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密航業者の魔の手から難民たちを救うのはスマホだった

2015年09月12日 22時49分 JST | 更新 2015年09月12日 22時49分 JST
JOE KLAMAR via Getty Images
Migrants use a smartphone as they rest near the village of Nickelsdorf at the Hungarian-Austrian border in early hours on September 5, 2015 from where they head to Salzburg on the German-Austrian border. The refugees began arriving at the Austrian border in the night after Hungary, which has become one of the newest flashpoints in Europe's migrant crisis, began bussing people who had been stuck in the capital Budapest. AFP PHOTO / JOE KLAMAR (Photo credit should read JOE KLAMAR/AFP/Getty Images)

戦争や貧困などから逃れようと決めた難民や移住者は、これまでであれば密航業者に頼るしかなかった。密航業者は現金が用意できない者に対しては、臓器をもって対価を支払えと強いると言われている。

しかしそんな時代も、GoogleとFacebookのおかげで変わろうとしている。アイリッシュ・タイムズによると、難民たちは密航業者の代わりにFacebookのコミュニティやグーグルマップを頼り、旅のルートやWi-Fiスポットを探すのだという。

あるシリア人の男性の一行は、逃げる前に仲間がたどったルートをブックマーク。ギリシャに上陸するとすぐにGPSを確認し、正しいルートをたどっているかをグーグルマップで確認したとBBCのインタビューで明かした

また、アフガニスタンからハンガリーへと向かっていたラミズさんという男性は、ボートで移動中、別のボートに乗った仲間から「国境警察と出くわした」とのメッセージを受け取ったと話した。写真データに埋め込まれている時間とGPS位置情報が、どのルートを避ければよいかという手助けになったという。

ニューヨーク・タイムズによると、シリアの内紛が始まった時と比べると、現在の密航業者の手数料は半分になっているという。当初はトラフィッカーによって、トルコからギリシャに渡る方法しかなかった。その当時の人々のたいていが、先日トルコの海岸へ打ち上げられた3歳アイラン・クルディ君のように、救命胴着すら買うことができなかった。

しかし、多くの中流階級のシリア人は今、スマートフォンを持っている。そのことが、自国から脱出するルートを多様化させている。

さらに、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はヨルダンのシリア人に3万3000枚のSIMカード、そして、携帯電話の充電が可能となるソーラーランタン8万5704個を配布した

密航業者に頼らずにすめば、資金の節約ができるだけでなく、むちゃな賄賂からも逃れられる。UNHCRによると、8月にリビア海岸沖で、1隻のボートのなかで51人が窒息死している状態で発見されたが、その生存者が言うには、密航業者は船倉から出すときにも賄賂を要求したという。

もちろん、全ての難民が助かるわけではない。UNHCRによれば、2015年だけでも約2500人の難民・移民が、ヨーロッパへ向かう途中に死亡または行方不明になっているという。

それでも、数々の危険は、難民たちがより良い生活を求める妨げにはなっていない。

「すでに、途方に暮れて死んでしまうという状態にまで陥っていて、木片に掴まってでも逃げる覚悟はできているんです。それほど苦しい状態なのです」と、シリア出身のアブ・ザイドさんはガーディアン紙に語った

「この4年間で、恐怖という段階はすでに通り越してしまいました。恐怖はもう心の中に、存在しないのです」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

コス島にたどり着いたこれまでの避難民たち

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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。