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今こそ銭湯。断水の熊本、築80年の老舗も無料開放「これもボランティアやけん」【熊本地震】

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地震に見舞われた熊本は、とにかく水に不自由している。熊本市内も一部地域で断水が続き、通水しても水道管からの水漏れで水圧が弱い。都市ガスの完全復旧も5月の大型連休明けになる見通しで、風呂はもちろんトイレすらままならない。当たり前の日常がどれだけありがたいことか、切実に思い知らされる。

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そんなときこそ銭湯だ。熊本市内では25日現在、公衆浴場業生活衛生同業組合に加盟していて、被害が比較的小さかった6軒が、被災者を対象に無料開放している

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中央区新町の「菊の湯」もその一つ。1937(昭和12)年創業、築80年の建物だが、風呂に大きな被害はなかった。自前の井戸で地下水をくみ上げ、薪で沸かしているから、水道やガスが来なくても営業できる。電灯などは応急修理でしのいでおり、震災翌日から1日3時間の限定で開放しているが、開店前から行列ができることも多い。

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ニュージーランド出身の英語教師、ネイサン・ウッドフィールドさん(23)は、地震以来約1週間ぶりに、暖かい風呂につかった。マンション6階の自宅は水もガスも届かず、エレベーターも止まった。トイレのたびに1階で水を汲み、階段を上がる日々だが「久々にゆっくりできました」と笑顔を見せた。「近くに開いている銭湯があってよかった。余震が続いて最近落ち着いて眠れていないから、これでちゃんと眠れそう。最近何かと気ぜわしかったけど、少しは気持ちに余裕ができるかな」

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番台に座るのは「菊の湯」3代目の高木陽子さん(61)。地震後は1日約300人が訪れている。「それまではお客さんも少ないし、やめようかな、と思いよったところでした。行列が出来るなんて、うちのおばあちゃんは『まるで戦時中に戻ったごたね』って言ってます。逆に常連さんにゆったり入ってもらえなくて申し訳なかです」と恐縮している。

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取材を受けている間にも、ひっきりなしに営業時間を問い合わせる電話が鳴っていた。

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入り口では陽子さんの夫・精治さん(63)が「混んどるけん、10分で入ってね」と声をかけている。一風呂浴びたお客さんたちが、次々に「ありがとうございます」とお礼の言葉を言って帰っていく。「気持ちよかった。ありがとう」「車中泊です。助かりました」と声をかけていく。

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「本当の銭湯は社交場、コミュニケーションの場なんよ。常連のお年寄りは会話したかけん来るわけです。よか人も多かけん、会話があって、心の支えのごたなる」と精治さん。無料開放の準備で毎朝7時半から店に来るため「地震で散らかった自宅を片付ける暇もない」と言うが「何よりお客さんが喜ぶけん、これもボランティアやけん。最後のご奉公と思って頑張っとります」。

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地震から1週間の熊本(2016年4月22日)
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