悲惨なオーランド銃乱射事件も、ドナルド・トランプ氏にとっては自分の宣伝材料でしかない

トランプ氏は政治的に害のある存在でしかない。有権者もトランプ氏の扇動には難色を示している。
PHOENIX, AZ - JUNE 18: Republican presidential candidate Donald Trump speaks to a crowd of supporters during a campaign rally on June 18, 2016 in Phoenix, Arizona. Trump returned to Arizona for the fourth time since starting his presidential campaign a year ago. (Photo by Ralph Freso/Getty Images)
PHOENIX, AZ - JUNE 18: Republican presidential candidate Donald Trump speaks to a crowd of supporters during a campaign rally on June 18, 2016 in Phoenix, Arizona. Trump returned to Arizona for the fourth time since starting his presidential campaign a year ago. (Photo by Ralph Freso/Getty Images)
Ralph Freso via Getty Images

フロリダ州オーランドのナイトクラブで6月12日に発生した痛ましい銃乱射事件をきっかけに、多くのアメリカ人は政治は別の話として、一つになって強さと団結を見せてきた。しかし、アメリカ大統領選で共和党の候補指名を確実にした実業家のドナルド・トランプ氏の行動は全く反対だった。

トランプ氏はこの銃乱射事件を、「自分には先見の明があった」と宣伝する機会にしている。一方でバラク・オバマ大統領を批判し、イスラム教徒を悪と決めつける機会にもした。今回のトランプ氏の言動を見れば、彼が大統領になって同じような状況に直面した時、どのような対応をするかも大体想像がついてくる。

12日未明にオーランドのゲイのナイトクラブで男が49人を射殺したことを受け、トランプ氏は「このようなことが起こるのは前から分かっていた」と自慢し、イスラム教徒をアメリカから締め出すという自身の主張を正当化した。

トランプ氏は13日、「明らかにアメリカに対するテロ行為の歴史のある地域からの移民を、アメリカやヨーロッパ、同盟国への入国を禁じる」というコメントに対してもツイートした。またトランプ氏は今回の銃乱射事件のオマール・マティーン容疑者がアフガニスタン生まれであると誤って認識していた。実は、マティーン容疑者もトランプと全く同じニューヨーク出身なのだ。

トランプ陣営から取材禁止を通達されたワシントン・ポスト紙は、トランプ氏の発言が「虚偽と誇張」に満ち溢れたものだと報じた

またトランプ氏は、「オバマ大統領はマティーン容疑者に共感し、テロ行為を支援しているようにすら見える」と、オバマ大統領に辞任を促した

「ご覧なさい。アメリカを率いているのは強くもなく、頭も悪く、大した考えも持っていない人間なのです。まあ、大した考えというのは正直どんな考えかは分かりませんが」とトランプ氏は13日に出演したテレビ番組「フォックス&フレンズ」でのインタビューで話している。「オバマ大統領の行動は全くもって理解に苦しみます。『イスラム過激派のテロ』という言葉も口にしていません。これは絶対におかしいでしょう。全くもって信じられないとしか言いようがありません」

オバマ大統領はこのトランプ氏のコメントに、「イスラム過激派のテロ」というフレーズを漫然と使うだけでは何の解決にもならないと反論した

「そのフレーズを使って何が成し遂げられるのでしょうか? 何が変わるのでしょうか? IS(イスラム国)がアメリカ人を殺さないようになるのでしょうか? 同盟国が増えるのでしょうか? そのフレーズは軍事的な戦略の一つなのでようか?」とオバマ大統領は話している。「その答えは、上に挙げたうちのいずれでもありません。脅威という言葉を違う言い方にしてみても、何の解決にもならないのです」

共和党の大統領候補となったトランプ氏のコメントがあまりに酷いため、共和党も、急にトランプ氏のコメントには触れないようになってしまった。トランプ氏は「アメリカのモスクも監視するべきだ」と発言し、政治的に害のある存在でしかない。有権者もトランプ氏の扇動には難色を示している

トランプ氏は銃乱射事件を利用しようと、民主党の指名獲得が確実となったヒラリー・クリントン氏よりもLGBTコミュニティのために自分が役立てることがあると話した。しかし、トランプ氏はかつてテレビで2人の男性がキスしているのを見た時の不快感を感じたことについては触れることはなかった

編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた嘘ばかりつき極度に外国人を嫌い人種差別主義者ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサ―(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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