世界のメディアが報じたトランプ氏勝利 「共和党を内側から破壊」「大統領選をバラエティー番組に」

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オーストリアのディー・プレス紙はスーパーチューズデーの翌日、ドナルド・トランプ氏の勝利を1面で報じた。

世界のメディアが3月1日、アメリカの政治に注目した。多くのメディアが、共和党の根幹を揺るがす致命的な挫折としてスーパーチューズデーを報じている。

「ドナルド・トランプ氏の勝利に共和党は非常に困惑」と報じたのはフランスのル・モンド紙だ。

メキシコから中国まで、新聞やメディアは、なぜトランプ氏の支持率が上昇を続けたのか、共和党エリートに抵抗できたのかの説明に大きな焦点を当て、スーパーチューズデーの結果を報じた。イギリスのガーディアン紙はこう報じている。

共和党のていたらくにアメリカ国民が怒りムードだったところへ、トランプ氏が自ら強引に飛び込んで、その野放しの怒りを上手く活用したことも、トランプ氏の成功の一因だろう。

dutch
オランダのヘット・パロール紙は、スーパーチューズデーの勝利者として、ドナルド・トランプ氏を1面で取り上げた。使われたのはトランプ陣営から提供された写真だ。

トランプ氏に関する報道がどう変化したかに注目したメディアもある。カナダCBCの「ワールド・リポート」というラジオ番組で、ジャーナリストのマーガレット・エヴァンス氏は、以下のようにまとめた。

ドナルド・トランプ氏の人気が急上昇していることについて、ヨーロッパの主要メディアはまず、彼のことを恐ろしいほどの魅力を持った、一種のネタ的な候補として扱うところから始まった。

スペインのエル・パイス紙は共和党の危機とトランプ氏の支持率上昇について、こう書いている。

共和党のアイデンティティーを巡る争い。つまり、保守政党であり続けるか、あるいはリベラルな価値観の人々にも訴えかけ、積極的外交を行う政党として価値を見いだすか、あるいは強い政治指導者のイメージを持つビジネスマン、ショーマンが率いる国粋主義政党、あるいは大衆迎合主義政党に価値を見いだすか。そうした争いの中で『トランプ主義』は進化した。

(中略)トランプ氏が共和党を内側から破壊する侵入者だと、党内で警鐘をならす声、今こそ慌てて死に物狂いで、次の戦略を立てなければならないだろう。

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コロンビアのエル・ティエンポ紙は、トランプ氏とクリントン氏を1面で報じた。

カナダのグローブ・アンド・メール紙はこう伝えた。

最も高いガラスの天井を叩き割りそうな1人の女性と、世界で一番重要な就職試験、つまりアメリカ大統領選をバラエティー番組に変えてしまった好戦的な億万長者。スーパーチューズデー後、アメリカはそんな国になった。

カナダCBCのワシントン特派員、キース・ボーグ氏は、トランプ氏が乗っ取った共和党政治についてこう分析した。

予備選での全ての勝利、そしてスーパーチューズデーで得た7州での勝利で、彼は新しいトランプ・ホテルや素晴らしいトランプ・ゴルフコースを建設するように、共和党を自分のものにしようとしている。富や名声、並外れた奔放さというブランドだけではない。トランプ氏の対立候補は、人種差別主義者の烙印を押した。女性差別主義者、(生まれた場所で差別する)生地主義者、外国人嫌い、そして嘘つきと。

malta
マルタのタイムズ・オブ・マルタ紙は、スーパーチューズデーに投票する女性の写真を一面に掲載した。多くの新聞がトランプ氏の勝利と、その勝利がもたらした共和党への衝撃に注目した。

アルゼンチンのブエノスアイレス・ヘラルド紙は、トランプ氏の扇動的な政策に着目した。

アメリカとメキシコの間に壁を築き、1100万人の不法移民を追放し、イスラム教徒の入国を防ぐ。こんな自らの主張に混乱する政党に対し、トランプ氏は、不安を抱き、強気なレトリックを好む労働者層の民主党員を引き込むことで、自分自身が共和党を拡大したのだと述べた。

メキシコのザ・ニュース紙は、「トランプ氏、世界の脅威」と題した記事を掲載した。メキシコの国民行動党リーダー、リカード・アナヤ・コルテス氏の発言に焦点を当てた。

ドナルド・トランプ氏はメキシコ、アメリカ、そして世界への脅威だ。トランプ候補が世界で最も大きな政党の代表、またアメリカのような国の代表であってはならない。

(中略)ドナルド・トランプ氏は、平等と人権を尊び、人種差別に対する大きな戦いの舞台となった、多様性ある国を代表するのにふさわしくない。その多様性のおかげでアメリカは今日、偉大な国家になることができたのだから」。アナヤ・コルテス氏は述べた。

中国の国営新華社通信は、トランプ氏を厳しく批判する内容の記事を少なくとも2本配信している。そのうちの1本のタイトルは「なぜ『ビックマウス』トランプは『厄介な奴なのに転落しないか』」だった。

新華社はトランプ氏を「現実への敵」と称し、他の共和党候補者が団結せずに「巨大なトランプ」に対抗していると報じた。

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イギリスのタイムズ紙はトランプ氏を1面で取りあげた。彼の選挙活動が、共和党の体制に大きな脅威をもたらしたと世界中のメディアは捉えている。

ベルギーのデ・スタンダード紙は、トランプ氏の勝利は「選挙の論理を無視している」と伝えた。そして共和党のクルーズ氏に焦点を当て、共和党内の内部対立を展望した。

テッド・クルーズはルビオ氏よりも善戦したが、トランプ氏と肩を並べる十分な結果を残すことができなかった。しかし共和党の指導者は特に気にかける様子はない。2人は極度に保守的で、思想的に頑固だからだ。

オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙も、トランプ氏の勝利で起きた共和党内の内部対立について、「スーパーチューズデー:トランプ氏の黙示録」という見出しとともに一面で報じた。

トランプ氏は危険なほどに保守でなく、大統領にふさわしくなく、選ばれるべきでないと考える共和党幹部はトランプ氏を恐れるが、逆に彼らにとってトランプ氏は「統合された共和党」に最も近い存在になっている。それがたとえ、党を分裂させるものであっても。

イスラエルのハアレツ紙は、トランプ氏と共和党指導者との「鋭い緊張と敵意」についてこう指摘した。

共和党の主要人物の多くは、トランプ氏のきつい絞め技にいよいよ不快感を示している。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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