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東芝、経営トップが現場に圧力 第三者委の報告【不適切会計】

2015年07月20日 20時34分 JST

東芝は20日、不適切会計問題を調べてきた第三者委員会(委員長:上田広一元東京高検検事長)の報告要旨を公表した。

報告は、歴代社長ら「経営トップの関与に基づき、組織的に不適切会計が実行・継続された」と断じるとともに、過年度の利益の過大計上が総額1562億円にのぼったことを明らかにした。

報告が示した税引前利益の過大計上額は2009年3月期から2014年4-12月期までの累計。第三者委の調査で1518億円、東芝の自主チェックで44億円が判明した。東芝は過大計上額を548億円と発表していたが、3倍近くに膨らんだ。

同社は半導体やパソコン事業の減損処理や繰延税金資産の取り崩しについて検討を迫られることになり、追加損失の計上は避けられない見通しだ。同社は8月31日までに14年度決算を公表する。

第三者委は同報告について21日午後7時から記者会見を開く。同報告で組織的な不正行為が認定されたことを受け、田中久雄社長は退任を表明する見通しで、佐々木則夫副会長ら、ほとんどの役員も9月に開く臨時株主総会で交代することになりそうだ。

報告は不適切会計が行われた原因について、田中社長、前社長の佐々木副会長ら経営トップが高い収益目標を達成するため、「社長月例」と呼ばれる定例会議で、目標実現を事業部門に強く迫ったためであると指摘。「歴代社長の利益至上主義のもと、事業部門は目標必達のプレッシャーを強く受けていた」とし、事業部門が不適切な会計処理に追い込まれていた実態を明らかにした。

間接的な原因として、内部統制の不備もあげた。経理部や財務部のほか、取締役会、監査委員会の内部統制が機能せず、会計監査人の外部統制も十分に機能しなかったと指摘した。

報告は「経営トップらは適切な会計処理の意識が希薄だった」とする一方、同社には「上司の意向に逆らうことのできない企業風土が存在」すると言明。再発防止策として、社外取締役と監査委員会を増員し、外部の人材を監査委員長に起用するよう提言した。

第三者委が調査した期間は2009年度(有価証券報告書の記載の08年度を含む)から14年度第3四半期まで。田中社長、佐々木副会長、西田厚聡相談役ら3人の社長経験者を始め、役職員210人に聴き取りを行った。[東京 21日 ロイター]

(村井令二 編集:北松克朗)

■東芝第三者委調査報告書ポイント

東芝不適切会計問題について20日に公表された第三者委員会(委員長:上田広一元東京高検検事長)報告書(要旨)のポイントは以下の通り。

<経営トップの関与と組織的実行>

・2008年度から6年超の利益の過大計上額は累計1562億円。第三者委員会の調査で判明した1518億円と東芝の自主チェックで明らかになった44億円の合計。

・田中久雄社長、佐々木則夫副会長ら経営トップの関与に基づいて、不適切な会計処理が多くのカンパニー(事業部門)で同時並行的かつ組織的に実行された。

・不適切な会計処理は経営判断として行われたものと言うべく、これを是正することは事実上不可能だった。

・経営トップが利益のかさ上げを行う目的を持っていた。

<事業部門への圧力と内部統制の欠如>

・各事業部門は社長から厳しい「チャレンジ」(過大な目標設定)数値を求められていた。

・各事業部門は目標を必達しなければならないというプレッシャーを強く受けていた。

・「チャレンジ」を達成するために、不適切な会計処理を行わざるを得ない状況に追い込まれていた。

・上司の意向に逆らうことのできない企業風土が存在していた。

・経営トップらは数値上の利益額を優先するあまり、適切な会計処理に向けた意識が欠如・希薄だった。

・内部統制が十分に機能していなかった。

<再発防止策>

・関与者の責任の明確化。

・企業の実力に即した予算の策定と「チャレンジ」の廃止。

・上司の意向に逆らうことができないという「企業風土」の改革。

・強力な内部統制部門の新設。[東京 20日 ロイター]

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