ムスリムの少年、自作の時計を学校に持ち込んだだけで逮捕→オバマ大統領やザッカーバーグが一斉に擁護

オバマ大統領やGoogle、Facebookなど名だたる企業からのオファーが殺到しています。

アメリカ・テキサス州にすむ14歳のアーメド・モハメドさんが9月14日、学校に手作りの時計を持ち込み逮捕された。モハメドさんは少年拘置所に送られたあと3日間の停学となったが、その後、オバマ大統領やFacebook、Twitter、Googleなどの名だたるIT企業から招待を受けている。

■校長「爆弾のように見える」

ダラス・モーニング・ニュースによると、モハメドさんはイスラム教徒で、ロボットクラブに所属している。

モハメドさんは週末、回路基板と電源、デジタルディスプレイをつなげた時計を作成。先生に見てもらいたくて、ケースにいれたものを学校に持ち込んだ。

最初にそれを見た技術の教師は、「すごくいいね」と褒めながらも、「他の教師たちに見せないように」と指示。モハメドはバックの中に時計をしまった。しかし、授業中にアラームが鳴ってしまい、それを英語の教師がとがめた。「その先生はまるで、爆弾でも見たかのような顔をしていました」と、モハメドさんは話した。

その後、時計は取り上げられ、校長室へと連れていかれた。校長からは退学にすると脅され、「爆弾を作ろうとしたのか」と聞かれた。モハメドさんは「違う、時計を作ろうとしたんだ」と返答。しかし、校長は「私には映画に出てくる爆弾に見える」と述べたと、モハメドさんは話した。

そして手錠を掛けられて、警察官によって連行された。モハメドさんは少年拘置所に送られたあと、指紋を採取されて両親の元へと戻されたが、3日間の停学となった。

彼の姉妹にこの写真をシェアしてくれと頼まれた。NASAのシャツ着てるよ!

■警察がモハメドさんの時計の写真を公開

事件を受けて、ネット上には激しい怒りが巻き起こった。ヒラリー・クリントンやNASAのエンジニアなども反応した。16日には警察当局による記者会見が行われ、モハメドさんが危害を加えようとした証拠はなく、不起訴にするとした。その際、モハメドさんがつくった時計の写真も公開された

■「もし彼の名前が“ジミー”だったら…」

アメリカ・イスラーム関係協議会(CAIR)テキサス北部支部の理事長であるアリア・サレムさんは、モハメドさんの逮捕は非常に悪質で不適切な対応だとの考えを示した。16日午前には弁護士と会い、法的措置も検討しているという。

「この少年は非常に賢く、受賞歴のあるロボット開発者である事実は変わりません」と、サレムさんはハフポストUS版に話した。

「学校や当局は結論を急ぎすぎました。もしモハメドさんが“ジミー”という名前だったら、急ぐことはなかったと思います」

この地区の教育委員会にあたるアービング独立学区から、モハメドさんの両親に送られた15日付の書面には、モハメドさんが学校に時計を持ち込んだことには触れられておらず、警察が「疑わしいもの」を発見したと書かれていた。書面は両親に対して、この学区の行動規範、特に学校へ持ち込みが禁止されているものについてモハメドさんと話すように助言していた。なお、持ち込み禁止物リストには、武器、花火、ナイフ、唐辛子スプレー、武器に「そっくり」なものなどが記載されているが、時計はなかった。

モハメドさんニュースのあと、Twitter上にはハッシュタグ「#IStandWithAhmed」をつけてモハメドさんを応援するツイートが多数投稿された。モハメドさんの家族はすぐにTwitterアカウントを開設し、感謝の気持ちを投稿した。

支援をありがとう。私は、人々がイスラム教の男の子のことを気にかけてくれるなんて、思っていませんでした

■オバマ大統領「かっこいい時計だ」

事件を受け、モハメドさんの元には思いがけない招待が届いている。

オバマ大統領は16日、モハメドさんを10月にホワイトハウスで開催される天体観測会に招待した。「かっこいい時計だ、アーメド」、とオバマ大統領はツイートした。

かっこいい時計だ、アーメド。その時計をホワイトハウスに持って来てくれるかい。あなたのような子供たちが、科学を好きになってもらうようにしなくては。それこそが、アメリカを偉大にする。

モハメドさんが招待されたのは、学生を科学者やNASAの宇宙飛行士と引き合わせる「アストロノミー・ナイト」。10月19日に開催される予定だ。

ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は16日、「アーメドにはホワイトハウスで、自宅のようにくつろいでもらえると嬉しいです」と述べた。

「実際には学校では、少なくとも最高の学校では、アメリカの最高の教師たちが、アメリカの全ての生徒の知的好奇心を育てています。今回は、少なくともアーメドの教師の中に、彼を失望させた者がいることは明らかです。大変残念なことですが、今回の出来事は、人生を若者の教育に捧げてきた心の優しい人々でさえも、ステレオタイプ的な考え方によって、成し遂げようとしている素晴らしい仕事を妨げてしまう恐れがあるという実例です」。

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは17日、「クールなものを作りたいという技術と野望を持つことは、逮捕ではなく賞賛されるべきだ」とするFacebookにコメントを投稿。もしモハメドさんがFacebook社に立ち寄りたいと思うなら、ぜひ会いたいと続けた。

Twitter社も「インターンに来ませんか?」とツイート。 Googleも今週末に開催するサイエンスフェアにこないかと、モハメドさんに呼びかけた

モハメドさんの答えはこうだ。

「もちろん、行くよ!」

その他、マサチューセッツ工科大学(MIT)や奨学金など、モハメドさんへのオファーが相次いでいる。

この記事はハフポストUS版に掲載された記事(1, 2, 3)を翻訳・編集しました。

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