ガリガリ君、ニューヨーク・タイムズ紙1面で報じられる 何と書いてあった?

ガリガリ君の値上げを使って解説したのはどんな内容?

アメリカのニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は5月19日、赤城乳業が人気アイスキャンディー「ガリガリ君」を25年ぶりに値上げしたニュースを、1面などに掲載した

記事は冒頭で、4月1〜2日に限定放送され日本でも話題になった同社の値上げお詫びCMを紹介。役員たちが東京郊外にある工場前で一列に並び、値上げについて謝罪する内容を「一般的ではない広告」だと表現した。

一見、面白おかしく日本を紹介する記事のような書き出しだが、ガリガリ君の値上げを使って「アベノミクス」の現状を解説する経済記事だ。「景気低迷によって、日本ではここ20年間、殆どの商品の価格が上昇していない。多くの値上げはヘッドライン(重大ニュース)になる」と、日本における物価状況を説明した。

デフレ脱却のために、アベノミクスは2%の物価上昇率の達成を目標とした。しかし、消費者物価指数は2016年3月は前年同期比でマイナス0.1%とゼロを割り込み、目標とは開きがある。

記事はガリガリ君の値上げは「活気に満ちた経済や強力な消費活動を反映するものではない」と分析。「企業は、コスト高による減益に直面している。デフレ傾向が依然として続いている。また、コスト高に直面する企業は賃金を上げないため、ほとんどの日本人の購買力は一世代前と比べて減少している」と述べた。

ガリガリ君の値上げについては、フィナンシャル・タイムズ(FT)も日本の景気に関する記事で3月に紹介。「ガリガリ君のような値上げのニュースは、昨年より少ない」と、報じた。さらにトヨタの春闘の例を挙げ、「今回(2016年)の月額1500円の賃上げは、昨年の4000円に比べて低い。これでは消費活動を促すことにはならず、このためインフレ圧力は弱いだろう」と伝えていた。

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