孫正義氏「ずいぶん考えて、さらに毛が抜けた」 ニケシュ・アローラ氏退任で

「彼が一番の被害者なんですね。本当に僕、申し訳なかったと思ってるんです」
Softbank 公式サイトより

ソフトバンクの孫正義CEO(58)は6月22日、東京都内で行われた定時株主総会で、ニケシュ・アローラ氏(48)の退任について「ずいぶん悩んだ」と明かした。

ソフトバンクは株主総会の前日となった21日に、アローラ氏の退任を発表。退任理由については、本来は孫氏の後継者としてアローラ氏を招いたものの、孫氏が続投の意思を示したためとの趣旨を伝えていた。

孫氏は株主総会で続投について質問され、「私が成長の妨げになってはいけない。50代までにある程度ビジネスモデルを完成させて、60代で後継者にバトンタッチすると、19歳の時に決めていた。60歳の誕生日で、潔く渡そうと思っていた」などとコメント。しかし、「もうちょっと、やっぱり社長を続けようと。少なくとも最低5年、おそらく10年近くは社長のままいきたいというのが、今回の決意でございます」などと表明した。

また、アローラ氏の退任については、「今回のニケシュの件ではずいぶん僕考えて、さらに毛が本当に抜けた。飛行機のトイレで鏡見たら、急に真っ白くなっていた。本当に悩んだ」と告白。その理由については、孫氏自身の「わがまま」と表現し、次のように謝罪した。

「彼が一番の被害者なんですね。本当に僕、申し訳なかったと思ってるんです。

なかには、彼が高給取りすぎているとか言う方もいるが、彼はGoogleにそのまま居れば、ソフトバンクから今回もらってるぐらいの報酬はそのままもらっていた。Googleで彼の役職は4番目だったけれども、実質的な経営は彼がやっていて、報酬はGoogle全社員のなかで一番高かった。なにもリスクに冒して、うちに来る必要なかった」

アローラ氏は株主総会の冒頭で挨拶。孫氏からアイデアやパラダイムシフトを見つける能力のほか、「人類に対する貢献の仕方について学ばせていただいた」と挨拶。孫氏がトレンドを見出す能力を持っていると語った。

さらに、共に海外の若い創業者たちに会うなかで、孫氏は若返えったと指摘。「孫社長は、これから先5年10年とソフトバンクグループを率い続ける、情熱とエネルギーを取り戻された」として、孫氏の決断を支持。今後もアドバイザーとして、ソフトバンクをサポートし続けると述べた。

アローラ氏はインド出身でGoogleの元幹部。2014年にソフトバンクに移り、取締役副社長として海外事業を率いてきた。

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