DVが私の人生を決めたりしない。被害者の笑顔が伝える、13のメッセージ

被害者たちの素顔を世の中に伝えたい。

一人の女性が、カメラを使って「DV被害者の素顔を伝える」活動をしている。

女性はロサンゼルスを拠点に活動するアーティストのチャンタル・バーロウ。自身が立ち上げた「アンコンベンショナル・アポロジー・プロジェクト(形にとらわれない“謝罪”のプロジェクト)」でDV被害者や、被害者を知り合いに持つ女性たち13人の写真を公開している。

チャンタルの写真には惨めな姿をした女性は写っていない。写真の中の女性たちはみな笑っている。「DV被害者」という過去がその人を決めたりしない、というメッセージを伝えるために笑顔を撮影しているのだ。

「被害者の素顔を世の中に伝えるのが、プロジェクトの狙いです。被害者全てがDV被害について話してくれるわけではありません。でも話を聞けた場合も、大抵は犠牲者という暗い観点で語られます。だけど私にも被害にあった女性たちにも、もっと違う側面があります。暴行された過去だけではなく、愛と光、希望にあふれた人生があるのです」と、チャンタルは述べた。

「被害者たちの素顔を世の中に伝えるのが、プロジェクトの狙いです」

プロジェクトは、チャンタルの祖母マブリン・ネルソン・バーロウに敬意を表して始まった。1975年に、マブリンは酒に酔ったバーロウの祖父に暴行されて亡くなった。チャンタルは十代になるまでそのことを知らなかった。

祖父は2年前に亡くなり、チャンタルに形見として愛用のカメラを残した。事件から数十年後、心を入れ替えた祖父は、愛する家族に囲まれて幸せに暮らしたそうだ。しかし若くして亡くなった祖母は、同じ幸せを味わえなかった。家族も祖母の死について話すことを避けた。

「祖父は家族と写真を撮るのが大好きでした。祖父の写真は何千枚もあります。なのに祖母の写真はたった3枚だけしかありません」とチャンタルは語った。

プロジェクトは2014年8月に始まり、現在も撮影している。写真が36枚に達するまで続くという。36というのは、祖母が殺害されたときの年齢だ。

ほとんどの女性たちは、チャンタルが自分の写真をソーシャルメディア上で公開した後に、連絡を取ってきたそうだ。そのうち数名は、アンコンベンショナル・アポロジー・プロジェクトの運営にも加わっている。プロジェクトの参加条件はただ一つ、チャンタルの祖母が好きだったブルーを身につけることだ。

写真の多くは自分の体験を語っている時に撮影したもので、飾らない姿が写っている。女性たちのフルネームも紹介されているが、きちんと話し合って同意を得た上で公開しているそうだ。

「プロジェクトは、これまで社会が彼女たちの声に耳を傾けてこなかったことへの謝罪です」

女性たちが語るストーリーは悲劇的だ。パートナーや子供、親からの暴力など、生々しい体験が綴られている。参加者たちの立場は様々で、年齢、人種、セクシュアリティも多様性に富んでいる。

「写真の女性たちには傷跡があるわけではないし、暗い表情をしているわけでもありません。最悪の姿を見せるのが目的ではありませんから。プロジェクトは、これまで社会が彼女たちの声に耳を傾けてこなかったことへの謝罪です。私たちは彼女たちを気にかけ、愛している。彼女たちの軌跡を残していきたいのです」

ストーリーの一部を紹介する。彼女たちが単なる被害者ではないとわかるだろう。

ジョケシー・ユージニア・チャンバーズ
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「DVの被害者になっているのなら、どうか避難場所を見つけてください。自分が愛されていると感じることがとても大切です。私はあなたを知らないけれど、あなたを愛しています」\n\n続きはこちら(英語)
スーザン・ハムーデ博士
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「DVの経験が私という人間を決めたりはしません。人生の一部分にすぎないのです。過去の出来事を私は許しました。それが前に進む唯一の方法だから。そうすることで自由になれました」\n\n続きはこちら(英語)
ペギー・レイナ 自分自身と娘のドリーム・モースのことを語って
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「自分が受けた暴力、そして私の子供たちが受けた暴力について、罪悪感や責任感に苛まれることはもうありません。それは私のせいではなかったとはっきり言えます」\n\n続きはこちら(英語)\n
タミエカ・スミス
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「自分の話を伝えて強くなれました。自分には価値がないと感じなくなりました」\n\n続きはこちら(英語)
シャロン・グリーン・ガイドリー、母親のエドナ・グリーンのことを語って
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「置かれた境遇や起こった出来事で、自分という人間が決まってしまうわけではありません。自分の経験を通してそれを学びました」。\n\n続きはこちら(英語)
ブリタニー・レノジ
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「恐ろしい出来事の後でも、素晴らしい人生を送ることはできます。私は闘い、そして生きていきます。前に進みたいから」\n\n続きはこちら(英語)
イザベル・フロレス
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「相手は私の話を信じていると感じながら、語ること。それが私には大切だったんです」\n\n続きはこちら(英語)
キャロル・アン・ピーターソン博士
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「相手が良い人か、悪い人か、それとも無関心な人なのかを見極めることが、誰かを愛する時に大切です。自分を大切にして、不当な扱いを拒むことも」\n\n続きはこちら(英語)\n
チャンタル・バーロウ
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「カメラを目の前にして経験を語っている。そんな自分の強さを誇りに思っています」\n\n続きはこちら(英語)
ゾーイ・ラプラカ
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「10年間、自分がどれだけすごいか全くわかっていませんでした。(涙を流しながら)今ならそれがわかります」\n\n続きはこちら(英語)
トレーシー・オーグコムファー 姉のキンバリー・オーグコムファーの経験を語って
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「つらい経験の後、癒しが始まりました。泣いた後、明るい未来がこんなにも嬉しいと感じたことは今までありません。何ものにも代え難い、本当に大切なものです」\n\n続きはこちら(英語)
ミスティー・ドーン・スパイサー
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「正義を実現するためには、体験を伝えることが大切です」\n\n続きはこちら(英語)
リサ・カーリー
Unconventional Apology Project // Chantal Barlow
「怒りはなくなりました。彼への憎しみも消えました。怒りや憎しみは水に流せます。全てを天に任せるのです」\n\n続きはこちら(英語)\n

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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世界中で撮影した女性たち

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