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直感を信じて、運命を切り開く――普通の女の子だったビートボクサーAIBOさんが「成功」を掴むまで

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AIBO
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ヒューマンビートボックス――それは、口だけで楽器の音や機械音など、様々な音を表現する、ストリートカルチャーの1つだ。

男性プレーヤーが多いこの業界で、日本では珍しい“女性ビートボクサー”であるAIBOさん。ヒューマンビートボックスの世界を切り開いてきた数少ない女性として知られる彼女だが、その成功のきっかけは些細な出来事だった。

AIBOさんは、知人からドイツに誘われ、ヒューマンビートボックスの世界大会を偶然目にした。そこでプレイをする女性ビートボクサーを見たときに、衝撃を受けた。直感的に「私もやってみたい!」と。

その後、初心者ながらやってみた彼女のプレイがYouTubeにアップされると、多くの反響が寄せられ、ビートボックスの世界で一気に知名度が上がったのだ。直感で得た成功へのスタートライン。そこから彼女が成功を掴むまでの道のりを追った。

彼女の歩みを辿ると、“運が良い”と思う人もいるかもしれない。しかし現在の彼女を作っているのは、決して「運の良さ」ではない。成功へのスタートラインに立ったとき、そこに満足することなく道を切り開く。一度これだと決めたら、運命を自分で掴みに行くまっすぐな強さだった。

彼女の力強いパフォーマンスがそれを物語っている。

カラオケさえも苦手だった内気な性格。それでも伝えたい魅力があった


「あんなに拡散するなんて思っていませんでした。アジア人は比較的幼く見えるので、当時24歳だった私の“見た目”から、『こんな若いガールがやっている!』というインパクトがあったのかもしれないです」。初めて投稿したYouTubeで高い反響を得た時のことをこう振り返る。

しかしAIBOさんは、自身が反響を得た後も、プレイヤーとして表に出たいという気持ちより、ヒューマンビートボックスの可能性を日本でも広めたいという思いのほうが強かったと話す。道具がなくてもプレイできて、色々な音楽と組み合わせられるヒューマンビートボックスの自由さに魅力を感じたからだ。

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子どもの頃から、音楽には、様々な形で触れてきたAIBOさんだが、意外にもカラオケなど人前に出ることが得意ではなかったそうだ。しかし「私が表に立つことで入り口となるなら、この文化を広めるために、私がやろうと思ったんです」と、当時のビートボックスへの思いを語る。その思いは、日本で初めてのヒューマンビートボックスに関わる協会(一般社団法人日本ヒューマンビートボックス協会)を立ち上げる原動力にもなった。

男性のプレイヤーが多いヒューマンビートボックスだが、性別に関係なく自分の得意な音の出し方や好きなジャンルを楽しめるのも魅力だ。しかし情報の少なさから“男性がやるもの”と印象付いていることがもったいないと、AIBOさんは感じていたという。

「アイドルの女の子がライブでやってもいいし、モデルさんがファッションショーのパフォーマンスとしてやっても面白い。閉鎖的な環境の中で技術の競い合いをするよりも、女の子たちが参加してアイデアが交錯し、多方面で盛り上がっていくことがこの文化の発展に繋がると感じました」

「女だからチヤホヤされてる」と批判され、感じた苦悩


今でも日本では特に、女性が人前に出たり何かを表現したりする上では様々な苦労がつきまとう。

「男性のプレイヤーから『女だからってチヤホヤされているんだろう』といった私に対する批判もありました。この世界では、ちょっとやってみたけど、はじき出されて辞めてしまう女の子も少なくないと思います」。

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それでも日本初の協会(一般社団法人日本ヒューマンビートボックス協会)を2010年に立ち上げてから5年間、表でも裏でもビートボックスシーンの第一線で突っ走ることができた強さはどこから来ていたのだろうか。AIBOさんは、協会立ち上げ時の苦悩についてこう語る。

「当時ステージで活躍していた先輩ビートボクサー達には、全く理解してもらえなかったんです。彼らからしたら、よく知らない若い女がいきなりそんな話をし出したから当然なのですが、『俺らの食い扶持を潰す気だろう』と思われ、誤解されてしまっていたんです」。

誠意を持ってやることで得られた、かけがえのない「財産」

それでもAIBOさん達は諦めず、仲間と一緒に「一年間の猶予の中で、この活動を見て判断して欲しい」と切実に訴えた。その後、主催する大会を見てもらうことでようやく先輩たちから理解を得ることができたという。

「先輩たちから『お前らがやらなかったらこの状況はずっと変わらなかったよ』と声をかけてもらえてうれしかった。あの壁を乗り越えられたからこそ、ビートボックスを通じた出会いが、今では財産となっています」

彼女の協会を通じた活動が、徐々にヒューマンビートボックスを始めたばかりの若い世代と、文化を支え続けた先輩たちを繋げる功績にも繋がっていった。

「経歴や自分が何をやってきたかよりも、そこで築けた人間関係が私の自信になっています。それまでは人と関わる過程で『この人、私に対してどう思っているんだろう』と不安になることもあった。でも好きな人と好きな仕事を一生懸命しようと割り切ったら、『相手もきっとそう』と思えるようになったんです」

すべては“好奇心と直感”―—自分を信じて実行する

現在も、ビートボックスを楽しんでいるAIBOさん。立ち上げメンバーでありながら協会を辞める決断をしたことも、彼女の運命を大きく変えた。

「迷っていたけど、過去を振り返るとマイナスなことは何ひとつありません。辞める選択ができたことは、これからの人生の大きな一歩でした。何かの選択に迷った時、どんな選択をしたとしても、その理由を自分で明確にしておくことが大切。そうすれば、あとで同じ間違いを繰り返すこともないと思う。しっかり考えて根拠のある自信を持った上での決断なら、その決断は自分を裏切らないはず」

さらに、彼女は運命を変えるために必要なことは“好奇心と直感”だという。

「日々色々なことに迷いますけど、迷う時点でどっちもどっち。本当に直感で良いなと感じたものは実行することを選び、そのためにどうするかを考えます。ドイツの大会に誘われて、観に行くことになったあの日、直感で行動しなかったら今の自分はありません」

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子どもがいるから、仕事があるから、あの人の存在があるから……。人は、何かのせいにして諦めることを選択しがちだ。たとえ、その選択が間違っていたとしても、自分が選んだ道だからこそ次に進める。彼女は、人生の選択に迷う人たちに、そんな気づきを与えてくれる。

自分を信じ、どんなことであれ自分の意思で選択する。それがAIBOさん流の運命の変え方だ。

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(執筆:石狩ジュンコ)

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