貴乃花親方、理事長選で敗れるも「すがすがしい気持ち」 日本相撲協会

元横綱北勝海の八角(はっかく)親方が、日本相撲協会の理事長に再選した。
時事通信社

元横綱北勝海の八角(はっかく)親方が、日本相撲協会の理事長に再選した。任期は2年。3月28日に東京・両国国技館で開かれた理事会で、親方10人の理事の互選の結果、貴乃花親方(元横綱)との一騎打ちを制した。共同通信などが伝えた。

時事通信ニュースによると、八角親方と貴乃花親方は今回の理事長改選をめぐり対立していたという。

相撲協会関係者によると、今回の理事長改選では、国技館改修などで不明朗な振る舞いがあったとされる元顧問の扱いをめぐって紛糾した。北の湖前理事長の右腕として実務に関わっていた元顧問を重くみる貴乃花理事と八角理事長の意見が対立。ある外部理事が週刊誌上で八角理事長を批判したこともあった。

時事通信ニュース:まずは混乱収束から=八角体制、本格的に始動より 2016/03/28 19:40)

2人を除く理事8人による多数決の結果、6対2で八角親方が選ばれた。貴乃花親方への支持は、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と山響親方(元前頭巌雄)の2人にとどまったとみられる。

日刊スポーツによると、理事会後に会見した八角理事長は以下のように語った。

「江戸時代からずっと続く大相撲で、ちょんまげ文化を守ってきた先輩方を本当に誇りに思います。この文化を後輩につないでいく責任があります。土俵でいい相撲を見せるんだ、と一丸にならないといけないと思っています」

八角理事長が再選「一丸にならないといけない」 - 大相撲 : 日刊スポーツより 2016/03/28 18:19)

一方の貴乃花親方は「肩の荷が下りました。すがすがしい気持ちです。今日で終わりました。理事長から与えられた役割をまっとうするだけです。仲間たちとこれからの相撲界を支えて、明日を切り開く議論ができたらなと思います。理事職ではありますが、本分は弟子を育てること。日本出身の横綱、大関を1人でも多く輩出することだと思う。そこに集中していきたいです」などと話した

八角理事長は2015年11月の北の湖前理事長(元横綱)の死去後に理事長代行を務めた後、13代目の理事長に就任。堅実な協会運営を目指す方針を示し、幅広い支持を受けていたという。

■八角親方ってどんな人?

八角部屋の公式サイトによると、八角親方は北海道広尾郡出身、1963年10月生まれの52歳。現役時代のしこ名は「保志」だったが、86年に「北勝海」に改名した。

79年春場所で初土俵。83年の秋場所で新入幕を決めた。その後、新入幕からわずか2場所で小結に昇進。関脇だった86年春場所では史上初めて5大関を破り初優勝を飾る。この年の7月、大関に昇進。しこ名を「保志」から「北勝海」に改名した。87年春場所で2回目の優勝を飾り、23歳で横綱昇進を決めた。

88年夏場所で腰を痛めて以降、けがと闘いながら出場を続けるも、92年5月に現役を引退。横綱在位は29場所、幕内最高優勝は8回だった。93年秋場所後に九重部屋から独立し、八角部屋を創設。これまでに関脇北勝力、小結海鵬、小結隠岐の海ら9人の関取を輩出している。

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