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EU離脱のイギリスで「アフリカ帰れ」 酔った若者の罵声に電車内が騒然(動画)

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イギリスがEU離脱(ブレグジット)の選択肢をとった波紋が広がっている。イギリス国内では、外国人に対する人種差別的な言動が公衆の面前で繰り広げられている。ロンドン西部のハマースミスにあるポーランド社会文化協会(Posk)の建物に人種差別的な落書きがされたほか、マンチェスターのトラム内で、ビールを飲んでいる10代の若者たちがアフリカ系とみられるアメリカ人男性に口汚く罵る動画が公開された。

男性はこう返す。「君たちはいくつだ? 18歳? 19歳? 私は君たちより長くここに暮らしているぞ」

若者たちはすぐに脅すような口調で言った。「黙れ、それが嫌ならアフリカへ帰れ」

言い合いが激しくなり、若者たちが男性の前まで来てビールを浴びせ、トラムから降りるように要求した。乗客たちは恐怖を感じているように見える。

男性は自分が7年間軍で働いていたと言って若者たちを諭す。「君たちは本当に無知で何もわかっていないんだな」

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男性は若者たちに年齢を尋ね、「君たちよりも長くここに住んでいる」と言った。

男性が若者たちに近づくと、少年たちの後ろから「むかつくんだよ、おまえはイギリスの恥だ!」と叫ぶ乗客たちに引き離された。

その集団はこう叫んでいるように聞こえる。「サルフォードだよ! クソ移民!」

グレーター・マンチェスター警察が調査中のこの一件では、恐怖とショックで涙を流す乗客も見えた。

乗客の一人は地元紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」に匿名でこう語った。「本当に恐ろしい光景でした。職場に向かう途中、ずっと泣いていました。感情をコントロールできませんでした」

「とても悲しかったです。職場に向かうのが恐ろしいです。彼らは若い3人の少年たちでした」。

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最後は少年たちがトラムを降りて、乗客たちは安堵した。

「一人で移動するのが怖いし、子供たちが安全でないことが怖いです。子供をトラムに乗せられません」。

グレーター・マンチェスター警察のガレス・パーキン警部はこう話した。「今朝ネット上に出たヘイト行為の動画は承知している。我々の社会にまったくふさわしくない腹立たしい嫌がらせ行為だ。グレーター・マンチェスターではすべてのヘイト行為は非常に厳しく扱われ、決して許されない。動画に映っている男性を知っている人は名乗り出て、我々の捜査に協力してほしい。

「この事件は今朝6月28日火曜日の7時40分ごろ、街の中心部へ向かうトラム内で起きました」グレーター・マンチェスターで警察・犯罪対策本部長を務めるトニー・ロイド市長はこう語った。「EU離脱決定後にイギリス国内のさまざまな地域で人種差別的な攻撃が報告されているが、グレーター・マンチェスターの人々はこうした行為を非難する。グレーター・マンチェスター警察は週末にかけてヘイトクライムの報告が増えた様子はないとみているが、人種、宗教、国籍による嫌がらせを受けた人たちの事情聴取を始めている。

グレーター・マンチェスターに憎悪や分裂があってはならない。我々は共に、強い結びつきのある寛容なコミュニティを懸命に築いてきた。ヘイトクライムの被害に遭ったすべての人たちを励ましたい。

我々の社会にヘイトクライムはふさわしくない。憎悪や偏見へ共に立ち向かうイギリス人が数多くいる。こうした人種差別行為を我々は断固反対し、許さない」

しかし残念なことに今回のような衝突がイギリスでは珍しいことではない。そしてEU離脱の決定後、1週間も経たないうちに事件が立て続けに起こり、人種差別主義者による犯罪が増えている。

イスラム教徒への犯罪を集計している団体『テル・ママ』は、24日のEU離脱決定後、ヘイトクライムをする人物の詳細を明らかにした。

国家警察署長協議会(NPCC)は23日から26日までに警察に寄せられたヘイトクライムの件数が、前月の同じ時期に比べて57%増えたことを明らかにした。

過激派の計画防止に取り組む、信仰の垣根を超えた団体『フェイスマターズ』がテル・ママを通してヘイトクライムの件数を公表した。

フェイスマターズの創設者でディレクターのフィヤズ・ムガル氏は24日の離脱決定以降、人種差別的な嫌がらせの報告件数が目立ち始めている。見た目ですぐにイスラム教徒とわかる女性からは「自分たちはおまえたちが出て行く方に投票したのに、なぜまだここにいるんだ」と直接言われたという。

ムガル氏はこう語った。「EU離脱は一部の人たちにとっては偏見が合法化されたようなもので、見た目の違う人が路上で口汚い言葉を投げつけられ、標的になっています。これが2016年のイギリスなのです。決して許容できません」

ハフポストUK版より翻訳・加筆しました。

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