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激しい偏見と妨害にさらされる韓国のLGBTへ、日本から激励の新聞広告(全文)

2015年06月18日 23時23分 JST | 更新 2015年06月18日 23時30分 JST
Shinhye Lee

激しい偏見や妨害にさらされている韓国のLGBT(性的少数者)のイベントに連帯のメッセージを送ろうと、日本のヘイトスピーチに対抗する人々が、韓国の新聞に意見広告を出した。

「共に、虹へ」とのタイトルで、6月12日付の韓国の全国紙・ソウル新聞に掲載された。

「嫌韓デモと戦う日本の市民は、ソウル・クィアー文化祭を積極的に支持します。

今、韓国のLGBTの人権を尊重する人々のクィアー文化祭が危機に瀕しています。

ソウル・南大門警察署とソウル地方警察庁は、イベント最終日の28日に予定されているパレードを『市民と車両の通行に持続的に不便を来す恐れがある』として集会禁止を通告しました。

しかし実際に不便を来しているのは誰でしょう?

パレードを妨害する目的で、同じ日に合わせて集会を申請し、LGBTに対する虚偽の内容を広めている勢力こそ、市民に持続的に多大な不便を来しています。

現在、韓国ではLGBTに対する差別が残っています。

差別を認めない全世界の人々が皆さんを見守っています。

クィアー文化祭の組織委員会と参加者の皆さん! 皆さんのそばに私たちがいます。

人権を愛する韓国の皆さん! 性的少数者を孤立させないでください」

韓国・ソウルでは、性的少数者の祭典「クィアー文化祭」(Korea Queer Festival)のメイン行事、クィアー・パレードを巡り、キリスト教系の団体が抗議活動を展開。所轄警察署は「混乱を招く」としてクィアー・パレードの開催禁止を通告していたが、裁判所は意見広告掲載後の16日に「禁止は無効」との仮処分申請を認め、パレードは予定通り6月28日に開かれることになった

意見広告を中心にまとめたのは、大阪府在住で在日コリアンのフリーライター李信恵さん(42)。映画「パレードへようこそ」を見て、閉鎖の危機に直面した炭鉱労働者を、都会のLGBTが支援に乗り出すストーリーに感銘を受けた。

韓国のニュースの翻訳も手がける李さんは、日本以上に激しい偏見をぶつけられる韓国のLGBTのことが気になっていた。2014年6月に祖父母の出身地、韓国・大邱でのクイアーパレードに参加し、「同性愛が治りますように」などといったプラカードに挟まれ、パレードの目的地にキリスト教団体が先回りし、別の行事と称してパレードの進行を阻む、といった妨害行為を目の当たりにした。李さん自身、Twitterで毎日のように人種差別的なメンションを投げかけられ、そのたびに反論している。ヘイトスピーチ(憎悪的表現)を繰り返す排外主義団体のデモで「いい朝鮮人、悪い朝鮮人、どちらも殺せ」というプラカードを見たときのことを思い出した。

日本のヘイトスピーチのデモに併走して抗議する「カウンターアクション」には、日本のLGBTも数多く賛同して参加してくれている。「私がカウンターに参加するようになったのも、支えてくれたLGBTの子がいたから。どこかで返さなきゃ」と思った。

5月31日に排外主義団体が大阪でデモ行進したとき、カウンター行動に集まった仲間たちに、韓国のLGBTに連帯するメッセージが書かれたプラカードを持ってもらい、写真を撮った。日本人の友人らとFacebook上で情報交換しながら、文案やデザインを考え、新聞社に支払う意見広告のカンパを募り、ほぼ見合う額が集まった。

日韓関係の悪化が言われるが、李さんは「国同士がおかしくても、市民同士はつながれる。弱いもの同士はつながらないと力にならない。日本から『海外でも見ているぞ』というメッセージが伝わるといいな」と話した。

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