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韓国のアメリカ軍慰安婦、国家が性病の治療も管理した テレビが報じた実態は

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韓国では朝鮮戦争(1950~1953)後、外貨稼ぎのために在韓アメリカ軍兵士を相手に売春する韓国人女性「アメリカ軍慰安婦」を、国家が組織的に管理したことが分かっている。元慰安婦が韓国政府を相手に損害賠償を求めた訴訟はまだ係争中だ。

11月7日に韓国SBSテレビで放送されたドキュメンタリー番組「それが知りたい」のサブタイトルは「『花』に関する人権報告書2部~モンキーハウスと秘密の部屋」だった。京畿道楊州(ヤンジュ)にある2階建ての廃墟の正体を暴くことで始まるストーリーは、1960年代から在韓アメリカ軍兵士のための売春施設建設に、政府が関与した事実を明らかにした。

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「それが知りたい」が追跡した「モンキーハウス」の元々の名前は「落検者(検査不合格者)収容所」。過去にアメリカ軍基地周辺で売春をしていた女性のうち、性感染症に感染したり、感染したと推定されたりした女性が収監されて治療を受けたりしていた場所だった。制作スタッフは、そもそも隔離治療が必要ない性病感染者を、なぜ1カ所に集めたのか追跡し、当時、在韓アメリカ軍が韓国政府に「性病管理」を要求していた事実を突き止めた。在韓アメリカ軍から受け取るドルのため、政府自ら性病管理を指示し、週2回ずつ女性の性病検査をしながら、検査で陽性と判定された女性を隔離する収容所を運営していたたという。当時、アメリカ軍は、ここから脱出しようとする女性たちの姿を「猿」のようだとして「モンキーハウス」と呼んだことも分かった。

「それが知りたい」は、いくつかの衝撃的な事実を伝えた。

■「アメリカン・タウン」を造ったペク・テハ大佐とは

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「アメリカン・タウン」は、全羅北道群山(クンサン)の田舎の村を改造した一種のニュータウンだ。住宅やパブ、その他の施設を造って、ここに売春する女性を呼び、在韓アメリカ軍にドルを使わせた。「それが知りたい」の制作スタッフが会った地元の人々は「アメリカン・タウンで外貨をたくさん稼いだので、大統領表彰もずいぶん受けた」と述べ、タウン建設を主導したのが「ペク・テハ大佐」だったと話した。この人物は「5.16クーデター(1961年の朴正熙らによる軍事クーデター)の主要人物の一人」で、のちの朴正熙政権の実力者であり、タウンを建設した後は、朴正煕大統領から複数回、表彰を受けた。

■基地周辺の売春女性は「アメリカ軍慰安婦」と呼ばれた

過去にモンキーハウスで働いていた看護師は「売春女性を『慰安婦』と称していた」と告白した。当時の新聞記事にも「アメリカ軍慰安婦」という用語が頻繁に登場する。

■朴正煕大統領が直接「アメリカ軍慰安婦」を指示し管理した

「それが知りたい」の制作スタッフは放送で、当時の朴正煕大統領が直筆でサインした決裁書類を公開した。この資料は2013年11月、国会の女性家族委員会のユ・スンヒ議員が、国家記録院の大統領記録院で入手したものだ。

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2013年に独立系メディア「国民TV」は以下のように報じた。

「当時、朴正煕政権は『基地村』(基地周辺の民間人居住区域)を62カ所、9935人と把握しており、浄化対策の一環として、基地村に女性専用マンションまで建設する計画を立てた。しかし、基地村の女性専用マンションの建設計画は、政府が公娼制度を導入するという批判のために断念された。

運営費と関連財源計約16億9500万ウォンのうち、確保された4億8200万ウォンの一部は「(大統領)閣下特別基金」から支援すると記録されている。また「長期的にアメリカ軍当局の住民対策を内務省で秘密裏に研究、計画すべきだ」との内容もある」

当時、ユ・スンヒ議員は「売春防止法の施行にもかかわらず、外貨稼ぎと在韓アメリカ軍のために、『基地村』が国家レベルで管理されていたという証言があったが、資料の発掘を通じて、深刻な人権侵害である監禁治療や、政府の直接介入が明らかになった」と述べている。

過去に『基地村』で「アメリカ軍慰安婦」として働いていた女性は2014年6月、「国家損害賠償請求」を求め提訴した。支援団体「性売買問題解決のための全国連帯」のホームページによると、当時の記者会見で彼女たちは「国は、私たちに『アメリカ軍兵士と戦うな』と教育しただけで、慰安婦がアメリカ軍兵士の犯罪にあったとき、私たちを守らなかった」と批判した。

「韓国は、すべての性売買は不法と法律で決めておきながら『特定地域』を設置するという例外を設けて慰安婦にアメリカ軍兵士への売春をさせ、慰安婦を国に登録させて『愛国教育』の名で慰安婦に精神教育まで施した。また、アメリカ軍を相手にするため『きれいな体』を用意しなければならないとして、強制的に検診を行っただけでなく、法律で性病感染者の収容所を設置して、アメリカ軍慰安婦を監禁して強制的に治療した。もし国が私たちを国民と考えていたのなら、過剰なペニシリン注射で仲間が死亡するのを見届けるという苦痛を味わわなくてもよかったし、性病にかかったアメリカ軍兵士を指摘したというだけの理由で、強制的な監禁治療も受けることはなかっただろう。国はあの手この手で「アメリカ軍慰安婦」を徹底的に管理・監督し、客引きと斡旋業者、アメリカ軍の犯罪を黙認し、巨大な国家の力で私たちを犠牲にした」

まだこの訴訟は進行中だ。

この記事はハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳しました。

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1948年、韓国・ソウル
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