ええっ! 「虫の竜巻」がレーダーでキャッチされた(画像)

「虫の大群が襲ってくる」とあわてて逃げ出したくなるほど大きな「虫の竜巻」をアメリカの気象レーダーとらえた。
Shutterstock / Daniel Loretto

巨大トルネードが無数のサメを飲み込んでカリフォルニアの街を襲う映画シリーズ「シャークネード」の最新作がアメリカのケーブルTV局「SyFy」で放映された7月22日、直径80kmにも及ぶ巨大な「バグネード(虫の竜巻)」が、テキサス州に出現した。

バグネードは、気象レーダーが多数の虫をとらえて、レーダー上でまるで竜巻のように見える現象だ。この日に発生したバグネードの動画を、アメリカ国立気象局(NWS)が公開している。


しかし、この大きな雲を見て「虫の大群が襲ってくる」とあわてて逃げ出す必要はない。NWSの担当官によれば、バグネードは巨大だが、虫の数は「大群」と呼ぶほどではないそうだ。実際、バグネードの真ん中にいてもいつものより特に虫が多いとは感じないという。

テキサス州のコッパー・ブレークス州立公園は、バグネードの中にあったが、管理責任者デイビッド・ターナー氏はCNNの取材に対して「バッタやカブトムシはたくさんいますが、いつもより特に多いわけではありません」と述べ、NWSの主張を裏付けている。

ツイッター上では「まるで旧約聖書に描かれた、エジプトがイナゴの大群に襲われた『イナゴの災い』のようだ」という反応も見られたが、NWSは「それほど大量の虫がいるわけではないので、大群を想像しないでください。レーダーがものすごく高性能なのです」と答えている

また、報道機関に対しては「大群という言葉を使うのは控えてください」とNWSは求めたが、ほとんど無視された。それでNWSは誤解や混乱を防ぐために、「バグネード」を説明する動画を公開した。


NWSによると、バグネードは年に5~6回くらい気象レーダーにとらえられるという。

以下の動画では、ミシシッピ川周辺で毎年大発生するカゲロウやコウモリの群れなどが、気象レーダーでとらえられる場合があることを説明している。