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「LGBT、政治家はどう思ってるの?」橋本岳・衆院議員に若者が聞いてみた #YoungVoice

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7月の参院選では、18歳以上が初めて投票できるようになる。新しい世代が参加することで「政治が変わる」ことに期待が高まっているが、そもそも若者たちの政治・選挙への関心はどこに向いているのだろうか。ハフポスト日本版は、18歳から23歳の若者と一緒に国会議員や自治体の首長らを訪ね、率直で様々な質問をぶつけてみた。

ピンクの半袖シャツ姿で登場した自由民主党の橋本岳・衆院議員(42)。若者たちと同世代の娘がいる橋本さんは、間瀬海太さん(21)、福井規子さん(18)、井手佑翼さん(23)のストレートな質問にも気さくに答えてくれた。

学生結婚したという橋本さんは一体、どんな学生生活を送っていたのか。18歳選挙権に対する考えは? 「家事育児は、労働と同じくらい大事なこと」と語る橋本さんに、子育てやLGBTなどの性的マイノリティへの思いと合わせて聞いた。

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(左から)橋本岳・衆院議員、間瀬海太さん(21)、福井規子さん(18)、井手佑翼さん(23)

■選挙権より被選挙権「いつか自分たちがやるかもしれない」

——そもそも18歳選挙権に賛成、それとも反対? その理由は何でしょうか。

賛成です。本当いうと、被選挙権と選挙権はセットで考えたほうがいいと思ってるんです。選挙権なんてつまらないから(笑)。“踊る阿呆と見る阿呆”って言うじゃないですか。選挙権というのは踊っている人を選ぶもの。もちろんそれも参加に違いないんだけど、どうせ“同じ阿呆なら、踊らにゃ損々”。

いつか自分たちが(政治を)やるかもしれない。なったらどうしよう? と思って政治を見てもらったほうが、よっぽど面白い。「被選挙権が、25歳、30歳になったらもらえます。みなさんにもチャンスがあるかもしれない」そういう気持ちを持ってもらえるといいですね。

——では、被選挙権の引き下げも賛成?

もしみなさんが引き下げたい、ということでしたら。若い人も本当に政治に参加をすることになると思う。投票って、本当に責任をもってコミットすることではなくて、人に責任を預けるということですから。おれたちが積極的に社会を動かしていくんだ、(被選挙権を)引き下げろ、というんだったら、それはすごくうれしく思います。

■大学時代はアパートで一人暮らし、政治家になるとは思ってなかった

——18歳の頃は、どんな生活を送っていましたか?

大学のあった(神奈川県藤沢市の)湘南台の駅から歩いて10分のところにあるアパートで一人暮らしをしてました。最初の頃はバスで(大学に)行っていたけど、途中から車で通うようになりましたね。あとは体育会の剣道部だったので、週に何回かは日吉に(練習しに)行ってました。

——当時、政治への興味はありましたか?

私の場合は、父親が政治家だったものですから、子どもの頃から身近に政治家の方がいました。ただ、後を継げと言われたことはなかったので、とりあえず大学を卒業したら就職するんだと思ってましたね。

■20年前、LGBTという言葉は出てこなかった

——娘さんと同世代の今の18歳と、自分が18歳の頃と比べると何が違いますか?

(冒頭の動画で紹介した、若者からの「自分の子どもに、LGBTだとカムアウトされたら?」という質問について)こういうインタビューで、まず「LGBT」っていう言葉は出てこなかったですよね。20年前は。

娘と話すこともありますけど、あとはそんなにびっくりすることはないかな。アニメとか漫画が好き、というのは変わらない。今、家に全巻ある漫画は『BLEACH』。子どもが買ったのと僕が買ったのと両方あります。たまに2冊買ってあったり(笑)。

■学生結婚、子育てしながら夫婦で修士論文

——大学院1年生のときに第一子が誕生。以来4人の子どもの父親として、育児と仕事を両立されてきました。2016年初頭に話題になりましたが、あらためて国会議員の男性の育休取得についてどう考えますか。

属人的な話は抜きにして(笑)、僕は、期間だとかいろいろ議論すべき点はあると思うんですけど、国会議員に限らず、今の「女性の産休は認められています」「男性の育休についてはとくに意識されていない」というのは変えたほうがいいと思います。

国会議員かどうかは重要ではなくて、会社勤めの方とかいろんなお仕事をされている方も、できれば育児はいろんな形で参加されるといいなと思います。(育休は)3日間でも1週間でもいいですけど、やったことがあるのとないのでは、後々違ってくると思います。

育休で会社を休んだ男性は、家で子どもや奥さんの世話を一生懸命しているのであって、それは決して休むことではないんです。そもそも育休って言葉が悪い。

——育休は、育児休業であって育児休暇じゃない、と。

そう。休暇じゃない。それは会社視点の言葉ですよね。そうじゃなくて「家事育児って、実は労働と同じくらい大事なことだよねって」ということを、もう一回みんなでコンセンサスを作り直さないといけないね、と。

うちの場合、同級生の妻と結婚して、ちょうど大学院1年の1月に長女が生まれたわけですけど、2年生の1年間は、お互い子育てしながら修士論文を書かなきゃいけない(笑)。だから、奥さんが論文を書いているときは僕のほうが子どもを見ていました。おっぱいをあげたりとか、できないことはありましたけど、その他のことはだいたい僕ひとりでやっていました。

■LGBT、自民党の事務局長として伝えたいこと

——LGBT(などの性的マイノリティ)施策について、党のビジョンを18歳や若者にわかりやすく教えてもらえますか?

今LGBTの方々が置かれている環境は、差別をされているとか、理解をされていないとか、いろいろな困難や難しいことが多いんだろうと思っています。

逆に非当事者の方が、世の中の大部分だったりするわけですけど、差別意識を持っているのかというと、持ってないんですよ。要するに、知らない。自分の周りにはいないと思っている。だから、そうでない人の話を聞くと、違う人だとか、病気だとか、趣味の人なんだ、ということを言ってしまう。

だから、それ以前の問題として「そうではないんですよ。人口の何%はそういう人がいて、病気として治療するべきことでもないし、自分で選べることでもない。趣味ではない」と、その辺のことを整理して、多くの方にきちんと伝えたい。理解していただくために伝えていくのが大事だろうと思っています。

——党の方針で示した「カムアウトする必要のない社会」については、様々な意見がありますが、真意は?

言葉足らずな表現だったと思います。もちろん自分のことを隠したくないという当事者の方々の気持ちもあると思うんですけど、世間の方が無理解であるがゆえに、カムアウトを意識して葛藤してやらなきゃいけない、というのがおかしいのであって、まずは世間のバリアを下げなきゃいけないと思っています。

周囲の人たちが、驚かずに「普通にそういうこともあるよね」と言えるような理解があれば、カムアウトという言葉を使って表現する必要はなくなるでしょう、ということが言いたかったんですけど、言葉足らずだったということです。

——まずは、人々の正しい認知や理解が大事と。

それでもなお差別をする人がいれば、もちろん別の法律のことを考えることができると思いますけど、その前にきちんと、科学的で客観的な事実を知ってもらう。

まだまだ知られていないし、役所も認識していない。学校の先生とかも知らないので、本当に悩んでちょっと先生に相談したときに、先生のほうが「お前おかしいだろ」といっちゃう。まずはそういう立場の人に知ってもらおうと政府に対して申し入れをしましたし、その根拠となる法律を作ろうと今しているところです。

ただし現実には、今の自民党の国会議員の中に、やっぱりこの話をすると「病気の人なんだろ」とか「そういう話、嫌いなの」といって避ける人がいる。すごく残念なことだと思うんです。できるだけそういう人たちにも、伝えていきたいなと思います。

——パートナーシップ制度も、理解が深まってからでしょうか?

そうですね。そういう存在の方がきちんと認知されて初めて、そういう方々の法制度上の保護についての議論ができるのであって、今の時点でその話は時期尚早かな、と。まずはきちっと認識を広げることが大事なのかなと思います。

橋本岳・衆院議員(42)

1974年岡山県総社市生まれ。慶應大学大学院修了。1998年三菱総合研究所入社、2005年衆院選で岡山4区から出馬して初当選。現在3期目。自由民主党の外交部会長、「性的指向・性自認に関する特命委員会」事務局長。好きなスポーツは、剣道、水泳、野球、山歩き。父は、橋本龍太郎元首相。