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トランプ氏とサンダース氏、2人の勢いが止まらない15の理由

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DONALD TRUMP BERNIE SANDERS
People watch and listen as Democratic presidential candidate Sen. Bernie Sanders, I-Vt., speaks during a United Auto Workers rally Monday, Feb. 15, 2016, in Dearborn, Mich. (AP Photo/Evan Vucci) | AFP
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かつてニクソン大統領がサイレント・マジョリティーと呼んだ集団に属する2人の女性が、2016年にアメリカの政治で起きている激震を象徴的に示している。

私立探偵で、サウスカロライナ州チャールストン出身のケリー・ロッシさん(38)はドナルド・トランプ氏を支持している。ロッシさんは、権威主義的で外国人嫌いのニューヨークの億万長者であるトランプ氏がなぜ政治的に台頭したのか、私がこれまで聞いたことのない最も優れた説明をしてくれた。

「この国は浣腸を必要としています。この世界は浣腸を必要としています」。ロッシさんは2月22日夜、ノースチャールストンの会議場で開かれたトランプ氏の集会に向かいながら、私にこう話した。

ロッシさんは、1989年の映画「バットマン」の中で、ジャック・ニコルソンが演じたジョーカーの有名な台詞「この街には浣腸が必要だ」をなぞったのだった。

「私たちはあらゆることを一新する必要があります。政治と政治家が、あらゆることを駄目にしてきました。世界の誰も私たちを尊敬していません。トランプは人々の心にあることを述べ、実行力があります。彼はビジネス支援の仕方を知っている企業家です」

つまり、トランプ氏は、ニューヨーク市民も他の町から来たよそ者も怖がらせるジョーカーなのだ。

donald trump
トランプ氏の集会での支持者

ニューハンプシャー州マンチェスター地区のパレス・シアターで、ダーリーン(44)という名のバーニー・サンダース支持者は、アメリカ政治で珍しいタイプの政治家が台頭していることについて、今まで聞いたことがないような説明をしてくれた。つまり、サンダース氏という74歳の「民主社会主義者」なのだ。

「大学を卒業しても就くことができる仕事は、繁華街にあるレストランのウエイトレスしかありません」。ダーリーンさんは私にこう述べた。「しかし、まだ学生ローンの返済も多く残っていて、生活に余裕がありません。私は質の悪い医療を受けています。息子が公立大学に通えるよう、彼の学費を払おうとしています。しかし、それは年に3万ドルもします。私には本当にバーニーが話しているような援助が必要なんです」。

「税金は上がってほしくありませんが、億万長者の人たちには本当の公平な負担をして欲しいと思っています。それがバーニーの言っていることです。私はローン返済と医療、息子の教育費のための支援を必要としています。それらなしではシングルマザーにも扶養者にもなることはできません。バーニーのように勇気のある政治家は他にはいません」。

つまり、サンダース氏はロビン・フッドなのだ。ウォール街の億万長者のシャーウッドの森から取り立てて、苦労しているアメリカ人に分け与える。ネバダ州では敗北し、サウスカロライナでも負けたかもしれないが、ヒラリー・クリントン氏を左寄りにした上に、最後の最後まで戦う資金と支援を得ている。

もちろん苦しい戦いなのかは確かだが……。

evan vucci sanders
サンダース氏の集会での支持者

マッチョな右翼と、学者ぶった左翼が、変わりばえのしない中道にあるアメリカ政治のスイーツをちぎれんばかりに引っ張り合っている。その真ん中あたりに、ブッシュ家やクリントン家といった政治家ファミリーと、私たちが知る政治システムが存在しているわけだ。

「100年のアメリカ政治の歴史の中でこのような状況はなかった」。歴史政治学者ノーマン・オーンスタイン氏はこう述べた。「私たちはこのような2極化を見たことがなかった。それは厄介で、どこに向かっているのか見当もつかない」

なぜこのような状況になったのか吟味してみることは価値がある。15の要因を考えてみたい。


グローバル経済

トランプ氏とサンダース氏はいくつかのことでは一致している。その1つが、グローバルな貿易によってアメリカの製造業の給料を低下させ、仕事が海外に流出しているということだ。2人は、エアコンを製造するアメリカのキヤリア社の最近の発表を取り上げた。それはエアコンの製造をメキシコに移管していることだ。


ブッシュ-クリントンの経済的な合意の終わり

政府と民間企業は1980年代から、国内外で経済的な協力関係にあるとの理論に基づき、民主、共和両党の大統領は政権を担ってきた。ビル・クリントン氏は「企業に優しい」民主党として存在することで保守的な時代に支持を獲得、そして、多額の寄付も得ていた。2人のブッシュもまた同じ理論を追求した。今や右翼と左翼の両方から攻撃を受けている。(民主党の伝統的なリベラリズムと個人の責任重視の共和党保守主義を混合した)クリントンイズムと商工会議所の両方が目下、政治的に力を失っている。


所得の停滞

いつの時代も大体の場合、アメリカ人はお金持ちが嫌いではないし、自分たちもお金持ちになりたいと考えている。しかし、「富の不均衡」が所得の停滞と同時に起きた時、その根底が揺らぐ。バラク・オバマ大統領は希望を与えるために登場したが、平均的なアメリカ人世帯の実質所得は、オバマ大統領の2期の間には上昇しなかった。というより、実質この四半世紀上昇していない。


子供たちの生活が向上しない、それが意味すること

「アメリカン・ドリーム」という言葉は1930年代までは知られていなかった。しかし、全ての世代は前の世代よりも経済的に良くなるという考えを意味するようになった。今は多くのアメリカ人はこれを信じていない。そして、何とかしてこれが変わって欲しいと思っている。


テロ攻撃

トランプ氏はパリとカリフォルニア州サンバーナーディーノのテロ事件を通じて自らの名を躍進させ、他のコメンテーターも彼の意見に同意した。トランプ氏は「当初は国境と移民について話をするつもりだったが、テロ攻撃まではいまいちうまくいってなかった」と話し、「ところがブームが来て一躍トップになった」と述べた。オバマ大統領のとった対応は生ぬるかった。特に共和党の有権者にとってはそうだった。

彼とその周囲(そして他の共和党立候補者ら)は、これまでの言論空間の基準では話してはいけないとされていた反移民と反イスラムを訴える自由を得た。


移民

多くのメキシコ人が帰国し、オバマ大統領が国外追放を強化したにもかかわらず、アメリカ生まれではない人の国内での割合はこの100年以上で一番高くなっている。アメリカは移民の国だ。しかし、その押し寄せの波が大きくなりすぎると、恐怖と恨みの発作を目にすることになる。


ソビエト連邦が存在しないこと

テロの脅威に直面していることは確かだが、ソビエト連邦によって私たちが直面した壊滅のようなものはない。常に外部の脅威によって、アメリカが1つにまとまり、大部分のアメリカ人を政治的中道の立場に向かわせた。今はそのような結束力がない。


貧富の格差

一般的にアメリカ人は金持ちを嫌っていないことは確かだが、現在格差は「狂騒の20年代」と呼ばれる1920年代以上に拡大している。サンダース氏の演説は、「1%」が他の99%以上に富を独占していることについて憤りを示した長談義だった。それは民主党員が少しずつ変えていくやり方にうんざりしている中、盛り上がりを見せた。


大分類

ビル・クリントン氏はこのタイトルの本に言及するのが大好きだ。これはアメリカ人がいかに地理的に自分たちを政治上、分類しているかを説明している。これは人口統計の問題であるが、政治の仕組みも同じだ。州議会では最近、共和党が多くの議席を占めているが、民主党員と共和党員をそれぞれ「安全な」区に分離することを目的にした、選挙区の区割りを実施している。両党の候補者指名をめぐる規則は、大統領選挙でその党を支持する傾向がある州に一層の力を注いでいるため、分断が進んでいる。


自分に合ったメディア

かつてはテレビアンカーが「現実とはこんなのものです」と言いながら、放送番組を終えることが可能だった。そして、ほとんどの国民がアンカーを信じていた。今は、各選挙区の団体組織が自分たちの好みに合った放送局を利用し、有権者は自分たちの主張を温かく肯定してくれるメディアと一緒に生きている。


自分だけのソーシャルメディア

ソーシャルメディアは、各選挙運動が具体的に描いた純粋な政治構想を現実のものとする。テッド・クルーズ氏が、マルコ・ルビオ氏の画像を加工してオバマ大統領との偽の握手画像をこっそりと作ろうと考えても不思議ではない。クルーズの支持者、つまり、同氏がインスタグラム、フェイスブックやツイッターで話しかける人々だけは、自分たちだけの閉じた現実を信じたがるし、信じてしまう。


多額の選挙資金

これは両党の誰もが嫌っている。トランプ氏の答えは自己資金だ。バーニー氏は資金をクラウドソーシングで得ている。これらはそれぞれの支持者には強力なアピールとなっている。


有名人

これは切り札だ。ドナルド氏は企業家として成功しているかもしれないが、彼はそもそも有名になろうとして有名になっている。議論を巻き起こして名を広めるという巧みなセンスが選挙運動の力になっている。オバマ氏にも同様の魅力があった。バーニー氏にはそれはないが、その選挙運動によってアメリカ人の間で彼の名を瞬く間に知らしめた。


ミレニアル世代

この若者世代はベビーブーム世代よりも多い。そして祖父母が1960年代にしたのと同じくらいの大改革を求めている。


政党と推薦がかつてないほど重要でなくなっている

政党はある意味、今まで以上に力を持っている、問題が発生することを防ぐことにおいてだが。しかし、一般的には軽んじられていて、有権者と直接ソーシャルメディアでやり取りできる時代では、リーダーたちの影響力はますます弱まっている。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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