日歯連の元幹部を逮捕、政治献金を「テクニック」で迂回か

内部にも「法的に問題ない」などと説明していました。
YouTube / 島村大

東京地検特捜部は9月30日、日本歯科医師会の政治団体である「日本歯科医師連盟(日歯連)」の元幹部3人を、政治資金規正法違反(虚偽記入、寄付の量的制限など)容疑で逮捕した。法律で決められた上限を超える金額を国会議員の後援会に献金するため、関連団体を利用して「迂回献金」したとみられる。

産経ニュースによると、逮捕されたのは日歯連の前会長・高木幹正容疑者(70)と、当時の会計責任者で前副理事長、村田憙信容疑者(70)、元会長の堤直文容疑者(73)の3人。高木氏は容疑を否認しているが、村田氏は容疑を認めているという。

■迂回献金は「テクニック」と説明されていた

迂回献金が疑われているのは、自民党の石井みどり参院議員を支援する「石井みどり中央後援会」と、民主党の西村正美参院議員を支援する「西村まさみ中央後援会」をめぐる資金の移動。日歯連は2013年1月23日、「西村まさみ中央後援会」を経由させて、「石井みどり中央後援会」へ、政治団体間の寄付の年間上限(5000万円)を超える9500万円を寄付した疑いが持たれている。

■2013年の献金の流れ

日歯連内部でもこの献金について、「迂回寄付にあたるのではないか」と問題視する声が上がっていたが、村田氏が「(会計処理の)テクニックの問題で、法的に問題ない」と説明していた。

また、高木氏もこれまで弁護人を通じて、「問題となった後援会は連盟内の組織であり、これは連盟内部の問題。いわゆる一般会計から特別会計へお金を移したようなもので、形式的には完全に合法のほか、実質的にも違法とまでは言えない」と述べていた

■医師会で石井氏と西村氏を支援

今回2つの後援会で名前があがる石井氏と西村氏はともに歯科医師。日歯連の支援を受けており、2つの後援会はいずれも、高木氏が代表を務めていた。

日歯連は民主党政権時の2010年の参院選では西村氏を組織代表として支援。西村氏は民主党公認で比例区から立候補し初当選した。同様に、2013年の参院選では石井氏を支援している。当時の日歯連幹部は「選挙には約1億5千万円かかる」と話していた

日歯連は、2010年にも「民主党参議院比例区第80総支部」を迂回して、「西村まさみ中央後援会」へ5000万円を献金した疑いが持たれている。

■2010年の献金の流れ

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