「つんく♂の声、聞こえた」声帯がなくても話せる食道発声法とは?

声帯を摘出したつんくさんが、声を取り戻しつつあることがわかった。「食道発声法」という方法の訓練を重ね、「OK」や「そうですね」などの言葉が、周囲の人にも認識できるようになっているという。

声帯を摘出した音楽プロデューサーのつんく♂さん(46)が、声を取り戻しつつあることがわかった。「食道発声法」という方法の訓練を重ね、「OK」や「そうですね」などの言葉が、周囲の人にも認識できるようになっているという。7月21日、音楽評論家で作詞家の湯川れい子さんが明かしたと、日刊スポーツなどが報じた。

湯川さんはこの日、会長を務める「NPO法人日本子守唄協会」の設立15周年を記念する新曲『うまれてきてくれて ありがとう』の発表会に登場。新曲の作曲とプロデュースを担当したつんく♂さんとの、曲をめぐるやり取りについても紹介した。

制作現場では、湯川さんとつんく♂さんはタブレット端末に文字を打ち込むことによって会話をしていたが、つんく♂さんは発声の訓練も行っており、「“そうですね”“OK”など、声というより音として聞き取れるところもあった」と湯川さんは述べた。

食道発声法」とは、肺でなく胃にためた吸気を逆流させ、食道の一部を振動させるもの。人為的に出したゲップを声にする発声法だ。人工の電気喉頭を用いたり、手術で咽頭形成を行ったりして声を出す他の方法に比べ、習得に時間を要するものの、特殊な器具や手術が不要であることから、喉頭摘出者の代用音声として日本では最も多く採用されており、一般的には早ければ1年ほどで声を発することができるようになる。

つんく♂さんは2014年3月に喉頭がんを公表。手術により声帯を摘出したが、食道発声法でリハビリを行うことが報じられていた。

湯川さんが今回、NPO法人の新曲のオファーをしたのは、つんく♂さんが声帯摘出を発表した近畿大のスピーチに感銘を受けたことがきっかけだった。つんく♂さんと湯川さんがメールなどで膨大な量のやりとりを重ね、「うまれてきてくれて ありがとう」が完成した。歌手・クミコさんが歌い、9月2日に発売される。

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