「ザッカーバーグも賞賛した天才少女」は真っ赤なウソ? 記者が誤報認め謝罪

数学の卓越した才能が認められ、ハーバード大学とスタンフォード大学に同時に通うことになったなどと韓国で大々的に報じられたアメリカ在住の韓国人少女の美談が、事実と異なることがわかった。
CAMBRIDGE, MA - JULY 30: People touring Harvard Yard stop by the John Harvard statue July 30, 2009 just off Harvard Square in Cambridge, Massachusetts. Harvard Square is a large triangular area located in the heart of Cambridge and adjacent to Harvard University, and is frequented by tens of thousands of tourists a year, and home to thousand of students with MIT University just down the road. (Photo by Darren McCollester/Getty Images)
CAMBRIDGE, MA - JULY 30: People touring Harvard Yard stop by the John Harvard statue July 30, 2009 just off Harvard Square in Cambridge, Massachusetts. Harvard Square is a large triangular area located in the heart of Cambridge and adjacent to Harvard University, and is frequented by tens of thousands of tourists a year, and home to thousand of students with MIT University just down the road. (Photo by Darren McCollester/Getty Images)
Darren McCollester via Getty Images

数学の卓越した才能が認められ、ハーバード大学とスタンフォード大学に合格し、Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグからもオファーがあったなどと韓国で大々的に報じられたアメリカ在住の韓国人少女の美談が、事実と異なることがわかり、最初に報じたアメリカの韓国語紙の記者が謝罪する騒ぎになっている。

この少女は、アメリカの科学高校3年に在学中の女子生徒。

韓国大手紙「中央日報」系列で、アメリカで発行されている韓国語紙「米州中央日報」は6月2日、「アメリカ最高の大学が注目した韓国人の天才少女」と初めて報道し、以後、少女は韓国メディアで大々的に取り上げられた(米州中央日報の記事は削除されている)。

「あなたの数学能力が世界を一つにまとめるのに役立つはずだ」。フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグがこんな賛辞を送った韓国人の天才少女が話題です。アメリカの名門科学高校の少女は、ハーバード大学、スタンフォード大学に同時に通う特別プログラムも受講できることになりました。(JTBC 6月3日

少女は2014年、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)が主催したリサーチプログラムで、教授にも難しい問題を簡単に解き、ハーバード大学とスタンフォード大学の学費全額免除と、両大学を2年ずつ通える異例の特別プログラムが用意されることになったと、韓国メディアで大々的に報道されていた。

本人は韓国のケーブルテレビ「JTBC」のインタビューで、Facebookの創業者、マーク・ザッカーバーグ氏から電話がかかってきたと話していた。

私は外国人で制約も多く、大変でなかったといえば嘘になります。ぶれずに自分を信じて進むことが重要でした。

ザッカーバーグが突然の電話をしてきて、とても驚きました。まず、私とのプロジェクトの話を始めて…卒業して、来てくれてと言われれば当然、私は喜んで行きます。

しかし6月10日の聯合ニュースによると、ハーバード大学とスタンフォード大学はそれぞれ、少女が合格したという事実を全面的に否定した。

「家族が示した合格通知書は偽造されたものだ」(ハーバード大学広報責任者)

「現在、その名前の学生は、スタンフォード大学に登録されていない。スタンフォード大学とハーバード大学で同時に勉強するプログラムはない」(スタンフォード大学広報責任者)

また、韓国紙の京郷新聞によると、少女の数学的才能を見出した結果、両大学で勉強できるように特別なプログラムを開設することに合意したという話も事実ではないと否定した。

「その生徒の名前は聞いたことがなく、入試担当者がどのような決定をしたのか、私が言うことではない」(ジョセフ・ハリス、ハーバード大学数学科教授)

「私は彼女のメンターだったことはなく、彼女と一緒に研究することは全くないだろう」(ジェイコブ・フォックス、スタンフォード大学数学科教授)

最初に報じた米州中央日報のチョン・ヨンワン記者は、韓国のメディア業界の労組が発行する「メディア・オヌル」に「誤報で物議を醸し、本当に申し訳ありません」とコメントした。

「記事を執筆した時点で、家族が提示した合格証書と、大学教授らとやりとりしたメールなどを見て、疑いを持たず記事を書いたが、合格した大学の教授などへの事実確認が不十分で、事実と異なる報道をした。

彼女と私は、知り合ってもう何年にもなり、非常に優秀な子として知られていた。教授とやりとりしたメールも具体的なので確信した。今も虚偽だとは信じられない」

しかし、韓国在住の少女の父は「子供がハーバード大のハリス教授と6カ月間交わしたメールを公開する用意がある」として「合格証書が偽造されたものとは考えていない」と話したと、京郷新聞は伝えた。

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