再生可能エネルギー企業の幹部は、下落する原油価格を心配していない なぜなら......

再生可能なエネルギー企業の幹部たちは、どうやらあまり困っていないようだ。
Jeff J. Mitchell/Getty Images

投資家たちは原油価格の下落に冷や汗をかいている。再生可能エネルギーの幹部たちは、やや直観に反して、冷静さを保っている。

世界的な原油価格指標のウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)の原油先物取引は8月11日、この6年間の最安値、1バレルあたり43ドル(約5340円)まで下落した。40ドル(約5000円)という数字に近づいている。アメリカの資産運用会社ダブルライン・キャピタルの創始者ジェフリー・ガンドラッシュ氏は2014年12月にこう警告していた。「世界は非常に、非常におかしなことになっている。おかしいのは経済だけではない」

しかし再生可能なエネルギー企業の幹部たちは、どうやらあまり困っていないようだ。 普通であれば、彼らはガソリンの安値を懸念するのではと思うだろう。ガソリンが安値になると太陽光、風力、その他の代替エネルギーの需要を吸い取ってしまうかもしれないからだ。

「石油は主に運輸の燃料であり、再生可能なエネルギーは主に動力を供給する電力の源なのです」。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのアナリスト、ブライアン・ウォーシェイ氏はハフポストUS版に語った。「だから石油と再生可能エネルギーは、同じエネルギーの応用でも基本的に競合しないのです」

アメリカのエネルギー省によると、アメリカで2014年に生成された電力のうち、石油由来のものはわずか1%だ。この数字は過去5年間変わらないままである。一方で再生可能エネルギーは、アメリカの電力の9%を占めた。わずか5%だった2010年からすると、ほぼ2倍である。

石油は、紫色の「ペット製品」。これはペトロリアム(石油)製品を意味する。

「再生可能エネルギーの幹部たち と、それに投資するベテラン投資家たち――もちろんその数は増え続けている――は、原油価格の安値にかなり楽観的です」と、イギリスに本拠を置くシンクタンク、カーボン・トラッカー社の取締役ジェレミー・レゲット氏はハフポストUS版に語った。「再生可能エネルギーは、主に電力であり、今のところは、自動車の燃料ではないからです」

これは徐々にではあるが、変わりつつある。電気自動車産業は、アメリカで受け入れられるのに、長い間苦戦してきた。また、安いガソリンにより、電気自動車はどんどん売れにくくなる。

テスラモーターズは、先頭に立って、全電動、バッテリー電源自動車をリードしているが、2015年の売り上げ目標を下方修正するようだ。情報サイト「ハイブリッドカーズ」のデータによると、日産リーフとBMWi3も、テスラのSモデルに続き、最も人気のある電気自動車だが、共に2015年、売上不振に陥っている。

一方で、原油価格の上昇は避けられないと予想する長期の予測にも関わらず、ガソリンを大量に消費するSUVや軽トラックの売上が上昇した。

「我々は短期のことしか考えない社会に生きている」とレゲット氏は語った。「ここ50年くらいのことだけでなく、将来をもう少し長い目で見るべきだ」

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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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