余命わずかと宣告された高校生 同級生にどうしても伝えたかったこと

「遠い将来に目標を定めて生きるのではなく、今できる目標に向かって生きよう」

「生きている限り人生から逃げ出せすことはできません。だから、与えられた機会に感謝し、それを大切にして勇敢に生きて下さい」

このメッセージを同級生に伝えるため、ジェイク・ベイリー君(18歳)は医師の反対を振り切って、入院中の病院を後にした。

ジェイク君は、ニュージーランドのクライストチャーチ男子高校で生徒会長にあたるシニア・モニターを務めている。彼は11月4日に、3年生たちを対象にした授賞式でスピーチをする予定だった。しかしその1週間前に、進行性ガンの一種であるバーキットリンパ腫と診断された

医師たちは、治療を受けなければ余命は数週間であり、スピーチは到底無理だと伝えた。しかし授賞式の欠席は、ジェイク君には受け入れられないことだった。

彼は医師の忠告に反し、車椅子に乗って授賞式に出席した。それだけではない。クラスメートや友人と協力してスピーチを準備し、壇上に立ったのだ。

彼は卒業生を代表して、先輩や先生、親に感謝を伝え、楽しかった学校生活や友人との時間を振り返った。

また、スリランカでの休暇中に溺れて亡くなった叔父のロス・ベイリー氏についても触れた。ベイリー氏はニュージーランドで初めて腎臓移植手術を成功させた、世界的に有名な外科医だった。

ジェイク君は、叔父は「常に高みを求め続け、変化をもたらそうとしていた」と述べた。「精神的に強い人間になるというのは、諦める方が簡単な時に諦めないこと、安易な道がある時にそれを選ばないことです」

そして今を生きることの大切さを伝えた。

「未来は僕たちの手の中にあるのです。遠い将来に目標を定めて生きるのではなく、今できる目標に向かって情熱を傾けましょう。大きな野心より小さな野心を持ちましょう。目の前にあることに、誇りを持って取り組もう。それがどういう形になるのか、いつ形になるかはわかりません」

スピーチの後会場はスタンディングオベーションに包まれ、クラスメートたちが、ジェイク君を讃えるためにニュージーランドの先住民「マオリ族」の民族舞踊ハカを踊りだした。ジェイク君は、両目に涙を浮かべながら、口を動かして「ありがとう」と伝えた。

がんに冒されていることを知った高校3年生が、同級生に向けて信じられないスピーチをした

クライストチャーチ男子校のニコラス・ヒル校長は11月8日、「ジェイク君の勇敢さは、教師や生徒だけでなく、世界中の多くの人々を勇気づけた」と語った。

ヒル氏はFacebookに「私は彼をリーダーとして、そして世界中を勇気づける人間として心から敬意を払っています」と書いている。「彼の素晴らしい特質は、病気との闘いを支えるでしょう。私たちいつも彼と共にいます」

アメリカ国立医学図書館のウェブサイトによれば、バーキットリンパ腫は「急激に成長する非ホジキンリンパ腫」だ。半数以上が、集中化学療法で治療できるという。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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