と表記していましたが、わかりづらい表記であったため「最低面積は500平方メートルまで」と改めました。

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