シャイとは違う。内向的な人のコミュニケーションの10の特徴

内向性は、シャイであることとは異なる。
Olivia Bell Photography via Getty Images

見た目からは、“内向的な人”と“外交的な人”は区別がつかない。しかし、彼らが日々の出来事に対し、どの反応するかに着目すると、その違いがはっきり見えてくる。

例を挙げよう。科学サイト「私たちの科学」の記者、メリッサ・ダールは2014年、心理学者ブライアン・リトルの人格心理学に関する著書で紹介された研究結果を取り上げた。内向的な人は、大きな会議や重要な予定の前にカフェインの摂取を控えたほうがいいというのだ。

リトル氏は、ハンス・アイゼンクの「外向性のセオリー」や、ノースウェスタン大学のウィリアム・レベルの研究に触れ、「内向的な人と外向的な人では、生まれつき周りの環境に対する警戒心や反応が異なる」と指摘した。内向的な人は、中枢神経を刺激されると、ワクワクして夢中になるのではなく、逆に疲れてしまう。

作家のスーザン・ケインは2012年、TEDのスピーチ「内向的な人の力」で、「内向性は、シャイであることとは異なる」と繰り返し主張した。

「周りからの評価を気にし、恐れるのがシャイな人です」とケイン氏は言った。「内向性というのは、社会など周りからの刺激に対して、どのように反応するかです。外向的な人は多くの刺激を求めますが、内向的な人は、静かで目立たない環境でこそ、イキイキとして、やる気に満ちあふれ、その能力を余すことなく使うことができるのです」

社会の約3分の1から半数近い人たちが内向的な性格なのに対し、現代では、オープンなオフィススペースや、賑やかなバー、教育設備にいたるまで、すべてが当然のように外向的な人のために作られている。

かの著名な心理学者で精神科医のカール・ユングによれば、人は“どちらかというと内向的・外向的”という分類はできるものの、完全にどちらかであると決めることはできない。また内向的な人は、刺激の多い環境では非常に傷つきやすいという。

さあここで、内向的な人のコミュニケーションの10の特徴を紹介しよう。

■人混みに紛れようとする

スーザン・ケインはTEDスピーチの中で、「20世紀に入り、歴史家らが『人格の文化』と呼ぶ、新しい文化に突入しました」と語った。「私たちの社会は、農業中心からビジネス中心の巨大経済圏に発展しました。人々は急速に小さな町を離れ、都市へ移住し始めました。地元の昔ながらの顔なじみと一緒に働くことはなくなり、知らない大勢の中で自分の価値を証明していかなければならなくなったのです」

その結果、社会はにぎやかで騒々しく、人口が過密になり、内向的な人にとっては体力を奪われ疲弊する場所になった。大勢の人に囲まれているにも関わらず、つながりよりも孤独を感じ、人でごった返していない場所に行きたいと感じるのだ。

■世間話は疲れるが、深い話だとイキイキする

外向的な人の多くが、たわいもない世間話をすると嬉しくなるのに対し、内向的な人は、尻ごみして退屈さを感じ、疲れてしまう。

一方、内向的な人は、長い会話になると聞き役に徹する。そして、その会話のあとひとりでじっくりと考えてみるのだ。

「内向的な人のすべて:騒がしい世界で静かな人生を生きる」の著者ソフィア・デンブリングは、「内向性・外向性とは結局、その人がどのように周りのエネルギーを受け取るか(もしくは受け取らないか)ということである」と説いた。内向的な人は深い会話や、哲学的なことを好むのだ。

■彼らが輝くのはステージの上。ただ、その後の雑談ではない

「話すことを仕事とする人の少なくとも半数は、本来内向的です」と、スピーチ専門家、管理職コーチであり、「静けさの影響: 内向的な人が自分を変えるためのガイド」の著者ジェニファー・B・カーンウェイラー博士は言った

内向的な人たちは長所を生かし、周到に準備する。実際、最も偉大な役者の中にも内向的な人はいる。彼らにとっては、ステージに立つことは大勢の観客から離れているので、雑談をするよりもずっと簡単なのだ。

■すぐに気は散るが、退屈しない

内向的な人の集中力を乱したいのであれば、刺激の多い環境に連れて行けばいい。内向的な人は周囲に対する感覚が敏感なため、大衆の中やオープンスペースなどでは意識が散漫になってしまうからだ。

一方で、静かなところにいると、好きな趣味や本などに何時間も没頭することができる。自分自身の心と向き合う時間があれば、好きなことを楽しみながら元気を取り戻すことができる。

■クリエイティブな、個人でこまごまと作業できる働きかたに自然と引きつけられる

内向的な人は、自然とひとりや少人数のグループで過ごしたり、ひとつの作業に没頭したり、決断・課題解決についてじっくり時間をかけて考えたりすることを好む。つまり、このようなことが許される職場環境では、大いに力を発揮する。

ライターやフィールド研究者、裏方の技術者などの特定の種類の仕事は、内向的な人が苦手な環境を避け、知的欲求を満たせる仕事だといえる。

■人に囲まれると、はじっこに行きたくなる。

内向的な人は、人の多い場所では居心地悪く感じる。それを和らげるため、できるだけはじっこに行きたくなる。デンブリングによると、出入り口やコンサートホールの奥、飛行機の通路側の席など、内向的な人は極力人から全方位に囲まれないような場所を選ぶという。

「(内向的な)私たちは、逃げたいときにすぐに逃げられるような場所へ座る傾向があります」とデンブリング氏は以前、ハフポストに語った。

■話す前に考える

この習性がゆえ、内向的な人は良い聞き役だと思われることが多い。(外向的な人に多い)話しながら考えるのではなく、内向的な人は自然と自分の中で一度考えてから発言する習慣があるのだ。

だから内向的な人は実際よりも無口でシャイだと思われることが多い。しかし、そんな彼らが実際に発言するからこそ、その言葉には深い考えが滲み、重みを持つのである。

■外向的な人とは違って、周りのムードが伝染しない。

2013年に発表された研究によると、内向的な人と外向的な人では、報酬系の中枢が「経験」を処理する際の反応が大きく異なる。外向的な人は、周りの環境からの刺激よってドーパミンが放出され、気分が良くなるのに対し、内向的な人にはそのような変化が見られないというのだ。外的要因に対して、内向的な人は、外向的な人ほど強く報酬系の中枢反応しない。

■電話での会話に耐えられない。

たとえ友人からの電話であったとしても、内向的な人の多くは携帯電話での通話を避ける。すぐに出なければいけない電話は、現在作業中のプロジェクトへの集中力や思考を中断させ、いきなり飛び込んできたその事柄に意識を向けなければいけなくなってしまうからだ。

しかも、電話で話すときは大抵雑談をしなければいけない(が、したくない)。

だから内向的な人は電話に出ない代わりに、自分に合ったタイミングで留守番電話のメッセージを聞き、十分意識を向けられる時に電話をかけ直すのである。

■1人になりたいときは、コミュニケーションを遮断する。

「孤独は大切です。一部の人にとって、孤独は、吸い込む空気のように大切なのです」スーザン・ケイン

「内向的な人は、刺激に対する許容値が低い」とハフポストのブロガー、ケイト・バルトロッタがうまく説明している。「私たちはみんな、自分のエネルギーを、コップに一杯ずつ持っていると考えてみてください。内向的な人にとって、社会的交流はコップの中身を少し減らすものですが、外向的な人にとっては、増やすものなのです。私たちの多くは、人に会い、自分のコップのエネルギーを分け与えたいと思っています。コップが空になったら、回復するのに少し時間を必要とするだけです」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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