サーブ、2017年に消滅 バブル期にブームとなった「北欧の名車」

根強い人気があるスウェーデンの自動車ブランド「サーブ」(SAAB)が、2017年に消滅することになった。
The front of a Saab Automobile AB 9-3 convertible is seen at New York International Auto Show (NYIAS) in New York, U.S., on Wednesday, April 20, 2011. The show is open to the public April 22 to May 1. Photographer: Jin Lee/Bloomberg via Getty Images
The front of a Saab Automobile AB 9-3 convertible is seen at New York International Auto Show (NYIAS) in New York, U.S., on Wednesday, April 20, 2011. The show is open to the public April 22 to May 1. Photographer: Jin Lee/Bloomberg via Getty Images
Bloomberg via Getty Images

根強い人気があるスウェーデンの自動車ブランド「サーブ」(SAAB)が、2017年に消滅することになった。ブランドを保有するナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)が6月21日に発表した。共同通信などが報じた。

NEVS社は中国企業が資本を保有しており、車両の研究と、新エネルギー自動車技術の開発を手掛ける。2012年6月に、スウェーデンのサーブ・オートモービルの資産、技術、知的財産を買収している。2014年にはスウェーデンの工場を閉鎖するなど経営再建を進めてきた。

同社は電気自動車に注力しており、2017年からはブランドも「NEVS」に変更して、売り込みを強化する方針だ。「私たちの歴史と遺産について慎重に検討を重ねた結果、我々自身の商標を使うことになった」とNEVSのマティアス・バーグマン社長はコメントしている

1978年から93年にかけて販売された初代「サーブ・900」

■バブル期には日本でもブーム

サーブのブランドは、1947年に航空・軍需品を手掛けるサーブ社の自動車部門として誕生。1990年にアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)の傘下に入った際に分離し、単独企業になった。1980~90年代のバブル期には、作家の五木寛之が紹介したことで日本でも「サーブ・900」の人気に火がついた。飛行機を連想させるグリルなど、北欧らしい個性的なデザインがブームとなった。

その後は世界的に販売の低迷が続き、オランダのスパイカーによる買収を経て、NEVS社が保有するブランドとなった。紆余曲折を経た名門ブランドは、70年間で歴史に幕を下ろすことになる。

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