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シャープ再建、支援先はどこに? 鴻海が関心、サムスンも浮上

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12月18日、経営再建中のシャープの支援をめぐり、産業革新機構が、液晶事業を切り出すだけではなく、家電や電子部品の事業再編も構想していることが明らかになった。都内で7月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino) | REUTERS
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[東京 18日 ロイター] - 経営再建中のシャープの支援をめぐり、産業革新機構が、液晶事業を切り出すだけではなく、家電や電子部品の事業再編も構想していることが明らかになった。一方の主力行は液晶分離に絞った早期の決着を求めている。

両者は年明けにも支援の枠組みの大筋合意を目指して協議しているが、課題は金融支援になりそうだ。一方で、鴻海精密工業が本体出資を含む新たな買収案を示すなど、水面下の攻防が激化している。

<IoT時代の電機再編>

革新機構を傘下に持つ経済産業省では、シャープ再建支援を私企業の救済ではなく、日本の電機業界の国際競争力を強化する足がかりにすべきだとの議論があり、ある幹部は「(モノのインターネットと言われる)IoT時代を日本が主導したい」と語る。

関係者によると、革新機構は、シャープの液晶事業を切り出してジャパンディスプレイと統合させるだけではなく、家電や電子部品、複写機など他の事業も他社と組み合わせる再編の姿を模索。「本体出資」という表現は救済を連想させるため避けているが、シャープの経営権を握って、家電の構造改革に着手した東芝などとの統合案を検討しているという。同時に、シャープの主力行には、債権放棄など強力な金融支援を求めている。

<早期の液晶分離めざす主力行>

一方で、来年3月末までの決着を目指すシャープと主力行は、分社化する液晶への出資による再建案で早期に合意したい考え。主力行のある幹部は、シャープが抱える約7500億円の有利子負債について、分社化する液晶事業に移さずに本体が負担する案は容認する姿勢を示す。主力行にとって「液晶はリスク」(銀行関係者)であり、「一刻も早く切り離す」(同)ことが急務だ。

ただ、液晶以外の事業の再編案まで手を広げれば交渉はさらに長期化する恐れがある。ある主力行幹部は「まず液晶切り離しが主軸で、家電再編は将来の方向性を示せばいい」と、液晶分離を先行して決着させる考えを示す。

さらに、主力2行は、シャープには今年6月に計2000億円の資本支援を実施したばかり。加えて、主力2行でシャープへの債権は5000億円前後に上り、これを放棄するのは「ハードルが高すぎる」(銀行関係者)という事情も交渉を長引かせる可能性がある。

<鴻海が高値買収案を提示>

一方で、シャープ支援にかねてから関心を示している鴻海が今月に入って液晶事業や本体出資を含む複数の買収案を再提案。シャープ大株主のサムスン電子も「第3の候補」として浮上している。

関係者によると、鴻海はシャープ出資に従来よりも高値を提示し、数千億円の金額交渉に持ち込む構えをみせている。鴻海とは、大型液晶工場の運営会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP=大阪府堺市)の株式を37.6%ずつ保有して合弁運営する関係で、シャープのSDP持ち分買い取りも検討課題になる。

さらに、関係者によると、シャープは大株主でもあるサムスン電子幹部にも交渉を持ちかけたもようだ。

シャープと主力行には、出資候補の選択肢を増やして、革新機構との交渉を有利に進める狙いも透ける。だが、「有機ELにシフトしているサムスンがシャープ液晶に出資をするという話に無理がある」(業界関係者)と見方が大半で、現実的な選択肢としてみる向きは少ない。

シャープ支援の交渉では、革新機構が依然として現実的な選択肢だ。革新機構内には「銀行はシャープの経営を悪化させた責任をとるべき」(幹部)とする強い意見がある中で、金融支援をどこまで容認するかがカギとなる。

革新機構は22日に外部の有識者を交えた投資委員会を開催する。関係者によると、年明け以降の大筋合意を目指すが、支援スキームの詳細をめぐっては来年3月に向けてせめぎ合いが続く見通しだ。

(村井令二 浦中大我 編集:北松克朗)

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