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脇役から主演に登りつめる実力派女優たち、見直されるスター主導"のキャスティング

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MAYU MATSUOKA
NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(東京編)の出演者発表記者会見=18日、東京都渋谷区のNHK  | 時事通信社
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見直される"スター主導"キャスティング 脇役から主演に登りつめる実力派女優たち

出産を巡るヒューマンストーリーが支持を受けるドラマ『コウノドリ』(TBS系)。最近では珍しく、一時は1ケタに落ちた視聴率を11%台に盛り返した。同作でヒロインの研修医を演じているのが松岡茉優。若い女医の未熟ながらの清々しさを体現して、作品の後味の良さの一因になっている。このところドラマや映画に引っ張りだこで、『She』(フジテレビ系)では主演も務めた松岡だが、もともと目標とする俳優に八嶋智人を挙げていた。縁の下で作品を支える脇役志向だったわけだが、今やメインキャストが多い。彼女に限らず、ドラマ界に若手も実力重視でメイン起用される傾向が強まってきた。

◆主演の個人的人気と比例しなくなった視聴率

90年代のトレンディドラマのブームの頃から、連ドラはスターのキャスティングありきで、内容は後から決めることが少なくなかった。ビジュアルの良いアイドル系の俳優、人気モデル出身の女優などが重宝され、演技力や役柄との相性は二の次な面も見受けられた。主演やヒロインの顔ぶれはだいたいおなじみの人気者。役柄と組み合わせだけ変えて回っていたところがあった。

しかし近年、俳優や女優の個人的人気とドラマの視聴率は比例しなくなっている。逆に2013年には、主演での実績は『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)だけだった堺雅人が主役の『半沢直樹』(TBS系)が、最高視聴率42.2%と平成歴代1位の記録的ヒットとなった。同作では堺以外のキャストも、香川照之ら渋いところに加え、脇役ひと筋の滝藤賢一、劇団四季出身の石丸幹二、歌舞伎役者の片岡愛之助ら連ドラではなじみ薄いが実力ある俳優をキーマンに。それぞれの役を際立たせて評判を呼んだ。

この『半沢直樹』の成功がスター主義のキャスティングを見直し、役柄に合う演技派を使う気運を生んだが、同じクールにもう1本、業界的に影響を与えたドラマがあった。満島ひかり主演の『Woman』(日本テレビ系)だ。

ふたりの幼い子どもをギリギリの生活で育てるシングルマザーが主人公の重い話で、裏で人気シリーズ復活と話題を呼んだ『ショムニ2013』(フジテレビ系)が放送された。初回18.3%で、裏の『Woman』の11.3%に差を付けたが、回が進むにつれて逆転。『Woman』の最終回は16.4%、『ショムニ2013』は7.8%だった。満島の演技はリアルで息苦しくもあったが、胸を打たれ引き込まれた視聴者が多かった。

満島はアイドルグループFolder5出身。連ドラ初出演は『ウルトラマンマックス』(TBS系)のアンドロイドの隊員役で、脇役でキャリアを重ねながら映画『愛のむきだし』で評判になる。連ドラでも徐々にポジションを上げて、2011年の『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)で初のヒロイン。これも殺人事件の被害者と加害者双方の家族の重い物語で、満島は迫真の演技ゆえ「テレビ向きでない」とも言われたが、『Woman』で数字的な結果も出した。以後は『ごめんね青春!』(TBS系)のコメディエンヌぶりや『ど根性ガエル』(日本テレビ系)のピョン吉の声でも賞賛され、今や演技派女優の代名詞だ。

◆実力本位へと大きく変わっていくドラマ制作の流れ

かつての若手女優は、ドラマで男性視聴者を呼ぶアイドル性が求められがちで、宮崎あおいなどはそれを嫌って映画にシフトした節がある。だが、すでに結婚していた満島が脇役から実力で主役級に昇ったことも受け、脇に配する若手にも作品を締める演技力を求める向きが出てきた。

そのなかで、『あまちゃん』(NHK)で注目されてから出演作ごとに評価を高めたのが松岡だった。他にも、『ピーターパン』など舞台で演技を磨いた高畑充希が朝ドラ『ごちそうさん』(NHK総合)でヒロインの義妹を演じて歌も話題になり、来年4月スタートの『とと姉ちゃん』(NHK総合)ではヒロイン。映画『小さいおうち』でベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀女優賞)を獲得した黒木華は、『天皇の料理番』(TBS系)で主人公の妻を演じて高視聴率を支えた。

『探偵の探偵』(フジテレビ系)でDV被害者と思いきや事件の黒幕という役を狂気含みで演じた門脇麦、『表参道高校合唱部!』『監獄学園-プリズンスクール-』(ともにTBS系)など見た目から変幻自在の演技を見せる森川葵も出演作が続く。

こうした女優は若いながら脇役から積み上げた演技力があり、ドラマに奥行きを生む一翼を担っている。彼女たちが今後さらに主役級を演じてヒットも生んでいけば、知名度やビジュアル先行のキャスティングから役柄と実力本位へ、流れは大きく変わるかもしれない。
(文:斉藤貴志)

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