「殴れるものなら殴ってみなさい」パキスタンで怒りの声。夫が妻を「軽く殴打してもいい」法案とは

中東の国パキスタンで、夫が妻を「軽く殴打する」ことを認める法案が提出された。

中東の国パキスタンで、夫が妻を「軽く殴打する」ことを認める法案が提出された。

ワシントン・ポストによると、問題の法案はパキスタンで影響力があるイスラム教組織「イスラム・イデオロギー評議会」の提案の一部。同評議会は各種法案のイスラム教の教えとの整合性に関してパキスタン政府に助言を与える組織だ。同評議会は、性的交渉の拒否や夫の意にそぐわない服装をしたり、性的交渉後や生理期間後に体を洗わないなどの無礼に対して、夫は妻を「軽く」殴ってもよいと提案している

パキスタンの写真家ファハド・ラジュパ氏は、しつけの意味合いで夫が妻を「軽く殴る」ことを許可する法案が出されたことを初めて耳にした時、「これは憂慮すべき事態だと思いました」と語った。

#TryBeatingMeLightly(殴れるものなら軽く殴ってみなさい)、そうしたら私はあなたが考えもつかないような破壊力を持つわよ。――アディーカ・ラルワニ、デジタル・ストーリーテラー

同評議会はイスラムの教えを助言する組織だが、ラジュパ氏を含む多くのイスラム教徒が同評議会の助言に激怒した。

「イスラム教ではそのようなことは"一切"説いていません。男性に対しても、女性に対してもです」とラジュパはハフポストUS版

に送ったメールの中で記した。彼によれば「大多数の」パキスタン人は同法案に賛成していない。さらに、「ある程度正気の人間であれば同法案に賛成しないでしょう」とも伝えた。

そこで、ラジュパは写真シリーズ「#TryBeatingMeLightly」(殴れるものなら軽く殴ってみなさい)で同法案に対するパキスタン女性の反応を紹介し始めた。彼の白黒ポートレートに添えられたキャプションは、写真の被写体自身によって書かれたものだ。

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、私は太陽。私に触れたら地獄の炎のごとくあなたを焼き尽くす。私は光。止めようとしても私を止めることは不可能。私を封じ込めることは不可能。私はハリケーンに名前が使われるような女性。やれるものならやってみなさい。

――ラビャ・アーメド、フォト・ブロガー

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、あなたは残りの惨めな生涯、後悔することになるわ。

――サンダス・ラシード、教師 / ラジオ・パーソナリティ

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、自分の娘が軽く殴られたらどういう気持ちになるか聞かせて。

――アルベラ・ラジュパ、医学生

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、自分が軽く殴られたいかどうか考えてみて。

――ファラー・S・カマル、教育コンサルタント

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、お尻にパンチよ!

――アンバー・ザルフィカー、旅とライフスタイル・ブロガー

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、車でひいてやる! 運転歴は7年あるわ。

――プリヤンカ・パフージャ、元プロダクトデザイナーのデジタルマーケター

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、あなたが翌朝まで生き延びることはないわ。

――サンブル・ウスマン、ソーシャルメディア・マネージャー

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、 私に上げた手をへし折ってあげる。残りのダメージ? あとはアラーにお任せします。

――シャグフタ・アバス、医師

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、私もあなたを軽く殴りつけてあげる。同じように公然でね。男女平等にはとてもこだわりがあるの。

――フィッザ・ラーマン、シニア・ブランドマネージャー

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、その報いを受ける準備をしておいて。

――エラム・カーン、ブロガー

殴れるものなら軽く殴ってみなさい、あなたの知性で打ちのめすなら許すわ。あなたの機知で打ちのめして。あなたの笑顔で打ちのめして。あなたの思いやりで打ちのめして。でも、もし羽の一本でも使って私を叩いたら、あなたを徹底的に殴りつけるわ。愛を込めて :)

――サディヤ・アズハー

ラジュパ氏のその他の作品は、FacebookInstagramで見ることができる。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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