「車椅子のホームレス」に装っておとり捜査した警官、暴行されるかと思いきや...

車椅子に乗った人への暴行や強盗が増えているバンクーバーのダウンタウン・イーストサイド。車椅子でおとり捜査をした警官は、予想外の展開に驚かされた。
YouTube/VPD

カナダ・バンクーバーの「ダウンタウン・イーストサイド」は、カナダでも最も貧しい地区の1つで、ホームレスや薬物依存の問題を抱えている。

最近、この地区で車椅子に乗った人々に対する暴行事件や強盗が発生したため、警察がおとり捜査を行った。

勤続30年のベテラン警官のマーク・ホーズリー氏が「体がまひして電動車椅子に乗っているホームレスの男性」になりすまして、5日間この地区を見回った。正直に言ってきっと暴行を受けて金品を奪われるだろうと思っていた、とホーズリー氏は話している。

ところが人々の反応はホーズリー氏を驚かせる結果になった。

予想に反してホーズリー氏は多くの人から親切を受けたという。彼のもとにやって来たのは、車椅子に乗った彼のために祈りを捧げてくれた人、開けっ放しになっていたカバンを閉めてくれた人、それに両替をしたらお金を余分にくれた人たちだった。そして最終的には、おとり捜査を始めた時よりも手持ちのお金が増えたそうだ。

今回のおとり捜査で分かったのは、どんな場所であっても人々の思いやりに巡り会えるのだということだと、ホーズリー氏は話している。

カナダ人がホームレスに寛大なのは、別の実験からも分かっている。ホームレスになりすまして30分路上に座った実験で、アメリカでは誰も施しを与えなかったのに対し、カナダでは11人が救いの手を差し伸べた

この記事はハフポストカナダ版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

Donovan Mahoneyが撮ったバンクーバー

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