【ニュースで学ぶ英語】リトルリーグ世界大会、日本がアメリカとの乱戦制して優勝

日本の東京北砂リトルリーグのチームが、アメリカで行われたリトルリーグのワールドシリーズの決勝でアメリカチームを破り、優勝しました。ハフポストUS版が報じた、その試合の記事からいくつかの用語を拾ってみました。

ハフポストの英文記事から、最新の時事英語や知って得するキーフレーズをピックアップしてご紹介します。

執筆者:丸橋 勇

今夏の甲子園は、例年以上に盛り上がったように感じましたが、同じようにアメリカで行われたリトルリーグのワールドシリーズも地元ペンシルバニア州のチームが出場したこともあって、記録的な観客動員で盛り上がったようです。その中で、日本の東京北砂リトルリーグのチームがその地元チームと決勝で対戦し、大会記録を生んだ大乱戦を制しました。ハフポストUS版のその試合の記事からいくつかの用語を拾ってみました。ちなみに今夏の甲子園を沸かせた早稲田実業の清宮幸太郎選手の弟、福太郎選手も東京北砂ナインです。

【例文】


U.S. and Japan Score 29 Runs, Set Little League World Series Record

[以下抜粋]

The Little League World Series ended on Sunday, with Japan beating the U.S. 18-11 in a wild 29-run affair in Williamsport, Pennsylvania.

After finding themselves down 10-2 to the Lewisberry, Pennsylvania team by the first inning, Japan seemed doomed.

Faced with a massive deficit, Japanese manager Junji Hidaka was able to inspire some belief in his kids, telling ESPN, "I told the players it doesn't end until it ends." Over the next two innings, Japan chipped away at the lead, demonstrating extraordinary resilience in mounting a 22-hit comeback.

During the third inning, Japan completed their comeback through a Shingo Tomita solo home run. Three batters later, Masafuji Nishijima launched a go-ahead three-run homer.

【今週のポイント】

Comeback

Comebackは、一般的に「復帰」「返り咲き」「回復」「仕返し」などの意味があり、いろいろな場面で使うことができます。基本的に、スポーツ記事で使用される場合も上記の意味から「振り出しに戻す」や「逆転」です。ただし、記事の22-hit comebackの場合は「22安打の逆襲」や「22安打の反撃」と訳した方が適切だと思います。

【その他のキーフレーズ】

run

「得点」の意味。野球の場合、得点はpointではなくrunです。

ちなみに、英語では10 points to 5(10対5)のように「点」をpointと言います。一方、scoreは、The score is 10 to 5. のように試合中の両チームの得点の状況をいいます。したがって、野球の1点はrunで、バスケット、バレー、アメフトなど他の多くのスポーツの場合は、pointです。サッカーやアイスホッケーなどボールをゴールに入れるスポーツの場合は、goalです。上記の例をまとめると、野球の場合、The score is 10 runs to 5.のようになります。

wild

普通は、「野性的」「野生の」等の意味ですが、この場合は「大荒れの」が適訳でしょう。

massive deficit

この用語は、「巨額な赤字」と訳されて一般的に経済ニュースなどでよくみかけますが、「大量失点」「大きく負け越し」などの意味でスポーツでも使われます。

chipped away at

直訳は、「徐々に崩す」「〜こつこつ取り組む」などですが、この場合は、「少しずつ得点を返した」でいいのではないかと思います。

【今回の例文の仮訳】

日米合わせて29得点でリトルリーグ・ワールドシリーズの新記録達成

リトルリーグ・ワールドシリーズが8月30日に終了し、ペンシルバニア州ウィリアムズポートで両チームが29得点をするという大荒れの試合で日本がアメリカに18対11で勝った。

1回が終了して、ペンシルバニア州ルイスベリーのチームに10対2で負け越していた時点では、日本のチームの勝利は絶望的と思われた。

ESPNによると、大きく負け越していたチームに日高淳二監督が「試合が終了するまで結果は分からない」と言って元気付けた。次の2回で、驚異的な粘りを見せて日本チームが22安打の逆襲で少しずつ点数を返した。

3回に、冨田健悟選手のソロホームランで日本チームが試合を振り出しに戻した。そして、それから3人目のバッターの西嶋雅藤選手が勝ち越しのスリーラン・ホームランを打った。