ヤマザキナビスコ「リッツ」「オレオ」など販売終了へ 日本に根づかせた46年の努力は並大抵でなかった。

リッツのアメリカの製造方法をそのまま日本に持ち込んでも、うまくいかなかった。

山崎製パンは2月12日、子会社のヤマザキナビスコが「ナビスコ」ブランドのライセンス契約を、8月31日で終了すると発表した。これに伴い、ヤマザキナビスコは9月1日から社名を「ヤマザキビスケット」に変更。同社が開発した「チップスター」などの製品は販売を継続するが、ナビスコブランドの「オレオ」「リッツ」などの製品は、8月末をもって製造を終了する。9月以降は日本では同ブランドの権利を持つモンデリーズ・ジャパンが販売を継続することになる

■リッツやオレオを日本に根づかせたヤマザキナビスコ

ヤマザキナビスコは1970年、山崎製パンとアメリカのナビスコ社、日綿実業(現・双日)の合弁会社として設立され、「オレオ」、「リッツ」、「プレミアム」などのブランドを製造・販売してきた。現在これらの商品は日本でも人気商品となっているが、販売当初は「初めから市場にすんなりと受け入れられたわけではなく、社員の溢れるチャレンジ精神によって皆様に愛される商品へと変貌していった」と、ヤマザキナビスコは新卒採用サイトで話している。

販売だけでなく製造の面でも課題があった。アメリカの製造方法をそのまま日本に持ち込んでも、うまくいかなかったのだ。

同じレシピで同じ作り方をしても、気候や水質が違い、そして何より小麦粉の品質が米国と日本とでは違っていたのです。日本の小麦粉は、米国のものよりも粒子がいくぶん細かく、この微妙な違いのために、ヤマザキ・ナビスコから発売するリッツを満足のいくレベルに仕上げることができませんでした。そこで私たちは小麦粉そのものを製粉会社と共同開発し、ついに納得いく品質のものを作り出すことに成功。こうして「ヤマザキ・ナビスコ版のリッツ」はデビューしたのです。この時に開発した小麦粉は現在でも使用されており、ヤマザキ・ナビスコとしての商品開発の第一号と言ってもいいかもしれません。

ヤマザキ・ナビスコ【新卒採用情報】> ヤマザキ・ナビスコ エピソード > (1)より)

さらに、リッツには製造だけでなく包装パッケージについても、日本特有の湿気対策が施されている

製造・販売を引き継ぐモンデリーズ・ジャパンは、日本では1960年から事業をスタートし、現在は「クロレッツ」や「リカルデント」といったガムやキャンディ製品を製造・販売している。モンデリーズ・ジャパンの辺丙三・代表取締役専務はプレスリリースで「過去45年以上に渡って、ヤマザキナビスコは『オレオ』、『リッツ』、『プレミアム』などのナビスコ製品の製造・販売を行ってきており、ブランド認知への多大な貢献をしてきてくださったことに大変感謝しております」とコメント。「世界で愛される私たちのブランドの更なる浸透・拡大を目指します」と語った。

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Ritz Cracker Chocolate Peanut Butter Ice Cream Sandwiches

リッツのレシピ

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