新20ドル札の顔になる女性は、かつて20ドルで父を救おうとした。

紙幣の表を、アフリカ系アメリカ人が飾るのはこれが初めて。

次の20ドル札は、こんなデザインになる?

地下組織をつくって奴隷を解放させた女性が、新たな黒人の歴史をつくった。

4月20日、アメリカ財務省が、奴隷解放運動家のハリエット・タブマン氏が、2030年に発行されることになる20ドル札の表を飾る、と発表した。アメリカの紙幣の表を、アフリカ系アメリカ人が飾るのはこれが初めてだ。

現在20ドル札の表に印刷されている第7代大統領アンドリュー・ジャクソン氏は、裏側にまわる。奴隷として生まれたタブマン氏が、奴隷を所有していたジャクソン大統領に取って代わるというのは、何とも皮肉なことだ。

タブマン氏は、奴隷解放組織「地下鉄道(Underground Railroad)」を作り、数千人の奴隷を助けたことで知られる。新たな20ドル札の顔として選ばれた彼女だが、実は20ドル札にまつわるユニークなエピソードがある。

アトランティック誌のヨニ・アッペルバウム氏によると、それはこんなストーリーだ。

1. ハリエット・タブマン氏の伝記の著者、サラ・ホプキンス・ブラッドフォード氏が、タブマン氏のこんな逸話を紹介している。

2. タブマン氏の両親は、メリーランドで働かされている奴隷だった。彼らを助けるためには、資金が必要だった。

3. 資金を手に入れるため、 タブマン氏は奴隷制度廃止派オリバー・ジョンソン氏のニューヨークにある奴隷事務所に乗り込んだ。そして、座り込んでハンガーストライキを決行した。