Huffpost Japan

佐藤健が明かす俳優としての「勝敗論」

投稿日: 更新:
SATO TAKERU
Japanese actor/cast member Takeru Satoh (C) waves smiles to fans during a press conference on the movie 'Rurouni Kenshin' (Kyoto Inferno) in Makati City, south of Manila, Philippines, 07 August 2014. The movie will open in Philippine cinemas on 24 September. EPA/FRANCIS R. MALASIG  | EPA・時事
印刷

oricon style

佐藤健が明かす俳優としての“勝敗論”

負けることを知らずに勝ち続ける。常に話題作に出演し、それをヒットさせることでファンからの人気だけでなくエンタテインメントシーンの信頼を得ている売れっ子俳優・佐藤健。そんな佐藤が勝負作という『世界から猫が消えたなら』について話を聞くと、俳優としての気負いと今の想い、さらに『るろうに剣心』撮影現場で『ダークナイト』がお手本になっていたという裏話も明かしてくれた。

◆『るろうに剣心』志々雄は、『ダークナイト』ジョーカーのイメージだった

――『世界から猫が消えたなら』は、映画化の話がある前から原作を読んでいたそうですね。どこに心惹かれましたか?

【佐藤健】 僕も小さい頃からずっと実家で猫を飼っていたので、かなり感情移入しました。主人公の“僕”が、“悪魔”に「世界から猫を消す」と言われたところは、読んでいて泣きそうになりました。猫がいない世界なんてさみしくて……。「人間が猫を飼っているんじゃない、猫が一緒にいてくれているんだ」というセリフも、猫好きには刺さる言葉でした。僕も本当に猫に対して「ありがとう」と思っているので。

――物語は、病気で死の宣告を受けた“僕”が、自分と同じ姿をした“悪魔”と取引をして、世界から物をひとつ消すたびに1日生き延びる……というもの。“僕”と“悪魔”の2役を演じるのはどうでしたか?

【佐藤健】 “僕”を演じたら“悪魔”を演じて、また“僕”を演じて“悪魔”を演じて……というすごく地道な作業だったので、時間がかかりました。たとえば台本で2ページのシーンだったら、普通は3時間くらいで撮れるところを、7~8時間くらいかけて撮影していたと思います。

――“僕”が自分の死と向き合っていく姿を通して、何か感じたことはありますか?

【佐藤健】 僕は小さい頃から死について考えるタイプでした。原作にも同じセリフがあるんですけど、「もし世界から自分が消えたら、どれくらいの人が泣いてくれるんだろう」とか、「自分がいる世界といない世界にはどれくらい差があるんだろう」みたいなことをよく考えていて。だから、この作品を通して改めて考えたというよりは、最初からいろいろな部分で共感できる物語でした。

――ちなみに、劇中では“悪魔”が猫だけでなく、映画も消してしまおうとします。映画は“僕”の人生に大きな影響を与えたものですが、佐藤さんが影響を受けた映画というと?

【佐藤健】 もの作りとか芝居をするうえでは、映画から吸収することがほとんどなので、たくさんあるのですが……。ひとつ挙げるなら『ダークナイト』です。あの映画は、漫画を実写化するときのひとつのお手本になったと思っています。『るろうに剣心』を撮っているときも、現場では「『ダークナイト』では……」という言葉が飛び交っていたんです。『るろうに剣心』の志々雄は、『ダークナイト』のジョーカーのようなイメージでした。

◆本気で自分の実力をさらけ出した、負けられない作品

――ところで、制作報告会見のとき、この作品を“勝負作”だとコメントされていましたよね。それはどうしてですか?

【佐藤健】 ほかの作品に比べて、明らかに自分が背負っている割合が大きいんです。ほぼ全シーンに出演しているし、2役なので共演者も自分だったりと。自分の芝居の出来がそのまま映画の出来を左右してしまうので、自分がダメだったら映画もダメになる。それがわかったうえでオファーを受けたので、覚悟を決めて毎日の撮影に臨んでいたんです。本気で自分の実力をさらけ出した作品なので、ここで負けたら役者として負けだなって。だから絶対に勝たないといけないんです。

――公開を前にした今はどんな気持ちですか?

【佐藤健】 完成した映画を観たとき、監督やスタッフさんの手によってすごく素敵な映画に仕上がっていて、本当に素晴らしいと思えたので、ある意味ではもう満足していて。あとはできるだけたくさんの人たちに観ていただきたいという気持ちです。

――この映画に限らず、作品が“勝つ”っていうのはどういうことなんでしょう?

【佐藤健】 いろいろな要素がありますが、まず作品として赤字はダメですよね(笑)。単純だけど、エンタテインメントに携わるひとりとしてそれは本当に大事なことで、僕は俳優もそういう意識を持つことが必要だと思っています。あとは観てくれた人の評価というか、どれだけ心に残る作品になっているか。でも、そこは目に見えないから難しいところですよね。

――そう考えると、今までかなりの確率で勝ってきましたよね。「佐藤健が出る作品はおもしろい」という信頼感のようなものも生まれている気がします。

【佐藤健】 自分ではそんなに“勝っている”という意識はないですが、そうだとしたらうれしいです。僕もそれを目指していますし。僕の出演作を観てくれた人が、おもしろかったから次の佐藤の作品も観ようって思ってくれて、その作品もやっぱりおもしろかった……っていうふうになればいいなって。

◆企画参加など、もっと深いところから映画に関わりたい

――作品を重ねるごとに“負けられない”プレッシャーも大きくなるんじゃないですか?

【佐藤健】 そのとおりです(笑)。ただ、ライトな感じで数を多くこなして、10回やって1回大当たりするタイプと、1回1回に魂を込めて時間をかけてやって、数は少なくても連続で当てるタイプがいるとしたら、僕は後者を目指しています。

――しかも、当てたからといって似たような役や作品を連続してやらないですよね。“安全牌”に逃げないというか。

【佐藤健】 チャレンジしないと勝てないと思っているんです。1回成功したことをなぞったら負けだって。たとえば『るろうに剣心』でやったアクションをまたやるとしたら、もっと上のステージに立てるようなハードルの高いことに挑戦したい。常に新しいステージに立ち続けたいんです。今回の『世界から猫が消えたなら』も、これまでと違うステージに立てたと思っている作品です。

――次のステージとして考えていることはありますか?

【佐藤健】 みなさんに素敵な作品を届けたいという基本的な部分はずっと変わらないです。ただ、今までは作品を与えてもらって、それをやってきたのですが、最近はそれだけでは限界がくるのも感じていて。次は自分で企画を作るところから参加したりとか、もっと深いところで映画に関わってみたいと思っています。
(文:加藤恵)

【関連リンク】

▼画像集が開きます▼

Close
世界のイケメン100人
/
シェア
ツイート
AD
この記事をシェア:
閉じる
現在のスライド

訂正箇所を連絡